同時にエミネムの体調も心配

「エミネムに会いたい」という難病少年、夢がかなった翌日に天国へ……

2015/01/14 18:20

 この直後、ゲージがエミネムの訪問を受けた約24時間後の12日の夕方に亡くなったという続報が伝えられ、世間はエミネム賛美のムード一色に。マスコミは美談としてこれを報じ、ネット上には、「最期の願いをかなえてあげたエミネム最高」「キム・カーダシアンならテレビクルーを連れ回して生中継でもしそうだけど、名声よりもゲージのことを考え、極秘にかなえてあげるエミネムは人間的に優れてる」など、彼を絶賛する声があふれている。

 しかし、その一方で、「この手の美談報道を読むたび、セレブは瀕死のファンにだけ会いに行くんだなって思う」「盗作疑惑から目をそらせるのが目的なんじゃないか」といった声も少なくない。エミネムは年明け早々、シカゴの「ホットスタイルズ」というラップグループから、「自分たちが2007年に発表した『Lookin Boy』の楽曲を、エミネムが2013年にリリースした『Rap God』に無断で使用した」と800万ドル(約9億3,400万円)の賠償訴訟を起こされており、この盗作疑惑から世間の目をそらそうとしているというのだ。

 実母や元妻との愛憎関係から精神を病んだといわれ、「殺す」「犯す」など攻撃的で過激な内容の歌詞が多いエミネムだが、実はいい人だという説が強い。以前よりネットの掲示板には、偶然道端などで会ったファンから話しかけられても、嫌な顔や罵倒することなく普通に対応したり、サインも求められれば応えることが多いと書き込まれているのだ。

 また、エミネムはスーパースターとなった今でも地元を愛し、昨年末にもデトロイトの恵まれない子どもたちのために活動するチャリティー団体に10万ドル(約1,167万円)をポンと寄付したと報じられた。有名アーティストをディスることも多いが、「キモい、グロい」と多くの人が眉をひそめるマリリン・マンソンとステージで共演したり、「ホモホモしくって嫌」と言われがちなエルトン・ジョンとも共演したり、人柄はとてもよいとも伝えられている。

 エミネムの母親は、08年に出版した息子の暴露本『My Son Marshall, My Son Eminem』で、エミネムはかねてより躁うつ病に悩み、娘の誕生、離婚で症状が悪化。過食に走り、人生を制御できなくなるほど重症化していると明かした。この頃のエミネムは、薬物依存症とうつ病の治療のために表舞台から消えていたが、自身が苦しんでいるからこそ人の痛みがわかり、優しくできるのかもしれない。

 ネット上では、賛否両論ある今回の美談だが、訪問時の写真が出回ったり、ゲージの家を訪問するパパラッチ写真もないことから、エミネムがこれを利用しようと企んでいる可能性は低いとみられている。盗作疑惑騒動には当分悩まされそうだが、ヒット曲を持つ歌手が「盗作された!」と訴訟を起こされるのは特に珍しいことではなく、さほど大きなダメージにはならないだろう。

 「TMZ」のコメント欄には、「記事の内容よりも、ゾンビのようなエミネムの顔が気になる」「エミネムの方が余命1週間みたいに見える」と彼の不健康そうな顔を心配する声も書き込まれていた。昨年末から「やせすぎて怖い」と言われることが多くなったエミネム。15年は、自身の健康状態にも気を配りつつ、アーティストとして活躍してもらいたい。

最終更新:2015/01/14 18:22
ダークストーリー・オブ・エミネム
改めて考えても、母ちゃんに暴露本書かれるってすごい人生……
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