「コスメ種明かし」特別鼎談【前編】

“美容迷子”安彦麻理絵&大久保ニューのスキンケアを、化粧品開発者・尾崎幸子が一刀両断!!

2015/08/29 19:00

尾崎 まずメイク落としとは、メイクを馴染ませて浮かせて、拭き取る、または流すことです。なので馴染めばOKなので、乳液はもちろん、オリーブオイルや、なんだったらゴマ油でもいいんですよ。ちなみに私はサラダ油でメイクを落としています。なので、我が家の洗面台にはサラダ油のボトルが置いてありますよ。それで、牛乳石鹸の青箱で洗顔をして、終わりです。私の洗顔はすごくコスパがいい(笑)。

安彦 ゴマ油(笑)!? なんか衝撃です。今まで、顔に塗るならいいオイルか、王道のオリーブオイルと思っていたのが覆されました。

■“手作り”石けんの危険な一面

――では、大久保さんはいかがでしょうか?

大久保ニュー(以下大久保) その前にまず、このように美容に詳しいお2人からすれば、「死刑!」なアイテムでしょうが、この鼎談会場まで走ってきたので、今ここで汗をぬぐうため顔用汗拭きシートを使いたいのですが(笑)。

尾崎 汗拭きシートや、シートタイプのメイク落とし自体は悪くないですよ。ダメなのは「肌に力をかけてこする」という行為。なので、汗をきれいにしたい、化粧品をしっかり取りたいなどという思いから、肌をゴシゴシするのはNGです。ただ、敏感肌や肌の弱い方には負荷が高いのでお勧めしないですが、シートタイプそのものは普通肌の方には悪くはないので、特に飛行機の中や新幹線など、すぐに洗顔に立てない場面では使いやすいアイテムだと思いますよ。

大久保 ああっ、やっぱりダメでした!? サイゾーウーマンでも数回お話ししていますが、私はアトピー肌なんです。ヒルドイド(皮膚の乾燥を防ぎ、血行をよくする保険適用の塗り薬)を使っているんですが、これは常用していいものなのでしょうか?

尾崎 大丈夫ですよ。確かに皮膚科でよく処方されるものの1つではありますが、副腎皮脂ホルモン剤などとは違うので、それで肌トラブルが抑えられるのなら、常用していいと思います。

安彦 ニュー姐さんはアトピー肌ということもあって、肌に低刺激でいいからって石けんを作ってたよね。

大久保 そうなの。知人に教えてもらって、石けんを自分で作って使ってみたら、「あっ!?」って思うほど洗い上がりが良かったんです。それからずっと手作りしていたんですけど、今は「ガミラシークレット」という“ガミラばぁさん”秘伝のレシピで作られた石けんが、自作のものに近かったので、愛用しています。

尾崎 残念ですが、まず、石けんは基本手作りNGですね。

大久保 えっ……!!

尾崎 手作り石けん自体が肌に悪い、というわけではないんですよ。まず、家庭で石けんを作成する場合、器具類の衛生状態が気になります。市販される石けんは衛生環境の整った施設で作らないと、保健所の許可が下りないようになっているんです。次に、手作り石けんの材料である「苛性ソーダ」は、劇薬指定されています。そういった材料を、ハンドメイドで扱うのは、ちょっと厳しいかなと。なので、キッチンでちょこちょこっと作るような手作り石けんは、あくまで趣味の雑貨のようなものと考えています。

大久保 麻理絵に比べて、美容フリークではないから、NGは出ないと思ってたら、私の洗顔の“センター”がダメだったなんて! でも、今使っているものは市販品だから、ちょっと安心です。

尾崎 材料でオイルを使う場合、その品質も気になります。「オイル入り手作り石けんはダメ!」というわけではないんですが、市販のアロマオイルなどは「化粧品用」なのか「雑貨」なのか、その質が見分けにくく、トラブルが起きたという話も聞きます。

大久保 手作りだと、作りがシンプルなので、それが肌にいいといわれてますが、そうでもないんですね。

尾崎 素人の方が調合してベストのものが作成できるほど、化粧品はわかりやすくないので、その点が問題かもしれませんね。手作りはNG、ではなく、作り方が難しいから必然的に質が安定しない、といったところでしょうか。

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