[ジャニーズツッコミ道場]

中山優馬がたった1人で完成してみせた、「ジャニーズ桃源郷」の平和で優しい世界

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ここに新たなジャニーイズム継承者が誕生……

 今回ツッコませていただくのは、4月の『スッキリ!!』(日本テレビ系)テーマソングになっている、中山優馬のニューシングル「YOLO moment」に見る、究極の優しい世界。

 60年代洋楽のようなのどかな楽曲と、優馬のふわふわ優しい人柄がマッチし、ダンスのうまいTravis Japanがバックで表情豊かに踊るさまは、実に可愛く魅力的だ。だが、4月1日放送分の『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)では、トラジャの代わりに、どういうわけかちびっ子たちを従え、ほのぼのシュールなパフォーマンスが披露されていた。

 練習着の子もいれば、私服風衣装の子もいるバラバラ具合は、まるで急遽、ジャニーさんの思いつきで集められたかのよう。オリジナルの振り付けはかなり難度が高いため、一部アレンジが加えられていたのだが、優馬を中心にちびっ子たちが階段に座り、首をカクカクさせるキツツキのような珍妙な動きをする場面は、限りなく平和だ。まるでジャニーさんの心の奥底に存在している桃源郷が突如現れたのではないかと思うほどに。

 それを見て思ったのは、「とうとう1人NYCをやっていくのか」ということだ。優馬というと、いまだに「ジャニーさんのスペオキ」イメージを持っている人も多いと思う。確かに、初出演ドラマが主演であったり、既存グループHey!Say!JUMPの人気1、2の山田涼介、知念侑李を引っ張ってきてのNYC結成&『NHK紅白歌合戦』出場があったりと、かつてはジャニーさんの愛があふれる乱暴すぎなゴリ押しに、非難の声も多かった。犬のワルツ(『ワンダフルキューピット』)やお祭りの歌(『ハイナ!』)など、どこに需要があるのかわからないトンチキソングを真剣に全力で歌い踊るNYC3人の美しさに心打たれる人も出ていたが、ある時、なんの説明もないまま活動休止にされる。

 そして、関西ジャニーズJr.の仲間たちとのデビュー話も、「あんながんばってる人たちを(自分の)下の存在にしてまで一緒になんかできない」と断ったエピソードをはじめ、本人の優しい人柄・素顔が知られるにつれ、アンチはほぼ皆無になっていった。

 かつての仲間たちがジャニーズWESTとしてデビューしたこと(4人でデビューが発表された後に3人追加となったのには、中山優馬の働きかけがあったことも、集英社『Myojo』の藤井流星10,000字インタビューで明かされている)、NYCとして一時をともに過ごした山田、知念が本籍地・Hey!Say!JUMPに戻り、主演映画がヒットしたり、『24時間テレビ』(日本テレビ系)のメインパーソナリティーになったりと注目度を上げていること。それらは、優馬がたった1人でやっていく決意をしたことと、まったくの無関係ではないだろう。

 思えば、NYCの頃には、フリーのダンス部分では直立していることも多く、3人とも同い年で仲が良いこともあり、2人から「優馬、心臓しか動いていない」とイジられることもあった。にもかかわらず、舞台『PLAYZONE』で今井翼、屋良朝幸に鍛えられた経験などから、今では若手でダンスのうまい1人に数えられるほどに成長したのは、感慨深い。だが、優馬がみんなにゆるく愛されつつも、売り上げにはなかなかつながらないのも事実。

 なぜって、売り上げにつながるのは、所有欲、独占欲をはじめとした、「欲望」という熱い温度だから。それを利用したのが、イベント参加券や握手券、カードなどをつけたAKB48やEXILE、ジャニーズでも嵐を除く売り上げ上位のグループだ。

 だが、そうした「欲望」は熱く、ときには苦しく、つらさを伴うのに対し、「好意」は適温ゆえに、独占したい・所有したいという「欲」「煩悩」がなくなっていく。そして、みんなが手を取り合い、仲良く温かく見守る状態になる。そんな平和で優しい世界に、なぜか中山優馬は到達してしまっている。素晴らしいのに、今回もまったく売れる気がしないのが甚だ残念だ。
(田幸和歌子)

思い出せば思い出すほどNYCがトンチキすぎて愛しい

しぃちゃん

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