哺乳瓶争奪戦! シングルマザー vs. 娘ちゃん(小1)

「かぁか(上原)、私のこと愛してるでしょ? それなら哺乳瓶で牛乳飲むの許してくれるよね♡」

* * *

ある日、心理学を専攻していた友人が「幼少期に寂しい思いをしたり、愛情不足だったりするとタバコを吸うようになるんだよ」と言い出しました。

「お前はダレだ!? さてはユングだな!」

「タバコの味はママのおっぱいの味ちゃうわ!」

と、下品極まりないツッコミを入れたい気持ちを抑えながら、私は娘ちゃんの哺乳瓶への愛を思い出しました。

読者の皆様は、何歳ごろまで哺乳瓶を使いましたか?お子様がいらっしゃる方は、何歳ごろまで使わせていましたか? 実は、小学1年生になる娘ちゃんは未だに哺乳瓶を使って牛乳を飲んでいます。今日は上原家で繰り広げられている「娘ちゃん(哺乳瓶賛成派)vs上原(哺乳瓶反対派)」による壮絶な哺乳瓶戦争について、「孤独と躾」という観点から書いてみたいと思います。

◎脱哺乳瓶計画!

前回の記事にも書いた通り、私は産後2カ月でホステスに復帰したため授乳期間が短かったんです。私……段取り力が無いわりには神経質な性格でして、ホステスはタバコの煙を吸ってしまう仕事だし、酒を飲む仕事だし、娘ちゃんが欲しがるタイミングで授乳するのは厳しいなーと思いました。

そこで頼りになるのが哺乳瓶です。娘ちゃんが欲しいときに飲ませてあげられるよう母乳を冷凍保存して哺乳瓶であげていたわけです。

離乳食期は生後5、6カ月ごろから始まり、2歳になるくらいの時期には、完全に哺乳瓶を卒業しているものです。でも娘ちゃんは2歳になっても哺乳瓶を手放しませんでした。

離乳のためには、まず朝食・昼食を離乳食に切り替えなくちゃいけません。そして徐々に大人と同じ食事に近づけていく段階で、ミルクの量を減らしていきます。しかし、就寝前の子どもは激しくグズったり、ギャン泣きしたりします。空腹では寝てくれない。だから夜はミルクをあげる、というご家庭も少なくはないはずです。

娘ちゃんは離乳食を食べてはいたものの、寝る前のミルクは卒業していませんでした。だから2歳になっても「離乳した」とはいえませんでした。そのため、まずは哺乳瓶を卒業して欲しいと思い「脱哺乳瓶計画!」を実行しました。

でも、出勤時間を遅らせたり、寝るまで抱っこ! 寝るまでおんぶ! をひたすら繰り返すなど、できることはやってみたものの、結局「脱哺乳瓶計画」は失敗しました(笑)。「なんで育児書通りにいかないのよ!」と憤りもしたのですが、考えてもキリがないので「まっ! 小学生になる頃には哺乳瓶を手放すだろう」と楽観視することに……。

◎哺乳瓶争奪戦、開戦

あれよあれよと時は経ち「脱哺乳瓶計画」から早5年、上原家では昨年から「哺乳瓶争奪戦」が始まりました(笑)。ええ、私のかわいい娘ちゃんは、小学1年生になった今でも哺乳瓶を手放せていません。「今日こそは哺乳瓶、使ってやるぞ!」と意気込む娘ちゃん。「ぜったい使わせない!」と気合いを入れる私。

まずは理解ある親を演じるため「娘ちゃん、寂しい思いさせてきてごめんね。一緒に寝るから哺乳瓶を使うのやめようか」と優しさを見せるところから戦いの火蓋が切られます。しかし、その優しさに付け込んでくる娘ちゃん。

「わたしのこと愛してないの?」

6歳の女子力を舐めてかかっていた私は「なんで愛してるとか、愛してないの話になるんだよ!」と思いつつも「世界中で1番愛してるよ」と答えます。もちろん、次は娘ちゃんのターンなわけです。冒頭に書いたとおり「愛してるならいいわよね♡」と、愛情戦法でゴリ押ししてきます。

由佳子も負けません。「目には目を歯には歯を」的なノリで「感情には感情!」ということで、必殺技「泣き落とし」です。

「こんなに愛してるのに、どうして伝わらないの!? かぁか、夜のお仕事ずっとお休みしてるでしょ(泣)」

結論からいうと、あっけなくスルーされてしまいました。優しさをみせてもダメ、泣き落とし作戦は「泣きまねしないでよ、ウザい」と言われる。「母親ってこんなに権力のない存在だったかな」と考えずにはいられませんが、こうなったら最終手段です!

最後は魔法の言葉を使います★ 「学校」です。娘ちゃんは世間体を気にするタイプなので非常に効果的なんですね。「先生に相談しようかな?」とか、「ランドセルに哺乳瓶入れていい?(にっこり)」とか……ほぼ脅迫です(笑)。とはいえ、世間様からみると娘ちゃんは責められる対象にならないでしょう。責任を問われるのは親の上原です。きっと「あなたが構ってあげないから」とか、「お母さん、もっと時間を作ってあげられないですか」とか、一般社会が基準の返答しかないはず。まあ……実際にそうでした(苦笑)。

ひとり親だとどうしても娘ちゃんと一緒に過ごす時間が限られてきます。子どもに寂しい思いをさせないように、孤独を感じさせないように……私の娘ちゃんも寂しさや孤独感から、愛を求めて哺乳瓶を使っているのかもしれません。

娘ちゃんの孤独を埋めるために、育児書に書かれている通り抱きしめると「ウザい」とか、「キモい」とか、どこぞの反抗期だコノヤロー! な言葉が飛んできます。ひとり親向けの育児書があれば良いのに、と思う今日この頃です★

◎哺乳瓶、便利だよ?

ここまで書いて、「webの連載で哺乳瓶ネタ使うことに対して娘ちゃんの反応は?」との声が聞こえてきた気がします……。ええ、お察しのとおり怒っていました♡

情けない話ですが、何度もアタマを下げて哺乳瓶について書くことの了承を得ました(笑)。その際にせっかくの機会なので、娘ちゃんに「なんで哺乳瓶使うの? 寂しいの?」と問いかけてみたんですね。

すると意外な反応が。「え? だってさ、寝ながら飲み物を飲めるんだよ?」ですって。ああ、その気持ちよくわかるよ。私も弟が生まれてたとき、弟が使っている哺乳瓶で牛乳を飲んで叱られた記憶があります。当時幼稚園児だった上原も「ママ! 寝ながら牛乳飲めるんだよ!」とか子どもながらに哺乳瓶の魅力について熱弁していました。

そういえば……娘ちゃんを出産して動くのがダルいときは、娘ちゃんの160ml哺乳瓶でスポーツドリンクを飲みながら授乳していました(汗)。哺乳瓶、便利だ(笑)。

娘ちゃんが寂しさや孤独と戦った結果が哺乳瓶だと思っていたのですが、素敵な勘違いだったようで安心(?)しましたっ♪

この先もいろいろ素敵な勘違いをするウザいかぁかかもしれないけど、その都度、娘ちゃんと向き合っていきたいものです。

上原由佳子(うえはら・ゆかこ)
1988年生まれ。沖縄県在住。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。twitter@yu756ka

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