[官能小説レビュー]

カルボナーラを食しながらセックスに耽る――『淫食』の性愛描写がいやらしい理由

tumanohanzai.jpg
『妻の犯罪―官能小説傑作選 哀の性』(KADOKAWA)

■今回の官能小説
『淫食』(『妻の犯罪―官能小説傑作選 哀の性』より/小玉二三、KADOKAWA)

 食事とセックスは非常によく似ている。目で楽しみ、口の中に含み、舌で味わい、咀嚼する。出会いからセックスに至るまでの流れと同じようだ。女も、セックスをするときにパートナーになる男のルックスにこだわる部分はあるが、男が女の見た目に対するこだわりようは想像以上に強い。容姿やスタイルの好みはもちろん、触り心地や肌の感触まで細かくイメージしている男性が少なくないのだ。

 筆者の知人の男性は、胸が小さくて細身な女が好きだと言っていた。その理由は、セックスの時、恥骨が浮き出た部分をアイスキャンデーのようにしゃぶるのが好きだという。またある男性は、ぽってりとしたおなかに指を食い込ませるときの感触がたまらないそうだ。そんな話を聞いていると、「まるで食事の好みを語っているようだ」と感じてしまう。

 今回ご紹介する『妻の犯罪―官能小説傑作選 哀の性』(KADOKAWA)収録の『淫食』は、食欲と性欲がシンクロしている不思議な作品である。

 主人公の鍋島は、4年前にオープンしたレストランのオーナーシェフだ。離婚した元妻の実果とも円満で、鍋島の店に客としてやってくるほど。離婚したことに未練はないけれど、美食家である実果の肉感的な体だけは今でも恋しい。彼女の体はこってりとしたクリームの乗った肉料理のようで、鍋島はその体形にそそられて猛烈にアタックしたほどだ。
 
 鍋島が店を閉め、1人くつろいでいると、閉店した店のドアを誰かがノックする。顔をのぞかせると、そこには先ほど食事をしにきた女性グループの1人がいた。実果とは真逆の、柳のようにしなやかなプロポーションの女性だ。名前を瑠璃子という。

 鍋島は、ひょんなことから瑠璃子を自宅まで送ることになる。バレエのインストラクターをしているが、持病が重くなり、その道を諦めることになったという。鍋島は、そんな自暴自棄の彼女を抱いてしまう。

幼い頃からバレエのために食事を制限していた瑠璃子と、食事を楽しみながらセックスをする。鍋島は、卵を混ぜながら彼女のショーツを下ろし、ベーコンを炒めながら愛撫する。完成したカルボナーラを頬張る彼女の腰を撫で回し、ソースで唇を光らせる間も激しく腰を動かす。
 
 食欲と性欲、三大欲求の2つを同時に満たす2人のセックス描写は非常にいやらしくて、そそられる。それは多分、私たち人間の奥に秘めた本能をわしづかみにされるからではないだろうか。

 子どもの時は、好きな相手につい強くかみついてしまったり、制御できないほどきつく抱きしめてしまったりしたことがあった。まるで、交尾の後に、相手を食べてしまう生き物のように。相手を食べてしまいたいほどの愛の衝動が『淫食』にはほとばしっている。そして、好きな相手を自分の体内に取り込むことができる女は、男よりも少しだけ幸福なのかもしれないと思った。
(いしいのりえ)

ダイエットするとやる気も性欲もなくなるよね~

しぃちゃん

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク

アクセスランキング

  1. 「オワコン女優」認定の3人は?
  2. 「二度と仕事したくない」勘違い女優
  3. 狩野英孝の“最もヤバいウワサ”
  4. 袴田吉彦の不倫相手が売名活動へ
  5. 狩野英孝事務所、無慈悲な対応
  6. 江角マキコ、不可解な「芸能界引退」
  7. 和田アキ子に「パワハラ批判」噴出
  8. 嫌われている“歌姫”3人を大暴露
  9. “消えたAKB48”河西智美は今
  10. 日7対決“敗北しそうな番組”ランキング
  11. “もう終わった”イケメン俳優3人
  12. ムショ飯はうまいのか?
  13. 狩野英孝、淫行報道で引退の危機
  14. 『東京タラレバ娘』はミスキャスト?
  15. 「仕事をしたくない」嫌われ者タレント
  16. 工藤静香インスタで“におわせ”?
  17. 薬丸裕英から家族すらも去った?
  18. 篠田麻里子、「老婆のように」劣化!!
  19. 新春ジャニオタ放談
  20. 違法ギャンブルにハマる危険な芸能人

ジャニーズの人気記事

  1. 新春ジャニオタ放談
  2. SMAP・中居が熱愛報道に渋い顔
  3. ジャニーズ事務所がひた隠すV6の真実
  4. 葵つかさ「松潤の相手」表記にクレーム
  5. 藤ヶ谷太輔、破局劇に大ブーイング

カルチャーの人気記事

  1. 他人の記事をパクるのはこんな人
  2. 恋愛に浮かれられない「GINGER」のサガ
  3. 「捨てられる妻」の典型とは?
  4. 逮捕された元警部が語る覚せい剤と刑務所
  5. ノンケが「レズ風俗」に行ってみたら

海外ゴシップの人気記事

  1. C・ブラウン、『DB』の痛車でデートへ
  2. マドンナ、トランプに「チンポしゃぶってな!」
  3. マライアが“バツ2”自虐ギャグでノリノリ
  4. ケイティ、年末年始に日本を堪能
  5. トランプ就任式はしょぼくてもOK!