[連載]おばさんになれば"なるほど"

60代女性がジャニーズアイドルに見る景色――「青春の疑似体験」でも「欲求不満」でもない

少女から女性へ、そしておばさんへ――全ての女はおばさんになる。しかし、“おばさん”は女性からも社会からも揶揄的な視線を向けられる存在でもある。それら視線の正体と“おばさん”の多様な姿を大野左紀子が探っていく。第5回は「アイドル命な中年女性」。

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 ある時、仕事先の大学の授業で、「あなたのお母さんが今一番はまっているものは何ですか?」というアンケートを取ってみました。彼らの母親世代は40代の終わりから50代前半。一番多かったのがモノ作り(手芸、工芸、お菓子作り)、2位がアイドル、3位がペットとスマホアプリのゲームでした。

 やっぱりというか当然というか、この世代でもアイドルファンは少なくありません。ジャニーズのコンサート会場では親子のカップルがよく見られるそうですし、韓流ブームの頃は追っかけの中年女性たちがしばしばメディアに取り上げられていました。

 しかし、アイドルに夢中になっているおばさんを見る世間の目、特におじさんの目はあまり優しくなく、「いい歳してみっともない」だの「欲求不満の現れ」だの、陰で言っていそうです。「おばさんは暇を持て余しているから、そういう道楽ができるのであって、おじさんは仕事に追われてそんな暇さえないんだよ」などと。なるほど。でも実際は、そんなケースばかりではない……のではないでしょうか?

 私はアイドルの世界に不案内なので、身近な当事者から直接話を聞いてみることにしました。愛知県在住、既婚の61歳で2人のお子さんを育て上げ、長年お勤めもされてきたSさん。SMAPの大ファンです。以下、私とのやりとり。

「アイドルの楽しみって一言で言って何ですか?」
「非現実。日常を忘れてファンタジーに思い切り浸れること」
「コンサートは特にそうですね」
「コンサートで使用する曲は前もってCD発売されてるの。皆それを買って聴き込んで、だんだんテンション上げていって、やっと待ちに待った当日が来る。会場が暗転して幕が開いてライトがつくと総立ちよ。興奮するよ」
「最後までずっと立ってるんですか」
「もちろん立っちゃいけない席も作ってあるの。私は3時間立ちっぱなしだけど全然疲れない」
「ジャニーズの中高年女性ファンって、どんな感じの人が多いですか」
「みんなわりとファッションには気を使ってるよ。若作りじゃないけどババ臭くはない感じ」

 うん、それはSさんを見てもわかります。

青春のやり直しを願う若造には到達できない世界!

しぃちゃん

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