「女の子を産みたいママ」論争に垣間見える毒親のタネ

 ベビーカー論争、母乳VS人工乳、自然分娩VS無痛分娩……とかく妊娠や出産、子育ての話題はネットで燃えがちだが、目下、こんな記事が炎上気味だ。

■息子の誕生を喜べない!? 世間のママが「女の子」を産みたがるワケ

息子の誕生を喜べない!? 世間のママが「女の子」を産みたがるワケ

 相談者は二人目を産んだ女性。健康な次男が産まれたのだが「素直に心から喜べないのです。『女の子のママになる』という夢が叶わなかったからです」と心のうちを明かしている。なぜ女の子のママになりたかったのか? 相談にはこうあった。「かわいい洋服を着せたかったし、一緒に買い物をしたかった。それに、老後のことも気になります」。しかし金銭的に三人目は余裕がなく「女の子を持つママが憎たらしく思えるほど」になっているという。

 回答者である“ママライター”によれば、最近は女の子を望むママが多いとのこと(保育園児の母である筆者だが、まったく知らなかった!)。しかし、なぜ女の子が良いのか。その理由がふるっている。

『洋服もかわいいし、男の子よりも大人しくて育てやすい』(20代ママ)
『男の子は結婚するとお嫁さんに取られてしまうけれど、女の子はずっとそばにいてくれる。孫も好きなようにかわいがれる』(30代ママ)
『いつまでも女子同士、友だち感覚で楽しめそう。旅行も一緒にできるし』(30代ママ)
『老後、面倒をみてもらうなら、お嫁さんより実の娘がいい』(30代ママ)

 手がかからなくてラクなうえ、親の好きなカワイイ服を着せられるし、老後は介護もしてもらえる♪ って何様だ。将来は介護要員に……だなんて母親の本音を幼少期に知らされたら、自分だったら死にたい。相談者も、娘を着せ替え人形兼介護要員にしたいという希望を綴っているが、この相談者に産まれてきたのが娘じゃなくてホントよかったよ。

 一方、この記事の面白いところは、“実際に娘を育てた老親世代”のコメントも掲載されているところだろう。

『保育園の送迎と夕飯の用意を当然のように丸投げされている。出産後から、娘の自己中心的な性格に拍車がかかってきた』(50代女性)
『正直、息子の方が優しい。おばさんになった娘は、驚くほど意地悪』(70代女性)
『旅行のお供は、娘夫婦より息子夫婦がいい。適度に一線を引いてくれているのでイライラしない』(70代女性)
『嫁姑問題ばかりが注目されるけれど、娘婿問題も相当に大変。やるせないのは圧倒的に娘婿問題』(60代女性)

 発言小町を見ているのか? と思うほど自己中でパンチのある意見揃いだ。なんだかんだ言って、女の子を育てた女親には、娘にウンザリしている者もいることが分かる。子を意のままに操ろうとする“毒親”なる言葉が一般的になって久しいが、たくさん表出してきた「私も毒親育ちです」告白のほとんどが、「母親が毒な娘」によるもの。毒親は、「娘にとっての母親」であることが珍しくなく、大人になった息子にいつまでも過剰に甘える依存体質な母親同様、自己と、他人である子どもとの境界線が曖昧な者が陥りがちのように見える。それは親世代のコメントをみると如実に分かり、“一線を引いてくれない”ように育ててしまったのであり、“送迎と夕飯の用意を当然のように丸投げ”させてしまう関係を築いてしまったのだ。適切な距離感が失われたまま育児を続けた結果ではないか。

 改めて、先に挙げた「女の子が欲しい理由」を独自に解釈すると、

●大人しくて育てやすそう=ラクしたい
●かわいい服を着せたい=「自分の」かわいいと思う服を着せたい
●女の子はずっとそばにいてくれる=たとえ結婚しても、実親を尊重せよ
●孫も好きなようにかわいがりたい=娘の子は実親のもの、育児にも口出ししちゃうよ
●いつまでも友達感覚で楽しめそう=いつまでも実親を構ってほしい
●面倒を見てもらうなら娘がいい=シモの世話させるなら、まぁ同性だよね。息子の嫁にイビりの報復されたくないしさ!

 恐ろしくて寒気がしてきた。この母親たちは、娘が自分自身の人生を切り拓こうとするたびに「私のこと構いなさい!」としゃしゃり出てくるだろう。この世に生を受けたときから、親の「あれしたい、これしたい」願望が重くのしかかってくるなんて、勘弁願いたい。

 ところで筆者はむしろママさんたちのコミュニケーションで男の子人気を感じることがあった。男の子を望む&男の子が産まれて大満足のママさんは皆口を揃えて「男の子は恋人みたいで可愛い♪」等言うが、これも正直気持ち悪い。ハァ?恋人!? 聞き返したくなる。無事に産まれてきてくれたらどっちでも御の字だと思うのだが……。
(ブログウォッチャー京子)

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