「蓮舫はいい女や~」女=セクハラ対象な日本中の政治家たちにゲッソリ

 「週刊ポスト」(小学館)9月25日・10月2日号に、こんな記事が掲載されていました。

「鴻池祥肇氏 懇談会で「蓮舫はいい女、福島瑞穂は気がある」(NEWS ポストセブン)

 自民党・鴻池祥肇参院議員が、記者クラブの記者を集めたオフレコ懇談会において、「蓮舫(民主党)あれはいい女や~」と連呼。記者から「蓮舫さんが強行採決の際に委員長席に詰め寄ってきたらどうしますか」と聞かれると、腰を浮かせて体を前に乗り出し、口を突き出して両腕で抱きしめるようなポーズをしながら「抱きしめちゃう」とはしゃいでいたというものです。

 蓮舫議員だけでなく、福島瑞穂議員(社民党)についても「『総理に質問しているのに、委員長の俺の目を見ている。俺のことが好きなのか?』といい放っていたというから、ストライクゾーンは広いらしい」ともこの記事にはあります。懇談会は終止、鴻池議員の放言連発で笑いに包まれていたが、女性記者の表情だけは曇り気味だったそうです。当たり前ですよね。

 鴻池議員の発言はもちろんですが、「蓮舫さんが強行採決の際に委員長席に詰め寄ってきたらどうしますか」と質問した記者もヒドい。オフレコ懇談会ですから記事にするためではなく、ただセクハラを笑いにするために、鴻池議員への「振り」をしている。

 さらに「週刊ポスト」の記事も、鴻池議員が、蓮舫議員だけでなく福島議員にもセクハラ発言をしている点について、「ストライクゾーンは広いらしい」と、一連の発言をゴシップ的に扱おうとしていることが見て取れます。ここで問題なのは、セクハラ発言であって、「(容姿であろうと年齢であろうと思想であろうと、なんらかの)ストライクゾーンの広さ」ではありません。しかも記事は「かつて女性スキャンダルが原因で官房副長官の職を追われた過去をものともしない鴻池氏。ここまで来れば、もはや一つの芸風かもしれない」と、セクハラ体質を「芸風」で片付けてしまっている。問題は鴻池議員の発言だけではありません。

 ちなみに記事にある「かつて女性スキャンダルが原因で~」というのは、2009年1月に「週刊新潮」(新潮社)によって報じられた、鴻池議員が原則、家族以外は入れてはいけないとされている議員宿舎に女性を泊めた件や、同年5月の同じく「週刊新潮」の、国会議員に与えられるJR無料パス(もちろん公費)を利用して、女性と熱海温泉へ旅行したという記事のことです。その後、鴻池議員は当時就いていた内閣官房副長官を更迭され、さらに自民党兵庫県連からは除籍という重い処分を下されています。当時の首相・麻生太郎氏は、更迭の理由を、あくまで健康問題であるとしていましたが、一連の不祥事の責任を取らせたと考えるのが自然でしょう。

◎「早く結婚しろ」「産む機械」発言を振り返る

 定期的に、というより頻繁に出てくる、議員のセクハラ発言。記憶に新しいのは2014年6月に、東京都議会議員の塩村文夏氏が晩婚化対策に関する支援について質問している最中に、「早く結婚したらいいじゃないか」「産めないのか」という野次が飛んだ問題でしょう。これは日本だけでなく世界中で批判的に報道され、大きな問題となりました。

 その後、当初は「私ではない」と関与を否定していた自民会派の鈴木章浩議員が、「結婚したらいいじゃないか」と野次を飛ばしたことを認め、自民会派を離脱しています(鈴木議員は、今年7月30日に同会派に復帰)。

 また未だに忘れられないのは、元自民党の議員・柳澤伯夫氏(なんと現在は城西国際大学の学長に就任!)による、2007年に島根県で開かれた自民党県議集会での「産む機械」発言。改めて紹介するまでもありませんが、簡単に要約すると「人口統計学では、15~50歳が出産する年齢。2030年に20歳になる人はもう生まれていて、(2007年当時)7、8歳になっている。産む機械といったらなんだが、装置の数が決まっている」というものでした。当人は「人口統計学の話をわかりやすくするために使った」「発言は直後に取り消した」と述べています。

 野党は厚生労働大臣の辞任を要求しましたが、柳澤議員はその後、2007年に内閣が改造されるまで厚生労働大臣を務めています。

 柳澤議員については、記者会見において「若い人たちというのは、結婚をしたい。それから子どもも二人以上持ちたいと、極めて健全な状況にいるわけです」と発言したことも問題視されるなど(第66回国会 質問主意書 柳澤厚生労働大臣の「子どもは二人以上持つのが健全」との発言に関する質問主意書)、鴻池議員同様に、セクハラなど理解し得ない価値観のまま生きていることが見て取れます。

◎日本中の議会で行われる性的嫌がらせ

 議会での女性蔑視について有名な事例をふたつ紹介しましたが、こうした言動は毎月といっていいほど、全国の議会で飛び交っています。

 今年8月には、女性議員がつくる「全国フェミニスト議員連盟」が、女性地方議員の半数あまりが議員活動中に性的嫌がらせを受けていたことを報告。これは現職・元職員と、女性都議・都内の女性市議・区議などを対象に行ったアンケートをもとにしたもので、およそ半数の52%が「性的嫌がらせや深いな言動を受けたことがある」と回答しています。さらにそうした言動を「1~5回」と受けたという回答が最も多く、「数え切れない」とする回答も13名いたそうです。(毎日新聞:女性地方議員:性的嫌がらせ被害 半数「ある」)

 少なくない数の議員が女性蔑視を隠そうともしない現状が日本にある。このような現状で、「女性活用」をすることが、女性にとって幸せな結果になると考えるのは難しい。その前提には「女性蔑視」があるのであれば、提出される法案の中に女性蔑視が内包されている可能性も高いでしょう。安保法制の裏で、女性活躍推進法など、女性にとって重要な法案が少しずつ国会で可決されつつあります。よりいっそう厳しい目で議会の動きをチェックする必要があるようです。
(水谷ヨウ)

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