仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

夫・河村隆一から“使用人扱い”! 公美夫人に見る、「苦労すれば愛される」の欺瞞

2015/10/01 21:00
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河村隆一オフィシャルサイトより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「チャンスだなと思って。こういう人と結婚する機会は、なかなかない」河村公美
『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系、9月29日放送)

 「女性か喜ぶ、女性からの褒め言葉は何?」と尋ねられたら、どんな言葉が思いつくだろうか。「キレイ」とか「知的」とか、ある程度の年齢の女性であれば「若い」も褒め言葉にあたるだろう。だが筆者は、一見そうは聞こえないけれど、究極に女性を喜ばす褒め言葉とは、「大変だね」なのではないかと思うのだ。

 そんな女性の意外なツボについて気づかせてくれるのが、『解決!ナイナイアンサー』(日本テレビ系)内の「芸能人妻ホンネ座談会」という企画である。その名の通り、芸能人妻が自らの結婚生活をぶっちゃけるのだが、この座談会を見ていると、ある傾向に気づく。夫に不満のない妻よりも、夫のおかしな行動に悩まされる妻の方が称賛されるのだ。

 具体例で見てみよう。9月29日放送のホンネ座談会のテーマは、「困らせ夫、許せる?」。元モーニング娘・辻希美の夫、杉浦太陽は結婚当初は友達と遊びたがったそうだが、今では家族第一主義で子煩悩なパパだそうである。一方、安めぐみは、夫であるお笑い芸人・東MAXが亭主関白で、食事の際はメニューも見せてくれず、自分勝手にオーダーしてしまうと嘆く。さらに、東MAXが結婚記念日の食事にも後輩芸人を連れてきてしまうので、2人きりになる時間がないそうだ。しかし、ほかの出演者から「腹が立たないのか?」と聞かれると、安は「それで夫の居心地がいいならいい」「お父さんが東八郎さんで、子どもの頃からお弟子さんとかたくさんの人に囲まれて生活していたから(しょうがない)」と受け入れることにしたという。「大変」「めぐちゃんだからうまく行ってる」と称賛され、安自身も満足げだった。

 夫婦間に不満はないに越したことはないはずで、となると称賛されるのは辻なはずだが、「我慢して家族円満な安」>「不満はなく家族円満な辻」になっているのである。これは、女性の中には、一定数「女性の苦労は美徳」「苦労するほど、愛される」と思っている苦労教信者がいるからではないだろうか。

 今、一番“苦労売り”しているのは、LUNA SEA・河村隆一の妻、公美夫人だろう。夫人は、河村を“神亭主”とし、夫には常に敬語、夫に呼び出されたら、すぐに対応できるように実家に帰るのも禁止。またミス日本に輝いた夫人は、恵まれた美貌の持ち主だが、まゆ毛を整える、マニキュアをする、スカートをはく、ハイヒールを履くなど、女性らしさを強調させるような行動も全て禁止だ。さらに手はつながない、キスをしない、河村と子どもが一緒に寝て、夫人の寝室は別であり、妻というより使用人扱いである。夫人は「私は河村神社で修行中の巫女さん」と自らのポジションを説明するが、この結婚生活に不満はないのか疑問に思うのは、私だけではないはずだ。

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