ファンが暴走するのは万国共通

「全てはヤク中なフィービーの幻想」!? 米ドラマ『フレンズ』の“もう1つの最終回”が話題に

2015/08/31 19:15

 ガレスが考えた『フレンズ』のエンディングは、「全てはメタンフェミン依存に苦しむホームレスのフィービーの幻影だった」「薬物依存症でホームレスのフィービーが、セントラル・パークの窓から中を覗き込んだことがきっかけで見るようになった幻」というもの。「フィービーは毎回彼女の全てを反映させた幻影を作り上げてきた。彼女がどれほどアウトサイダー的な存在なのかというエピソードがたくさん登場するが……幻影だとすると、全てつじつまが合う。10シーズン、すべてがフィービーの妄想にしかすぎず、ドラマに登場していた5人の人生に自身を投影していたのである。そう、彼女が心から欲しかったものは……フレンズ、友逹だったのだ」とガレスは説明した。

 そして、「エンディングは、フィービーがセントラル・パークから去って行き、そんな彼女を見かけた、ロス、レイチェル、ジョーイ、チャンドラー、モニカたちが『いつもアタシたちをじっと見ているクレイジーなオンナだわ』と言う。5人の名前は実際は違うもので、これまでドラマで描かれていたような人生と異なる人生を歩んでいる」「フィービーは、家具屋の前を歩き、鏡に映った自分を見る。家具屋の店名はアースラだ」と、ドラマに登場したフィービーの双子の姉の名前を挙げた。つまり、アースラは鏡に映ったフィービー自身で、これまた幻影だというのだ。

 「そして、フィービーはねぐらにしている公園噴水前にたどり着く。彼女のベッドであるベンチの横には、壊れたスタンドライトが置いてある。雨が降り始め、フィービーは汚れているが明るい色の6本の傘を広げる。次第に暗くなり、シリーズは終了する」。つまり、ドラマのオープニングで、スタンドライトやソファーが置いてある噴水の前に6人が集まって、踊ったり明るい色の傘を差したりしているのも幻影ということのよう。確かにフィービーは実際のオープニングでもぐるぐる体を回転させ目を回しているが、ガレスはそういったシーンからこの衝撃的なエンディングを思いついたのかもしれない。

 ガレスのツイートには2,000件近くのリツイートがつき、「確かにつじつまが合う」「ぜひ見たい!」と賛成する声、「絶対にイヤ」という否定的な声、番組プロデューサーが用意していたエピソードの1つだと誤解する声が書き込まれた。そして、ほかのSNSでも拡散され、投稿から1週間たった今、ネット上で大騒ぎされるまでになっているのだ。

 米大手ネット新聞「ハフィントン・ポスト」の取材に応じたガレスは、「ここまで拡散されるなんでびっくりしたよ。日曜日の夜に、彼女と彼女の同居人と夕食を食べながらしていたバカ話が、ここまで広まるなんて」と戸惑っている様子。「もし、(フィービー役の)リサ・クドローがこのエンディングを読んでくれたら最高だね。『面白いな』ってユーモアを理解してくれたらうれしいよ。みんなに、『面白いな』って思ってもらうことを狙って書いたしね」と期待を寄せた。

 リサはTwitterやFacebookのアカウントを持っているが、この「もう1つのエンディング」についてはなにも発言していない。番組プロデューサーとしても活躍しているリサは多忙を極めており、26日にはロサンゼルスで開催されたテイラー・スウィフトのコンサートに特別出演している。そのコンサートでは、「カフェでしか歌ったことがない、フィービー・ブッフェです」と紹介されてステージに登場。『フレンズ』でフィービーが作詞作曲したという設定の「Smelly Cat(くっさい猫)」を、大の猫派のテイラーと一緒にギターを弾きながら熱唱し、会場を大いに沸かせた。

 リサは、今年5月に開催された米エンターテインメント誌「Vulture」のイベントにも出席。ファンが切望している『フレンズ』の新エピソードが制作される可能性について、「みんなが同じ州に住んでるわけじゃないし、仕事のスケジュールも別々だし、6人全員で夕食をとることすらできないの。でも努力はしてるのよ。“今度はいつ来るんだっけ?”って必死になったり。クレイジーよね、でもこんなふうにスケジュールを合わせて会おうと努力するなんて素敵じゃない?」とキャスト6人は今も交流を持っているものの、一緒に夕食をとるのも難しい状態で、仕事をすることは不可能に近いと示唆。また、ドラマの脚本家も忙しく、「新エピソードを作るとしても、内容がどんなものになるのか。更年期障害とか中年の危機とか? 嫌だわ。私はそんなの見たくないわ」と述べ、新エピソード制作には消極的であることを明かした。

 「クレイジー」という言葉をよく使うリサのこと。ネットで大流行している『フレンズ』の「もう1つのエンディング」を読み、「クレイジーね」と笑う姿が想像できる。番組終了から11年たった今もエンディングの話が大きな話題になるのは、『フレンズ』が時を越えて愛されている証拠だといえよう。

最終更新:2015/08/31 19:15
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