『黒闇』刊行記念インタビュー

「女」を記号化しない――官能小説家・草凪優の“匂い立つ”セックスシーンに込められた矜持

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『黒闇』(実業之日本社)

 2004年、官能小説家としてデビューして以降、05年『桃色リクルートガール』(双葉社)、10年『どうしようもない恋の唄』(祥伝社)で「この官能文庫がすごい!」大賞を受賞するなど、人気を博してきた草凪優氏が、初の単行本、初の恋愛小説『黒闇』(実業之日本社)を9月4日に発表した。元バンドマンの主人公とその妻、そしてひょんなことから出会う母娘――不器用で、ただ「生きる」ことに必死な登場人物たちに、人間のふがいなさや甘さを痛感させられ、同時に強く心を揺さぶられる話題の本書は、「性と生」を描いた暗黒の恋愛小説として、男性だけでなく、女性読者からも支持されているという。今回、草凪氏にインタビューを行い、本書に投影された草凪氏自身の男性観・女性観、そしてなぜ草凪氏の官能表現は女性読者を魅了するのかを探った。

『黒闇』あらすじ
経営者の妻・果穂に養ってもらいながら生活する35歳の元バンドマンの男・迫田修一。あるとき日本で一番売れているアーティスト・手塚光敏と恋仲になった果穂に離婚を切り出されるも、迫田はこれを拒否。手塚に「血の繋がった娘を捜しだしたら、三千万円支払う。これで離婚に応じてほしい」と依頼され、風俗で働く20歳になった手塚の娘・杏奈と、パチンコ狂いの杏奈の母・美奈子を見つけ出す。美奈子と肉体関係を持ち、心を動かされた迫田は、彼女たちとともに最底辺の暮らしから脱しようと、新しい家庭を作ることを決意。過去を忘れてまっとうに働き、地道に生きていこうとするが、杏奈から誘惑されてしまい――。

■「若い子と付き合うと人生が救われる」というオジサンの幻想

――今回は初の単行本、初の恋愛小説ということですが、官能小説としてではなく恋愛小説として発表することになったいきさつを教えてください。

草凪 単純な話、この本の42歳のオバサンである美奈子って、官能小説のヒロインにできないんですよ。企画書に「42歳、パチンコ狂、バツイチ、シングルマザー」なんて書いたら編集者に「草凪さん、ちょっとこれはやめましょうよ」なんて言われちゃう。逆に美奈子のようなキャラクターを書くためには、そのキャラクターを掘り下げるための尺もいるし、器もいる。でもやってることいつもと変わらないです。ただ濡れ場の言葉の選び方は普通の読者に対してキツくないように、かなり直しましたね。

――草凪さんの小説に登場する女は、生々しいですよね。果穂、美奈子、杏奈という3人の女性が出てきますが、どういった女として描こうと思いましたか? 

草凪 3人とも自分の分身ですね。普段は昔付き合っていた彼女を抽象化したりしていたんですけど、今回はわりと自分寄りです。美奈子が一番(自分に)近いです。「だらしなく振舞うことが世間への復讐」というところが昔はあって……いや、今も。官能小説なんか書いてしのいでいるところが(笑)。美奈子に関しては、評論家の方が「(迫田と杏奈と3人で幸せな家庭を作るという)偽善にすがるしかない女」と書かれていました。それは主人公の迫田もそうだし……そういうところから始まることもあると思います。

救われないとはわかってても誰かにすがりたくなっちゃうのよ〜

しぃちゃん

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