おまたから邪気、胎内記憶…謎物件をまとめて観察できる貴重なヒーリングビジネスショーに潜入

 ビッグサイトで行われる夏祭りといえば、オタクの場合は世界最大規模の同人誌即売会ですが、スピ界の場合は癒しに満ちたヒーリングビジネスショー「Iフェア」です。

 「心とカラダそして地球にやさしい、癒し関連の商品・サービスが一度に体感できる」と謳われる祭りでは、この夏、どんな謎物件に出会えるのでしょうか? 酒の席の勢いで、うっかり「私も行ってみたーい♪」と口走ってしまった仕事仲間のKちゃんを道連れに、ゆりかもめでいざ夏のビッグサイトへ!

 会場に着き、まずは入り口で配られているMAPをチェック。すると、ああ! あの(一部で)有名な、ありがとうコーヒーが!

 そうです、昭和の仮面ライダー・藤岡弘、氏がプロデュースする「藤岡、珈琲」です。現代の侍という異名も持つ藤岡弘、の武士スピリッツが込められた、ワイルドで野趣あふれるコーヒー。有名である理由は、藤岡イズムあふれる、独自の淹れ方です。スポイトを使っているかのようにポトリ、ポトリとごく少量ずつお湯を落とし、コーヒーに向かって、「おいしくなってください……おいしくなってください……ありがとう……」と唱えます(ご興味ある方は、「藤岡弘」「珈琲」でYouTubeを検索!)。

 一度飲んでみたかったんですよ、嬉しいなあ。早速ブースへダッシュすると、あ、ご親切に、試飲があるんですね。

Kちゃん「おいしいね。普通に」

 そうですね。普通においしいコーヒーですね。藤岡弘、ご本人が、呪文を唱えながら淹れたら、もっとおいしかったのかも。とりあえずお土産用に1袋ずつ買い求め、次はあてもなく会場内をプラプラ歩いてみることに。

 目の端に、不思議なシルエットが映りました。ざっと見渡してみるとフロアの隅っこで、三角帽をかぶった人たち。あれは一体何!?

 近づいて話を聞いてみると、ピラミッド型と水晶のパワーで体があたたかくなり、頭が癒されてスッキリするのだと言います。発泡ポリエチレン素材を三角形にし、2cmほどの水晶玉をセットしたものが……は、はっせんえん!

 かぶらせてもらうと、「どうです? あたたかくなってきましたか?」と、店主。確かにあたたかさは感じましたが、それは発泡ポリエチレンの保温効果じゃあないのかな。

◎珍説が堂々と語られる

 過去に当連載でご紹介した、布ナプキンや空気パンツも参戦していらっしゃる。

 特に布ナプキンは、カラーセラピーを取り入れたという新しい(?)試みです。赤を使うと子宮が元気になり、ピンクを使うと卵巣が元気になるのだとか。それなら赤いパンツをはいた巣鴨のおばあちゃんたちは、みんな子宮が若返ってしまうのだろうか。そんなことを考えながら商品を眺めていると、聞こえてきました。こんなセールストークが。

 「布ナプを使っていると、昔の女性のように経血を自分でコントロールできる体になっていくんですよ!

 で た !! サラッと言いましたね、今。根拠なき「昔の女はできていた」! この祭りは、謎物件ウオッチャーを名乗る私の興味を全方向カバーしてくれそうな勢いです。

 各ブースで行われている占いやヒーリングの有料コンテンツは、どこもイベント価格のリーズナブル設定。新規ユーザーを引き込むスタンダードな商法に、俗世間を感じさせられます。

 うってかわってこちらもイベント価格……ですが、それでも28万円弱とすんごいお値段で、俗世間とは遠い世界を感じさせられます。

 LEDライトの色によって健康効果が変わるそうで「携帯の待ち受けにしても効果がありますよ!」と写メを快く許可してくれた、ビシッとスーツ姿の販売員さんたちでした。

◎子宮教がここにも

 会場内ではたくさんの無料講演も開催されています。「虹色の結界をつくり、愛され女性になりましょう!」という講演では、幸せを呼びよせるウオーキングのデモンストレーションで、スタイル抜群の講師が〈床のものを拾うときの姿勢アドバイス〉としてこんな解説をしていました。

女性講師「床のものを拾うときは、ひざをしっかり閉じてしゃがみましょうね。ひざをガバッと開いてしゃがむと、女性はおまたに穴が開いていますから、そこから邪気が入ってくるんですよ。子宮が攻撃されるんです!」

 へ、へえ……。肛門や鼻の穴からは邪気が入らないのか、疑問~。子宮にはネガティブな感情がたまったりカルマがたまったり、毒を吸い上げる器官になったりと、大忙しです。

 この日はウオッチング仲間・W氏も偶然来ていて、彼の目当ては2年ぶりに来日したというオーストラリア人のサイキックヒーラー。講演ではこんなパフォーマンスが行われていたと報告してくれました。

W氏「来場者からの質問に答えてくれるんですけど、特定のお客さんに『あなたの周りに名古屋に関係する人がいますね』『あなたの周りに歩けない人がいますね』みたいなことを言いだすんですよ」

 でも、お客さんの回答は「思い当たりません」という残念なものだったそう。能力を発揮するのに、人種の壁でもあるんですかね。

W氏「場が変な空気になったからか、おおざっぱに客席を指し『このあたりに新聞や雑誌を何週間も続けて読んでる人がいますね』とすごく該当者が多そうなことを言うも、誰も手を挙げない。サクラ使わずにガチでやってるのは、すごいですよね。その後は何事もなかったかのように荘厳な音楽を流してヒーリングを行い、『ヒーリングをしたら私の身長が高く感じたでしょ』と、まったくありがたみのない言葉で締めくくっていました」

 周りの人からスリムに見られるようになるヒーリング法なら、私も伝授していただきたいです。

◎子どもの存在はすべて親のため

 その後、食材通販会社のブースでもらった雑誌には、「白砂糖で思考停止!」という記事や、「障害児の出産は親の責任」発言で炎上した内科医の対談が掲載されていてげんなり気分が加速。立ち見で人があふれかえっていた池川明氏の公演では、相変わらず全くブレない胎内記憶トークで、

「子どもはお母さんを鍛えるためにやってくる」
「虐待する親でも、〈親を鍛えるため〉子どもが自分で選んでやってくる」
「妊娠中に旅行に行っていいかどうかは赤ちゃんに聞いてみればいい」
「子どもは神様に近い存在だから、正しい答えを出してくれる」

 などが語られておりました。ああ、全く癒されない……。

 あ、でも、胎内記憶の話が『婦人公論』の〈真夏の怪奇現象特集〉で取り上げられたというお話だけは、笑わせていただきました!

 ……こうなったら、有料コンテンツに救いを求めてみましょう。そんなわけで、次週はペットや腸についてアレコレアドバイスされる、有料コンテンツの体験レポートをお届け予定です。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

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