【messy】

世界的人気のドイツ製ラブグッズ。イケメン広報が語る、人気の秘密とは?

2015/07/23 20:00

 私のなかでドイツ=性の先進国というイメージが強いです。〈Gスポット〉を発見したのは、ドイツの医師、エルンスト・グレフェンベルクで、Gというのは彼の頭文字……という逸話も、そのイメージ形成に影響していますが、それよりもラブグッズ・ブランド「ファンファクトリー」の存在が大きいですね。

 カラフルでスタイリッシュなデザインのバイブから、超ハイテク機能を搭載し、なんとピストンして膣の奥をずんずん突くバイブ、ビアンカップル用の双頭バイブ、女性の健康をサポートする膣トレグッズまで……とにかくラインナップが豊富! 世界広しといえど、ここまで品ぞろえのあるブランドを私はほかに知りません

 私と同ブランドとの出会いは、2009年ごろ。もこもことした雲のような愛らしい形状で、手で触れると肌が吸いつくようなマットな質感。ぷにぷにとした弾力もよさげで、使用する前から「絶対に気持ちいいはず」と思わせてくれる要素が満載でした。

 そのとき以来のファンですが、このたび、同ブランドのスタッフから直接、話を聞けるという幸運な機会をいただきました。7月某日、都会の秘宝館こと「バイブバー・ワイルドワン」にやってきたのは、ファンファクトリー本社の広報・セールスマネージャー、トーマス・ボーダイス氏。若い! イケメン! 訊きたいこといっぱいありますよ~。

トーマス「私たちの創業は、1996年。当時、国内にあったバイブレーターというのは、ペニスをかたどったもので、色も黒が主流。それは女性ユーザーが心から欲しいと思えるもの、愉しんで使えるものではないと考え、ペニス型を離れて、見ただけでハッピーな気分になるブライトカラーのバイブを開発したのです」

 黒々としたペニス型バイブ……。日本ではいまだそういうバイブが数多く販売されています。「こんなもの挿れられて、気持ちよがってんのか!」的なプレイのために作られたもので、すなわち男性が興奮させるのがその用途。これは日本特有の現象だと思いきや、ドイツも同じだったのですね。

トーマス「ドイツの本社、支社においては女性スタッフのほうが多く、そのライフスタイルや性に対する考えが商品化に色濃く反映されています。デザイン以上に私たちが重視しているのは、安全性。そして技術面です。たとえば、私たちのバイブには〈ロックボタン〉が搭載されています。収納しているとき、持ち歩くときに突然スイッチが入ると誰だってびっくりしますよね。それを防ぎます。また、バッテリーの残量がわかる機能も、ファンファクトリーならでは。ハイエンドモデルだけでなくカジュアルでお手頃価格のモデルにも、できるだけ同じ機能を搭載することにしています」

 安全性と使い勝手のよさは当たり前、という気概が伝わってきます。当然、品質管理は徹底していて、すべて自国内の工場で生産しているとのこと。そんな信頼度の高い商品が多数そろうなかでも、トーマスのイチオシ・バイブはこちら。

「ストロングトイズ・アインス」は、なんとピストンするバイブ! 私も使ったことありますが、ほんとうに奥を突かれる感じなんです。しかも、振動といい、そのピストンといい、ずっしりと重たい。なるほど、骨太なゲルマン民族らしい力強さです。

トーマス「開発に3年をかけた、私たちの自信作です。女性にまるでセックスしているようなリアルな快感を味わっていただきたくて製作しました」

 そんなファンファクトリー、ドイツ国内で3店のショップがあります。ベルリン店の写真を見せてもらうと、まるでアパレルのセレクトショップのよう。モノトーンを貴重とした空間に、ファンファクトリーの真骨頂であるポップカラーが見事に映えています。

トーマス「カップルだけでなく女友だち同士、女性ひとりなど、いろんなお客さまがいらっしゃいます。ランジェリーやフェティッシュファッションのアイテムもあるので、後ろめたさや恥ずかしさを感じる方はいないでしょうね。店内が広いのでゆったりとした気分で、グッズを手にとっていただけますよ」

 うらやましい! 日本のアダルトショップ、まだまだ女性にとっては入りにくいところばかりですが、店内がむっちゃ狭い。所狭しと商品が並べられていて、それはそれで目で愉しめるのかもしれませんが、通路で人と人とがすれ違えないほど……というのは、やはり閉口します。ファンファクトリーの場合はブランド直営店だからこそ、こうしたぜいたくな作りが可能なのでしょうが、ラブグッズショッピングを時間と空間ごと愉しめるショップはまだ日本にほとんどありません。

 最後に、トーマスに直接、質問をする機会をもらいました。

ーーファンファクトリーはLGBT向けの商品も多いですね。社内にも、いろんなセクシャリティの方が多いのですか?

トーマス「社員のセクシャリティは多様です。私たちが目指しているのは、『ファンファクトリーには自分用の商品がない』という方をゼロにすること。だから、あらゆるセクシャリティの方に使ってもらえるグッズを提案していきますし、価格についても同じです。ハイエンドモデルはどうしても高額になるのでなかなか購入できないという人も多いですよね。そこで、カジュアルなラインも用意し、お買い求めいただきやすい価格設定にしています」

ーー300本超のバイブが居並ぶバイブバーをどう思いましたか?

トーマス「これはすばらしいアイデアですよね! こじんまりしていて、なぜか心が落ち着き、くつろげます。しかも、ここは女性のためのお店と聞いています。女性たちが安心してバイブを手にとり、話ができる空間というのはたいへん貴重ですね」

 性への感心が高く、よりよい快感を積極的に求めるオープンな空気と、ドイツらしい真摯な物作りへの姿勢。終始、紳士的かつフレンドリーに接してくれたトーマスは、まさにファンファクトリーという会社そのものを体現しているようでした。バイブコレクターとして、これからも同ブランドを応援します! その気持ちを表すためにも、何か買おうかな。買ったらまた当コラムでレポします。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

最終更新:2015/07/23 20:00
アクセスランキング