今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

垢抜けない私生活でわかった、工藤静香が日本の“象徴”たるゆえん

2015/02/13 21:00
sizuka-album.jpg
My Treasure Best -中島みゆき×後藤次利コレクション-』/ポニーキャニオン

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎八代亜紀でも代替可
 「劣化!」「研ナオコ化!」が叫ばれる、最近の工藤静香。しかし本当に研ナオコに似てる。痩せてて肌焼いてて化粧が濃い女が歳を取ると、多かれ少なかれ皆研ナオコ化してゆくということなんだろう。また、マネしたみたいに研ナオコっぽい髪型にしてるから工藤静香。ショーパブのそっくりさんみたい。

 そして、堰を切ったように「私の生活」をダダ漏れさせる静香。もーいいっつうのに例の絵とかな。あと、天然石のジュエリーの通信販売やってた。そして変わらぬ服の趣味。「金は持ってるだろうに、なぜそれを買う」のベクトルが、動かぬこと山のごとし。メルヘンな絵に、天然石、そしてボディコンラインに何かビラビラした布をONというファッションスタイル。工藤静香って、構成要素が全て「スナック」なんだよなぁ。あの絵はいかにもスナックのトイレに飾ってある「ママの描いた絵」っぽいし、天然石は、スナック的要素のある人間にとっての大好物。何より服装が。「大物芸能人」って、結局、垢抜けるタイプの人間には務まらないのかもしれないなぁ、と変なところでしみじみさせられた。

 さらにいきつけの代官山のサンドイッチ屋では「あ、パパごめんね今日」と親しげに店主に差し入れを渡すシーンも。相手への間合いの取り方や、親密さを表すための呼称が、これまたスナックっぽくて膝を打った。ロケ地・代官山だが、心象風景としては錦糸町。渡してたのも、手作りの「オーガニックチョコムース」だそうだが、ジップロックコンテナにただ乱暴に放り込まれた黒い塊からは、そんなハイソな匂いはせず。ママお得意の角煮にしか見えなかった。

 こういう、やたらと「貸し借り」で食べ物をやりとりし合うところとか、「手作りの食べ物」に対するハードルの低さも、これまたスナック文化由来な感じである。まるで生けるスナック人形のごとき工藤静香。しかし、日本におけるスナック的なものに対する、無意識下の支持率ってすごいからなぁ。工藤静香見て、嫌悪感より親近感抱く人間の方が多いってことだ。この人口比率は、変わらないどころか、近年どんどん「親スナック派」の勢いが増してるからなぁ。お前もスナック人形にしてやろうか。恐ろしい世の中になったもんである。

◎Sexy Zoneは布石だった
 大勢の人間がいる前で、メモを渡してきた見知らぬ男性。名前も知らないのに「僕と付き合って下さい!」と告白されて。実は彼は、世界的に有名なダンサー。とっても強引なキスをされ、そしてあなたは……。続きは「セカラブ」で、検索。

 と完全に「実写版恋愛シミュレーションゲーム」状態の、深夜ドラマ『セカンド・ラブ』(テレビ朝日系)。女が酔えるシチュエーションの為には、筋も何も関係ねぇ! どうせお前らベッドシーン以外は早送りだろ、という、AVレベルの作りが、いっそ清々しいと言うべきか。突貫工事のように「ジャニーズ事務所・エロ担当」として仕事を請け負わされている亀梨和也も、「女に人気のAV男優」感がすごい。「クチッ」「ニチャッ」という音入りのラブシーンに、セクシーではなく「エロ」という、新しい頂を目指さんとする、事務所の志を見た気がした。

 ソフト・オン・ジャニーズ。ない話でもないかもしれない。とりあえず、とてつもなく金の匂いがすることだけは確かだ。

◎その枠があったか!
 そう言われればなんとなく納得の、「谷原章介、ABC・テレビ朝日系『パネルクイズ アタック25』の新司会に」のニュース。年配者が気おくれせずに受け入れられる、今どきっぽすぎない「ハンサム」、子だくさんで親近感を漂わせつつ、生活感は感じさせない絶妙なプライベート、石田純一ファミリーとはひとつ距離を置く矜持、最近のワーワーする「MC」ではなく、あくまでソフトな「司会」というスタンス……。あらためて考えてみると、谷原章介以外に誰がいるってくらい合口いいな。

 谷原就任に伴い「ルールとテーマ音楽以外のセット、ロゴ等はリニューアルする」とのことだが、あまり変えない方が、いろいろうまくいくような気がするのだが。昭和の匂いが漂ってこその『アタック25』。いつか博多華丸へとつながるその日まで。

asokokenbun.jpg

今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)、1月16日に新刊『今井舞がゆく! 気になる「あそこ」見聞録』(新潮社)発売。

最終更新:2019/05/22 16:29
アクセスランキング
  1. 持ち偏差値より低い中学を受験した娘
  2. 「新しい自分になる」危険ドラッグで8階から飛び降り――「ラリってしまいたい気持ち」を禁止しても意味ない?
  3. 大谷翔平と代理人バレロ氏の心配な報道
  4. メルカリで31万ネックレスが27万に! 4万円の値引きに成功したワケ
  5. 警察がヤクザより力を入れる犯罪組織「トクリュウ」とは? その厄介さを元極妻が解説
  6. 「私には迷信と思えない」幼い息子に起こった異変とは? 奇跡的だったお坊さんの指摘
  7. 皇室の“セックスマニュアル”? その内容は
  8. 「男の宿命的な性」への憎しみ
  9. 大谷翔平、違法賭博問題で「裏社会」関係に疑惑?
  10. 秋篠宮さまの“プロポーズ美談”は全部ウソ?
  11. 憲法は「暴力団員であること」を禁じていない! 餃子の王将社長射殺事件、パソカ規制問題、工藤會死刑判決を元極妻が解説
  12. 132万のジュエリーの代わりに買ったもの
  13. 「美智子さまいじめ」の主犯
  14. 実父の強姦が黙殺された「栃木実父殺し」から現在
  15. 『大奥』問題がある演出とは?
  16. 中学受験の合格手続きでミス
  17. 学習院「常磐会」が行った「美智子さまいじめ」
  18. 2023年のクスリ押収量は過去2番目! イーロン・マスクのドラッグ使用疑惑を解説
  19. 中学受験6連敗の母に伝えたいこと
  20. 生活費3億円のお嬢様が皇族妃に?