[連載]ヤリチン卒業!! 叶井俊太郎の子育て奮闘記

ドラマ『マザー・ゲーム』とはまったく異なる、現実のママ友との“暗黙のルール”

2015/05/04 19:00
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(C)倉田真由美

 先日、娘ココが通っている幼稚園の年少・年中・年長の3学年の代表役員が集まる会議がありました。オレは年長の代表役員なので、もちろん出席。園長と副園長が中心になって、年間の行事(運動会やお遊戯会)、父母会費の金額など決めるたのですが、面白かったのは、園長が「ではみなさん、自己紹介から始めましょうか。それと子育てや家の悩みごとも一緒になんでも言ってください」と言い出して、ママさん一人ひとりに「あなたの悩みは?」と聞いて回ること。

 みなさん、そりゃ悩みごとの1つや2つは持ってるでしょうが、初対面の人たちの前で悩みごとを言えるわけないじゃん! と思ってると、園長が「叶井さん、あなたの悩みは?」と突然話を振られました。この場では「ないです」と答えるしかない。なかなか面白い園長です。

 目黒区には区内の幼稚園の代表父母や先生が月に1度集まる会議もあり、うちの幼稚園からも2人のママが参加してるんです。その会議の報告もあったのですが、「目黒区内の幼稚園で延長保育があって、給食が出る幼稚園はうちだけで、他園のママからは羨ましがられるんですが、他園の先生からは『あなたたちは楽でいいわねえ』と軽く見られているようです。会議の席でも、発言はできない雰囲気でした……」という話がありました。

 他園の先生からすると、本来幼稚園は14時まで、ママは専業主婦というのが「普通」なんだそう。うちの幼稚園みたいに夫婦共働きが多く、延長で17時~19時まで預かるのは幼稚園としてはあり得ない、という考えらしいんですよ。たぶん、「働いてるママは子育てまで手が回らない、ちゃんと子どもと向き合っているの?」という目で見ているんでしょう。余計なお世話ですな! いまは家庭の形もいろいろあるんだし、「これじゃなきゃダメ」なんてものはないでしょう。

 というか、自分の園では延長保育や給食ができないから、うちの園に対する妬み? うちの園長が言うには、今年度から区内のいくつかの幼稚園で延長保育が始まるらしく、幼稚園も時代の変化に対応してきてるようです。園長は「いろいろな家庭があるんだから、幼稚園も柔軟にならないといけない」と言ってましたね。オレは園長に「じゃあ、園長が区の会議に参加して、古くさいこと言っている他園の先生にビシッと言っちゃってください!」とお願いすると、園長は「そうね! 今年の目標にしようかしら」となかなか前向きでした。やっぱり、この園長は面白い!

 ちなみに区の会議に参加しているママの中には、スーツでビシッと決めて、メイクもしっかり、ブランドバッグを持っている人もかなりいるらしいです。見たかったなあ。まあ、区内には芸能人や政治家の子どもが通うセレブ幼稚園がいくつかあるので、たぶんそこのママさんなんでしょうね。

 セレブ幼稚園といえば、先日始まった『マザー・ゲーム~彼女たちの階級~』(TBS系)というドラマを見たのですが、これがなかなか面白い! セレブ幼稚園にシングルマザーが転園するのですが、ほかのママたちは全員専業主婦で、働いているママを完全に見下しているわけですよ。セレブママたちがシングルマザーに人前でみじめな思いをさせたり、ママチャリを蹴ったりといくつもの嫌がらせをするのですが、ドラマだから誇張しているだけで現実的じゃない。でも、幼稚園がテーマのドラマはここ最近なかったので、これから幼稚園に通わせようと思っているママたちの中には、リアルとして受け止める人もいるのかもしれないですね。

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