「決定権は俺にある。でも今はまだ決断したくない…」結婚を先延ばしにする男の心理とは

【今回のPick upニュース】

【レシピの女王 試験に合格しないと結婚してもらえない結婚試験中の彼女と試験官の彼氏に視聴者がザワつく】

◎“試験官”の彼氏と、それを従順に受け入れる彼女

清田代表(以下、清田) 今回は、先日ネットでプチ炎上していた“結婚試験”という話題を取り上げてみたいと思います。

佐藤広報(以下、佐藤) 特にジェンダーの問題に関心がある人の間で広まった話題という感じだったけど、クソ男の問題を考える上では、とても重要なトピックでしたね。

清田 どんな話題かというと、『ヒルナンデス』(日本テレビ)の人気企画「レシピの女王」に出演した、ある独身女性の話なんだよね。彼女は「恋人が課した試験に合格しないと結婚してもらえない」という状態にあって、彼女自身「彼は慎重な性格なので」と納得して試験に励んでる、これが一部の視聴者をザワつかせたという……。

佐藤 詳細については冒頭のまとめを見てもらえばわかると思うけど、要するにこれ、居心地や家事能力を審査して「俺の嫁にふさわしいかどうか」を吟味しようってことでしょ? 「お前は何様だよ」感がハンパないし、事実ネットにもそういう声が多かった。

清田 この彼氏さんは、当初は番組の収録現場まで応援にかけつける予定だったのが、「急な仕事が入った」とかで欠席している。「結婚試験官なら現場に来いや!」って話だよね。

佐藤 一方の彼女も、わりとこの状況を従順に受け入れちゃってて……それもプチ炎上の一因になっていたように感じる。

清田 もっとも、これ自体は番組の本筋とは関係ない1シーンに過ぎないし、あまりに情報量が少ないため、このカップルの是非を問うことはできないと思うのね。

佐藤 まあ、そうだよね。個人的には「こんな男マジやめとけ!」って思うし、ネットの声を見てもそういう意見が大半を占めていたけど、究極的には本人たちしかわからない問題だもんね。

清田 そうそう。でもさ、これを「男の結婚観」を考えるための“素材”として見ると、非常におもしろいケースだなと思っていて。ここからは推論を重ねて行くしかないけど、こんな試験を課してるってことは、この彼氏はおそらく、現時点で彼女との結婚にしっくり来てないってことだよね?

佐藤 「俺はこの子と結婚したい」という確信が持てないんだろうね。だから「試験期間」と称して決断を先延ばしにしているんだと思う。

清田  “結婚試験”という手口に目が行きがちだけど、要するにこれって、桃山商事の恋愛相談でもよく耳にする「結婚を先延ばしにしようとする彼氏」の話だよね。そう考えると、他人事ではなくなってこない?

佐藤 実は我々自身も、こういう経験ありますもんね……。

清田 自分の場合、前の恋人とそんな感じだったんですよ。20代の中頃から6年間もつき合っていたにも関わらず、結婚を決断できずにフラれてしまった。当時は「仕事がもうちょっと安定したら」「自分自身がもうちょっと成長したら」とか、もっともらしい理由を並べ立てていたけど、単に覚悟を決められず逃げていただけだと思う。

佐藤 とうとう彼女はしびれを切らせ、別れを告げてきた。で、そうなった途端、清田代表は焦って結婚の意思を表明したんだよね。

清田 でも、時すでに遅しで……その後3年間も後悔し続けるハメになりました。本当に愚かだったと思います。

佐藤 完全に“あるある”パターンですね(笑)。

◎男たちは“なぜ”結婚を先延ばしにしたがるのか?

清田 佐藤広報もかつて、「今すぐにでも結婚したい」と希望する恋人に対し、「まだよくわからない」という理由で返答をはぐらかし続けた経験がありましたね。

佐藤 そうなんですよ。「結婚したい」という積極的な気持ちをどうしても持つことができなくて……。いろいろ話し合ったし、彼女からも「とりあえず結婚しちゃえば気持ちも変わるから」って言われてたんですが、どうしても決断することができなかった。

清田 当時アラサーど真ん中だった彼女たちは、妊娠のリミット意識とか、家族や社会からの圧力とか、いろんな現実を背負った上で結婚の提案をしてくれていたんだと思う。なのに我々ときたら、そんなことはつゆ知らず、ふわっとした理由で決断を先延ばしにしていた……。

佐藤 何かもう、この“結婚試験”の彼氏を悪く言う資格ゼロですね。

清田 確かにゼロなんだけど……「なぜ先延ばしにしようとするのか」って部分は、ちゃんと考えて言語化すべきだと思った。だって、桃山商事で恋愛相談を受けていても、女性たちが最も知りたがっているのはその部分じゃない?

佐藤 そうですね。そこがわからないから、彼女たちは「私に何か問題があるの?」という自責の回路にハマってしまう。

清田 この彼氏にしたって、なぜこんな試験を課しているのか、その理由や背景に関してはよくわからないじゃん。だから、我々自身のことも含め、その“なぜ”の部分について考えてみたいなと。

佐藤 私の場合はマジ最悪なんですが、「結婚はしたくないけどセックスはしたい」という気持ちが当時あったんですよ。正直、生まれて一度も結婚願望というモノを抱いたことがないんですが、当時つき合っていた彼女はとにかく外見が好みで、会えば必ず「触れたい」とか「セックスしたい」という感情が湧いていた。結婚しないなら別れるべきだけど、性的な魅力が強力で、別れることがなかなかできない。それが先延ばしになった一番の理由だと思います。

清田 なるほど、すべての女性を敵に回すような答えですね……。

佐藤 そういう代表はどうなんですか?

