韓国の反同性愛団体はソウルの中心でホモフォビアを叫ぶ

 さてワタクシ、「“生”と“性”の多様性」をお祝いするための『東京レインボープライド2015』による、パレード&フェスタを2回にわたってレポートしました。参加者たちが思い思いの「自分らしさ」を表現しながら、青空の下を歩くこのパレード。記事は小姑根性丸出しでいろいろ書いてしまったものの、参加者たちのキラキラの笑顔を見ていて、実はちょっとウルっときていたんです。

 このハッピーな空気にまた浸りたい! そう思ったので旅行も兼ねて、6月9日から28日まで韓国はソウルで開催される、クィア文化祭りの初日に足を運んでみました~。クィアというのは直訳すると「奇妙な」「風変わりな」という意味。いわゆる「フツー(と思われる)の性的指向」ではない人へのネガティブな言葉だったけど、いまではセクシャル・マイノリティを指す言葉として肯定的に使われています。

 しかし韓国は今、「MERS」(中東呼吸器症候群)騒動のまっただ中。到着したのは日曜日なのに、金浦空港も心なしか人が少なめだし、10人に3人程度の割合でマスク姿も……。

 気をとりなしてオープニングイベントが行われるソウル市庁前の広場に足を運ぶと、妙なお歌が聞こえてくるよ……? なんとクィア文化祭りに反対を唱えるキリスト教系団体が、『ともだち賛歌』の絶唱に合わせながら、韓国国旗をフリフリしてるではありませんか! そしてその周りには、

「子供にとってはパパとママが一番」(異性婚が一番だと言いたいのね)
「STOP 同性愛」
「同性愛 同性婚 OUT」

 などと書かれたプラカを掲げる人たちが……。

 もちろん信教の自由こそは認めるけれど、愛について語る一方で同性愛者は排除するなんて、あなた方がお歌いになられているそれの、「ロビンフッドにトムソーヤー~みーんな僕らの仲間だぞ~」という歌詞に反してないか? さらに、

「エイズ患者が公的保険を食い尽くす」
「アナルセックスをすると5年以内に死ぬ」

 なんてトンデモ言説まで飛び出す始末で、かなり胸焼け気味になりました……。

 周囲を見ると、警察を挟んでプラカを掲げるキリスト教系信者と、おそらくイベントを見るためにやってきたであろう青年が、言い争いをしている模様。Oバックいっちょで歩くパレード参加男性の写真を使いながら「朴元淳(パク・ウォンスン)市長様 私達幼い子女たちを保護してください。ソウル広場同性愛祝祭を 児童生徒の親たちは反対しています!」とあるプラカに対して、彼は怒りの声をあげていたのだ。

「いくらモザイクをかけたといっても、これでは誰だかわかるだろ!」ーーなんでも写真に掲載されているのは友人で、反対団体に使用許可など出しているはずもない。なのに肖像権に配慮せず勝手に利用したことを、彼は怒っていたのだ。ほどなくして写真の主も駆けつけ、肖像権侵害で訴える意志を表明したけど、逆に2人の方が警察に、その場から離れるように指示されていました。

 さらに同じ場所で開かれていた、軍刑法の人権改善を要求する記者会見に対しても、反同性愛団体関係者は「これでもか!」という具合にプラカを見せつけにかかります。手にレインボーのペイントを施し、レインボーのミサンガを巻いていた記者会見の参加者が、今にも崩れ落ちそうな表情で彼らを見ていました。

◎アナルセックスでは死なない(当たり前)

 無理もない。同性愛は趣味ではなく属性なのに、なぜ勝手な理屈で糾弾されなくてはならないの? 韓国語がよくわからないワタクシはかける言葉を持たず、この方に東京のパレード会場で購入した「SUPER ALLY(LGBT支援者の意味)」バッジを見せるのが精いっぱい。でも少し笑ってくれたので、ほっとした気持ちもなりました。

 ちなみに帰国後、知人のゲイ男性に「アナルセックスすると5年で死ぬらしいって韓国で言ってた」と話したところ、

「5年以上前にしたけどまだ生きてるし。アナルが5年ならオーラルセックスは何年で死ぬの? 病気で死ぬの? 罪で死ぬの? ゴム使えば延命するの?」

 と、疑問を抑えきれない様子でした。彼自身、社会にも神様にも認められていないと悩んだ時期があったそう。だからこそ、

「クィア文化祭りの『愛せよ、抵抗せよ、クィアレボリューション』を自分も熱く叫びたい! 生き方はひとつじゃないし、君は間違っていない! 抵抗はカッコいい! 世界中に味方はいる!」

 ステキなメッセージまでいただいてしまいました。そう、抵抗はカッコいいし、マイノリティはひとりじゃない。

 28日には広場を起点にしたレインボーパレードが開催されることになっているけど、警察はスタート地点からすぐ近くの場所を、反同性愛団体による集会使用にOKを出したのだとか。ってことは、パレードが妨害されることもありそう……。「自分らしい性」を踏みにじられたくないから、私も応援に駆けつけることにしました! だからぜひ皆さんも、一緒に連帯しませんか?

(写真・文=久保樹りん)

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