インタビュー

辛酸なめ子さん、どうして女性は友情を危うくしてまで友人の恋愛に口を出してしまうんですか?

2015/08/04 16:00
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辛酸なめ子さん

 互いのことを“BFF”(ベスト・フレンド・フォーエバー)と認め合うほど親密な友情関係を築いてきた、歌手のテイラー・スウィフトとセレーナ・ゴメス。しかし、今年5月にはその友情が危機に見舞われた。セレーナが腐れ縁状態のジャスティン・ビーバーとの復縁を報じられると、テイラーは激怒し、2人が話し合いを持つとゴシップされたのだ。セレーナとテイラーの関係がピリついたのは、これで2度目。以前も、懲りずにジャスティンと復縁するセレーナに対してテイラーが激怒し、一時は疎遠状態になったともいわれている。

 実はこの現象はテイラーとセレーナに限ったことではない。テイラーの宿敵ケイティ・ペリーも、BFFのリアーナがクリス・ブラウンと復縁を繰り返すことに呆れ、2013年のグラミー賞では席も離れ離れに座り、話題を集めたのだ。

 同じ男性を好きになったわけでもないのに恋愛が理由で女の友情が壊れることは、一般社会でも見聞きする話。どうして女性は、友人の恋愛にまで口を出してしまうのか。ハリウッドセレブに詳しく、著書『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『女子校育ち』(筑摩書房)などで女性の内面に鋭く切り込んだ、コラムニストの辛酸なめ子さんに“女の友情の正体”を聞いた。

――テイラー・スウィフトとセレーナ・ゴメスの騒動を見ると、友人の恋愛に口を出す女性のタイプがあるように思えるのですが?

辛酸なめ子さん(以下、辛酸) そうですね。テイラーを例にとって考えてみると、彼女はセレーナに対して、ものすごく上から目線なんです。「あなたが一番賢いと思っている場所にいるときは、だいたい間違った場所にいるってことよ」と言ったり。彼女は、過去にジョー・ジョナスと付き合っていたのですが、先日はジョーやジョーの今カノでテイラーの友人であるジジ・ハディッド、テイラーの今の彼カルヴィン・ハリスとともにWデートをして、その写真をインスタグラムに投稿したんです。その写真、ジョーの顔が死んでいる……。ジジもテイラーの顔色をうかがっている感じですし、テイラーは支配欲が強くて、女性グループのボスでいたいタイプなんだと思いました。

――確かにセレーナは優等生で、テイラーの言うことを聞くタイプだからこそ、仲がいいのかもしれませんね。

辛酸 インスタグラムを見てみると、最近は優等生のエマ・ワトソンもテイラーのグループに入ったようなんですよね。だから誰もテイラーに逆らえないし、アドバイスされたらありがたく聞かなきゃ! という空気になるんでしょう。テイラーに関していえば、男性不信が強いような気がします。だからこそ、女友だちとの結束を強固にするというか……。

 ただ、セレーナのように男性に依存というか、それに近いぐらい相手のことを好きだと、友人がなにをアドバイスしても、話を聞かずに別れられないとかもよくありますよね。

――相談された友人は、それにイラついて友情が危うくなるという……。

辛酸 テイラーもセレーナに対して、そういう気持ちがあったんじゃないかな。男性の人間性を自分が判断できる、自分の人間を見る目はすごいと思っているんでしょうね。

――女性の恋バナには、ネタとしての恋愛トークと真面目な相談の2パターンがありますが、真面目な相談は危険がある?

辛酸 恋愛にのめり込んで情緒不安定なときに恋愛に対してダメ出しされると、自分のプライドも傷ついちゃうんじゃないでしょうか。女友だちの前では、「自分はリア充で素敵な生活をしている」と思われたい。私の周りに、友人がSNSで夫の愚痴を書いていたので「ひどいね~」って同意したら、ムッとされたという人がいました。悪口はノロケで、実は「素敵な夫婦に見られたい」っていう願望があるみたいですよ。

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