[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」7月号

顔より金より、“パパ力”ある男を探せ! 「CLASSY.」が“結婚後”の現実を語り出した

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「CLASSY.」2015年7月号(光文社)

 今号の「CLASSY.」(光文社)の特集は「オシャレに見える『Tシャツ』って難しい!」です。本題に入る前にちょっと気になるのが、「イケてるTシャツ男子図鑑」。リードも「お待たせしました~! 夏恒例のメンズスナップ企画」と亡きキンキンばりのテンション。イケてる男子たちのビーチクスーケーのTシャツ姿が拝める眼福企画となっています。

 「オシャレ系男子」「クリエーター系男子」に、変わり種として「コンサル男子」「不動産男子」「ラガー系男子」「トレーナー系男子」などが並ぶ中、最もページを割いていたのは「飲食系男子」なる括り。「今、人気のカフェやレストランは爽やかなイケメンの宝庫です!」とのことですが、オシャレヒゲにポマードでなでつけたウェービーヘアと、そこはかとなく漂うEXILE感……。そうか、こういう男根臭漂う感じが現在の「CLASSY.」におけるイケてる男子なのですね。(理想の女性は)「毎朝野菜ジュースを作ってくれる元気なコ。ミキサーの音で起こされたい!」「ヘルシーな笑顔が素敵な女性と、日本とハワイの二重生活が理想」などコメントもイケイケです。これまでレビューでも散々お世話になってきた「CLASSY.」男子。座談会やコメントでは女を値踏みしまくり、結婚に関しては二の足を踏みまくる彼ら。そんな彼らをその気にさせるには、ガッチガチの冷凍フルーツを入れたデロンギを轟かせながら腰ミノ付けて踊るしかないようです。

<トピックス>
◎特集 オシャレに見える「Tシャツ」って難しい!
◎結婚前に「パパ力」を見極めよう
◎中村アン主演! Tシャツが主役の6月の着回しDiary!

■横浜のレジェンドを恋のスパイスに使うとは!

 吉田栄作が白Tにジーパンで女子をメロメロにした太古の昔から、夏はTシャツと相場は決まってます。しかし、いかんせんこなれづらい「CLASSY.」女子が“この夏はTシャツを着こなせないと乗り遅れちゃう!”と焦りを滲ませているのが、「『Tシャツが一枚で着られない症候群』の処方せん」という企画での、Tシャツ下手女子座談会です。Tシャツが抜群のこなれアイテムだと認識はしているものの「でも私、Tシャツって苦手。カジュアルすぎちゃって、子供っぽくなるイメージ」「逆に主婦っぽくなって老けて見える危険もある」「デートで着て行ったら、彼に『今日は手抜きかな』って思われちゃいそう」「『このコやる気ないのかな』ってなっちゃうよね」と妄想は果てしなく広がるばかり。

 そこまで思い詰めるなら着なければいいのに……ですが、これぞ女性誌の世界。“Tシャツを着たらこんなに素敵な未来が待ち受けているよ”と口伝する、おなじみの着回しDiaryです。今号の主人公は……中村アン!? 専属でもないのに先月号で突如中村アンのページが登場して驚きましたが、あれは今月号の布石だったのか。とにもかくにも今月は中村アンが「ヘルシー&オシャレ」にTシャツを着回すようです。

 「横浜のスポーツ誌出版社に所属し、フリーの記者として活動する」中村アン27歳。「趣味はプロレス観戦」ということで、今はやりの“プ女子”要素投入です。「現在彼氏はいないが、取材現場でたびたび見かけるスポーツカメラマンに密かに片思い中」……おいおいスポーツカメラマンって百戦錬磨のおっさんしかいないだろうが(偏見)! 「今日は横浜DeNAの練習取材。現場で前から密かに気になっているカメラマンの南中さんを発見!」「ドキドキして取材に集中できないけど、パールをプラスしたキレイめコーデだから平静を装えちゃう♪」と、冒頭から仕事する気ゼロです。イケメンの南中カメラマンが無理やりカメラマンっぽいベストを着させられているのも涙を誘います。

 全体的に浮かれポンチな中村アン記者ですが、軽~いタッチでハマの番長・三浦大輔投手に取材していたり、急遽の錦織圭の取材依頼が舞い込んだり、意中のカメラマンとデートを楽しんだり、仕事は堅調・恋は順調で羨ましい限り。そしてもちろん最終日には「真剣に付き合ってほしい」と突然の告白を受けます。久々に突き抜けてお気楽なストーリーだったのは、やはりカジュアルの王様、Tシャツがテーマだからでしょうか。雑誌のみで完成する価値観を重視するがゆえに、他メディアで活躍するタレントとは決して相性がいいとは言えない「CLASSY.」ですが、これを機に中村アンが「CLASSY.」に「ヨ・ロ・シ・ク!!」(feat.番長ブログ)となるか、今後の動向を見守りたいと思います。

■次は「パパ力はつくれる!」とか言い出しそう

 続いて、「CLASSY.」が結婚を考える貴重な読み物ページを見てみましょう。この枠には過去に「ボンボンと付き合うには」「体育会系男子がアツい」など、どちらかといえば“そういうこと言っているからダメなんじゃ……?”と思わざるを得ない企画が多く登場していましたが、今号はちょっと毛色が違います。題して「結婚前に『パパ力』を見極めよう」。リードには「彼とのゴールインの先にあるのは何十年と続いていく結婚生活。あなたが子供を産めば、その後はパパとしての彼と生きていくことになります」とあります。扉ページには子どもを挟んで仲良く歩く夫婦の後ろ姿に、「休日くらい寝させて!」「仕事がなければ手伝えるんだよ!」「子供に泣かれるとどっと疲れが……」「私ばっかり家事をしてる」「土日くらい手伝って!」「やってくれるのは育児の楽な部分ばかり」という恐ろしいホンネ吹き出しが……。

 彼氏なし婚活中の女性、夫はパパ力ありの専業主婦(子あり)、夫はパパ力なしの共働き女性(子あり)の3人による座談会では、パパ力あり女性を、婚活中女性とパパ力なし女性が褒め称える展開に。「自分の自由な時間がもらえるのはありがたい! 友達とランチしたり、ヨガに行ったりしてリフレッシュできて。あとは、土日の午前中に子供を公園とかに連れ出してもらって、その間に私が家の掃除をして、外で待ち合わせしてランチするのはよくあるパターン」とパパ力あり女性が言えば、「いちばん困るのは、自分が寝込んだ時。自分の体調が最悪なのに子供の食事の心配もしなくちゃいけないし、私の食事も作ってもらえないから寝ていられないし、絶望的な気分になるよ」というパパ力なし女性。なんだかもう、ガックリ。

 今まで散々エエ男と結婚するためには女子マネジャー的な気遣いをアピールしろと流布してきた「CLASSY.」が、「結果として自分を追い詰める女子力アピールは見直そう!」と提唱したところに、この企画の大きな意味があると思います。「何でもやってくれる彼女は、やってくれることが当たり前と思われがち」。この言葉、まさか「CLASSY.」で聞くとは思いませんでした。しかしこれは夫に「ルックス」と「経済力」さえあれば幸せな未来が待っていたはずの「CLASSY.」女子たちに、「パパ力」という新たな課題を与えたという側面もあり、あぁどんどん遠のいていくウェディングベル。イケメンで金持ちで包容力のあるクッキングパパみたいな男性、それはもう梅宮辰夫じゃないですか……。
(西澤千央)

女性誌すらバカでいられない、絶望的な“結婚後”が待ち構える時代

しぃちゃん

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