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『この女を見よ 本荘幽蘭と隠された近代日本』著者インタビュー

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『この女(ひと)を見よ 本荘幽蘭と隠された近代日本』(ぷねうま舎)

 明治後半から昭和の戦前までの時代に、数多くの新聞や雑誌で「妖婦」と呼ばれた女性がいた。新聞記者、講談師、女優、尼僧と当時の女性としては先端的な職業を次々と開拓し、吉原に身売りしたかと思えば、男言葉を使い、男装となり、さらには数多くの男性と恋に落ち18回も結婚をしたといわれる本荘幽蘭だ。名家の生まれでありながら世の中の規範や性差や国境さえも軽々と超えていくボーダーレスな生き方は事あるごとに注目され、男性遍歴だけを取り沙汰する当時の男性記者も多かったという。女らしさ、母親らしさなどの社会的規範が求められる中、声高に女性の権利を求めた女たちもいたが、そことは一線を画し、軽やかに、しかし明確な意思を持って「自分」として生きた幽蘭。男は面白おかしく書きたて、女性たちからは理解を得られなかったが、その自由な精神は時代にかかわらず女性に響くものがある。

 そんな本荘幽蘭という1人の女性について、数々の証言や当時の新聞記事などから考察した『この女(ひと)を見よ 本荘幽蘭と隠された近代日本』(ぷねうま舎)が刊行された。本書の著者であり女性史研究者の江刺昭子氏に、幽蘭という女性の魅力と、時代を超えた女性の生き方のヒントをうかがった。

――本荘幽蘭という名前を初めて聞く人は多いと思います。経歴を見ると相当破天荒な人生を送った有名人だと思うのですが、なぜ歴史としては埋もれていたのでしょうか。

江刺昭子氏(以下、江刺) 女性史研究は女子教育や女性の働き方、女性解放運動に関することが主流なのですが、幽蘭はそういった流れではとらえにくい人物だし、信頼性の高い資料があまり残っていないという点があります。私は30年前に『女のくせに―草分けの女性新聞記者たち』(文化出版局)という女性の新聞記者の列伝をまとめた本を書いたときに幽蘭のことを初めて知りました。彼女の知人の思い出や新聞の評判記はありましたが、生没年などの情報はわからなかったので「謎の女」として紹介しました。それから30年経過し、資料検索の環境が整ったので、彼女が「読売新聞」に書いた日露戦争遺族の訪問記や女性論など、かなりたくさん資料が集まりました。だから、この本はその資料を紹介しながら、安藤礼二さんと私が解説を書くというスタイルになっています。ただ、新たに出てきた資料も、男性の書き手が面白おかしく書いた記事が多いんです。

――女性史には存在がなくとも、新聞や雑誌には幽蘭が存在するんですね。

江刺 書かれている内容は、「あの幽蘭女史が、今度は沖縄で新しい男と結婚した」とか「また男を替えた」とか、そういった類いです。幽蘭はとにかく男性が興味を持つ対象でした。遊女は借金のために体を売るわけですが、幽蘭は出自が良い上に学歴も当時としてはとても高く、新聞記者までやった才女なのに男を取っ換え引っ換えしていた。そのギャップに男性は強い興味を持って、幽蘭が行くところ行くところ日本各地を追っかけてゴシップにしていました。事実も含めて面白く書いたことから、他人が勝手に膨らました記事もあれば、本人も講談師をしていたときには、男性遍歴だけでなく精神病院に入院したことさえあっけらかんと話しています。そんなふうに自分のことをベラベラとしゃべったりゴシップにされてもケロッとしていた女性は珍しかったと思います。

『この女を見よ: 本荘幽蘭と隠された近代日本』 女より人間として、自分として生きる強さをつかむ amazon_associate_logo.jpg
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