[女性誌速攻レビュー]「美人百花」2月号

コンサバもギャルも嫌!? 喧嘩上等の「美人百花」が抱える“美人”になり切れない葛藤

2015/02/02 21:00

■スタイリッシュとちょいダサの狭間で

 「美人百花」はタイトルもあるように「美人」がキーワード。だから、誌面にも「美人」という言葉がちょいちょい出てきます。例えば「美人たちの『本命コート』と『コートの中身』総ざらいSNAP」というページがありました。

 「美人」というだけに、「タレント・モデル編」に出てくるのは、道端ジェシカ、道端アンジェリカ、菜々緒、絵美理、西山茉希、RINA、木下ココ、田中美保などそうそうたるメンツ。基本的にみんな「美人」なので、可愛いアイテムよりも、甘さ控えめのアイテムの方が自分の個性を生かせると考えているご様子。黒っぽいアイテムやマニッシュなアイテムが目立ち、かっこよさの方が際立っていました。確かに、モデルやタレントの私服は甘さ控えめなイメージが強いですが、“愛され系ピンク”を前面に押し出した表紙とのギャップを感じてしまいました。

 ただ、その後に続く「プレス編」は「タレント・モデル編」よりもコンサバ度が高くなり、さらにその後の「読者編」になると、またもファッションの可愛い度&甘さがぐんと上がります。しかし、「読者編」に登場する女性たちのファッションは、甘さを最終目的地にしているわけではなく、モデルのようなかっこいいスタイルに“たどり着けなかった”、あこがれのファッションと等身大の自分の間を取ったところ“中途半端になった”ように見えるのです。それゆえに「美人百花」という女性誌は、スタイリッシュとちょいダサが共存しつつ成り立っている雑誌のように見受けられました。

■鍋料理に見た「美人百花」の恋愛観

 さて、そんな「美人百花」の恋愛観とはどんなものでしょう。と、思ってページをめくり続けたのですが、これがあまり見当たらない。今月は2月号ということで、バレンタインに合わせたチョコ特集や、「アラサー美人が今、一番マネしたい憧れのお姉さん」という触れ込みの美容研究家・神崎恵さんの「“色っぽ可愛い”のヒミツ」というページもありましたが、特に「美人百花」の恋愛観が打ち出された企画は見当たりません。

 また、「逆引き『ホムパ鍋』百花」という料理ページも、シチュエーション別に鍋料理を紹介しているのですが、そのホムパのシチュエーションも「肉食女子」「合コン」「夜景」「ワイン」「デトックス」「ランチ」「アジアン」など、男っけが「合コンホムパ」以外からは感じられません。しかも、合コンホムパに「韓国すきやき鍋」という食いしん坊向けのボリュームたっぷり鍋が提案され、見た目の華やかさにこだわった料理で“女の子らしさ”を演出しようとする気配がない。さらに「焼酎飲み比べホムパ」なんてどこかおじさん感の漂うホムパに「手羽ギョーザ鍋」がオススメされています。ここにも男目線は感じられず、ただ単純においしそうなんです。

 “ピンクピンク”している表紙と中身のギャップが気になった「美人百花」。男ウケばかり狙ってそうな派手な女の子だと思ってたけど、話してみると意外と仲良くなれそう……そんな気配がしました。男性は“可愛い”女性には安心して接することができるけれど、“美人”には近づきがたさを感じ、敬遠しがちとはよく言いますが、「美人百花」も「美人」と銘打っているだけに、男目線を意識していないのかもしれません。次号以降もじっくり読んで、「美人百花」の目指すところについて、これからじっくりとみていきたいと思います。
(柴朋美)

最終更新:2015/11/27 17:18
『美人百花 2015年 02月号 [雑誌]』
美人というプライドを持ちたいという意識はビンビン
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