清田 何と言うか、「自分の人生をお高く見積もり過ぎていた」ことが原因だったように思います。というのも、ホント恥ずかしい話なんだけど、20代後半は「自分はいつか何者かになる!」みたいな中二病マインドを完全に引きずってた。で、結婚はそういうものに対する“ピリオド”だと捉えていた節が正直あって……。

佐藤 つまり、「夢or結婚」の二者択一だと。

清田 そうですね。30歳でその発想は絶望的だよね……。当時は大学の同級生と会社を運営していたんだけど、「それをサクセスさせてから結婚するぜ!」という、非常にご都合主義的な考えを持っていました。彼女からすると、「サクセス目指すのは別にいいけど、それっていつなんだよ? てか、もう30なんだから見切りつけろよ」って感じだったと思う。

佐藤 非常に痛いですね。まあ、でもわかるような気がする。男って結婚を「年貢の納めどき」とか「俺もそろそろ落ち着かなきゃ」とか表現したりするけど、「いつまで青春が続くと思ってんだよ!」って話だもんね……。これ、結婚に積極的な気持ちを持てない男の中にある共通のメンタリティだと思うわ。

◎結婚は「したい」側が不利になる理不尽なシステム?

清田 男ってさ、何ごとにおいても「決定権は俺にある」って状態が好きでしょ。なのに、それを下すための決断力がまったく備わっていない。「最終的には俺が決めたいけど、今はまだ決めたくない」という甘ったれた感覚が、女性たちの苛立ちや混乱を招いているような気がする。

佐藤 “結婚試験”の彼氏にしてもそうで、「だったらとっとと別れろよ!」とも思うけど、「別れる」という決断を下すこともできないんだろうなあ。

清田 この彼氏がズルいなと感じるのは、「相手のせいにしてる」という点で。というのも、これって「俺がジャッジしてる」という体裁を取りながら、実は「すべては君次第ですよ」という形で相手に責任を転嫁してるじゃん。だって、もしも最終的にダメだった場合でも、この彼氏は「俺は結婚したかったけど、君の努力が足りなかった。いやあ、残念!」ってことが言えちゃうわけで。

佐藤 しかも、審査と言いつつ、明確な基準を示しているわけでもない。「試験で何点取ったら合格」みたいな基準ならわかりやすいけど、そうじゃないところがズルい。

清田 いろいろ曖昧にして、最終的にどうとでもジャッジできるような余地を残しておく……やってることはブラック企業と一緒だよね。でも彼女にとっては、試験という“エネルギーを向ける対象”があることでアドレナリンが出てしまい、なぜか「がんばります!」というメンタリティになっていく。

佐藤 そういう意味では就活とも似ているね。膨大な努力を求められるけど、最終的に判断されるのは「人間力」みたいな曖昧な能力だったりするわけで。

清田 そう考えるとさ、結婚って「したい」側が不利な立場になってしまうという、非常に理不尽なシステムのように思えてきた。で、もちろんすべてがそうだとは思わないけど、妊娠のリミットなど時間的な制約を抱えている女性の方が、不利な立場に置かれやすいという……。

佐藤 構造的に、結婚は男が「買い手市場」の状態だもんね。だからこの彼氏は“結婚試験”なんていうナメ切ったことをやれるし、我々にしても、せっかく結婚の意思を示してくれた女性が現れたにも関わらず、決断できないままみすみすその機会を逃してしまった。「低身長×低収入」の清田代表なんて、結婚市場では最弱男子なんだから、本来は余裕をぶっこける立場にないはずですよ!

清田 ホントだよね……。あの惨劇を二度と繰り返すまいと、日々魂に刻み込んでおります。それはそうと、“結婚試験”の彼女にしたって、もしかしたらこの彼氏に何らかの疑問を感じているかもしれない。でも、特にアラサー以上の女性は、妊娠のリミットや「結婚してない女は不幸」という謎の社会圧などにより、違和感を抱いても撤退できない構造にハメ込まれてしまう。

佐藤 だからこれは、「彼女は彼氏のことがホントに好きなんだね」って話じゃないんだよね。

清田 そうそう。しかも、労働環境や社会制度の不備があって、女性にとっては「子どもを生めば生むほど男に依存せざるを得なくなるシステム」になっている。試験をクリアしてまでこの彼氏と結婚したいと思っている背景には、こういう構造もあるはずだよね。

佐藤 結婚や出産願望を抱える女性がそのシステムに苦しめられる一方、そのシステムに乗っかって余裕ぶっこいているのが我々男というわけですね……。

清田 いったん死なないとダメですね。

佐藤 だとすると、結婚しなくても子どもを産んで育てられる制度とか、子どもを産めば産むほど男に依存しなくて済むような環境を作れば、女の人のプレッシャーが相当緩和され、少子化対策も進むかもしれない。ワケのわからないスタジアムを作るなら、そういうところに財源をまわした方がよっぽどいいだろ!

清田 何だかよくわからない言いがかりになってきちゃったけど……“結婚試験”の背景には「結婚をめぐる理不尽なシステム」ありということで、我々も教訓にしていきましょう。

■桃山商事 清田代表・佐藤広報/二軍男子で構成された恋バナ収集ユニット「桃山商事」。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける恋愛の総合商社。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中。コンセプトは“オトコ版 SEX AND THE CITY”。著書『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)が発売中。

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