[官能小説レビュー]

かつての先生への淡い恋心が“タブー”を生む! 高校教師の愛欲を知る『ももいろ女教師』

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『ももいろ女教師 真夜中の抜き打ちレッスン』(実業之日本社)

■今回の官能作品
『ももいろ女教師 真夜中の抜き打ちレッスン』(葉月奏太、実業之日本社)

 思春期の頃、一番身近に接していた年上の男性は“先生”だった。今思えば、それほど年が離れてはいなかったのだが、スーツを身にまとい教壇に立っているだけで、クラスにいる男子生徒とは一線を画す大人の匂いを感じたものだ。

 くたびれた背広姿や猫背気味の背中、セットをしていない寝癖にすらも、“大人”の味付けがされ、女子生徒の目にはプラスポイントと映る。10代の頃、一度くらいは先生にあこがれた人も少なくないだろう。筆者も実はその1人だ。

 今回ご紹介する『ももいろ女教師 真夜中の抜き打ちレッスン』(実業之日本社)の主人公は、社会科の男性教師・小倉。42歳独身、トレードマークはくたびれたグレーの背広。どの学校にも、1人くらいはいたような、うだつのあがらない教師だ。同僚には、彼が受け持つクラスの副担任の美穂がいる。かっちりとしたスーツに身を包み、常に冷静沈着な美穂だが、27歳の熟れた体はタイトなスーツの上からも魅惑的なラインを描いている。小倉は密かに美穂にあこがれていた。
 
 1つの高校を舞台に、大人たちの愛欲は交差していく。ある日の放課後、小倉は後輩の同僚・桐生と美人養護教論・沙織が抱き合っている場面を目撃してしまう。まるで金縛りにあったように、その場から動けなくなった小倉。沙織が桐生のズボンを下げ、彼のもとにひざまずいて、オーラルセックスをする様子を、小倉は固唾を飲んで目に焼き付けた。その後小倉も、保健室で沙織と体を重ねることになる。

 また、学年主任の石山が、教え子の母親である未亡人の由希子と関係を持つ。夫の死去により抑圧していた性を、石山と体を重ねることによって解放した由希子は、子どもの担任である小倉をも誘うように。そしてあるところでは、桐生が美穂に愛の告白をしていた……。

 子どもである生徒たちに気付かれないところで、さまざまな大人のたしなみを謳歌している大人たち。思春期の頃、教師をある種の“アイドル的”な存在として見ていた人もいるように思う。しかしそんなアイドルたちも、一歩教卓を離れると、1人の雄と化すことを、この作品にあらためて気付かされた。

 笑顔をふりまく新人教師やカタブツの学年主任が女と交わっていた。教師への初恋の淡い思い出も、振り返るといやらしいヴェールをまとって淫靡に感じられる。あの頃、教師へのあこがれが強かった人にとっては、“今だからこそ”わかってしまうタブーに満ちた官能が詰まった1冊である。
(いしいのりえ)

なぜあのオッサンに熱を上げてたのか我に返るときも……

しぃちゃん

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