[連載]おばさんになれば"なるほど"

「きもの」は、おばさんのなけなしのナルシシズムを慰める――「和」にハマる中年女性

少女から女性へ、そしておばさんへ――全ての女はおばさんになる。しかし、“おばさん”は女性からも社会からも揶揄的な視線を向けられる存在でもある。それら視線の正体と“おばさん”の多様な姿を大野左紀子が探っていく。第7回は「和にハマる中年女性」。

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 この10年くらいの間、伝統芸能・文化の見直しブームもあって、「和」への関心が高まっているようです。若い女性の間では、「きものを楽しみたい」という人も増えてきているとか。洋服のニューモードもあまり新味がなくなり、温故知新できものに注目が集まるというのはよくわかります。

 しかしきものは、値段が高い、約束ごとが細かい、着付けに手間がかかる、夏は暑い、お手入れが大変など、さまざまなハードルがあります。カジュアルな洋装に慣れきっている中高年女性にとっても、それは同様。まあ親戚の結婚式で着るくらいしか機会がないし、それもレンタルで十分かな……という感じで、きものと距離を置いている人が多いのではないでしょうか。

 そういうおばさんがある日、きものに目覚めてしまうケースがあります。きっかけとして一番多いのは、親戚のきもの道楽の叔母さんなどから「もう着られなくなったから」と譲り受けたり、祖母や母など家族が亡くなって大量のきものが遺された場合。ちなみに私のケースは後者でした。

 いくらものがよくても、売ったら二束三文にしかならないきもの。「もったいないから着なさいよ」と周囲に薦められ、それじゃあと重い腰を上げてみる。そして突然、「きものって、50を過ぎた女のためにあるものじゃないか!」と開眼するのです。思えばこの数年、今まで似合っていたはずのお気に入りの洋服がどうも似合わなくなってきていました。スーツもニットも今ひとつスッキリ着こなせない。流行ものにも手が出ない。若作りはさすがに無理。ゆるんできたボディラインをカバーしようとして、ゆったりめデザインの服ばかりになったクローゼットを眺め、「なんかパッとしないなぁ」と溜め息をついていたおばさんにとって、きものは救世主となります。

 一種の民族衣装ゆえ日本人ならどんな人にも似合うきものですが、それ以外でおばさんがきものに救われることは3つ。

おばちゃんだけよ、着物が似合う体ねって褒めてくれるのは

しぃちゃん

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