[連載]悪女の履歴書【2014年特別編】

さくら夫人の出現は必然だった――木嶋佳苗、上田美由紀、京都・筧千佐子から『後妻業』へ

これほどまでに女性が世間を騒がせた1年があったろうか? 2014年に話題をさらった数々の女のなかから、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク・神林広恵が「疑惑の女2014」を選出する。

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(左)『後妻業』(文芸春秋)(右)『殉愛』(幻冬社)

 2014年、女性たちは頑張った! セクハラヤジで脚光を浴びた塩村文夏都議、STAP細胞騒動の小保方晴子、後妻業の筧千佐子、果敢にも無罪を主張し続けたASUKA愛人・栩内香澄美、政治資金疑惑の渦中に選挙で大勝し、ついでにPCまでぶち壊した小渕優子、民主党の代表選出馬を表明した蓮舫(その後出馬を断念)、法廷で「まんこ」発言を繰り返し裁判長をパニックに追い込んだろくでなし子。相変わらず恋愛三昧のAKB48グループの皆さん、姿は見せないのにアルバムが売れに売れた中森明菜——。

 そして年末彗星のごとく現れたのが自民党新人議員の前川恵である。アベノミクスや議員定数について聞かれ、「どうしよう、わかんない」「あれ? 自民党の方針ってどうでしたっけ」と大ボケ発言をして、杉浦太蔵以来の“おばか議員”として脚光を浴びるだろう。しかし14年、人々の興味をかき立てた女性といえば、なんといっても“あの方”しかいないだろう。14年最も輝き、人々を熱狂させた女性。百田尚樹作『殉愛』(幻冬舎)の主人公であり、やしきたかじんの未亡人・さくら夫人だ。

 しかし思えば、彼女の出現は必然かもしれない。

 今から遡ること5年の09年、首都圏の木嶋佳苗、鳥取の上田美由紀と相次いだのが連続不審死事件だった。婚活サイトやスナックを舞台に複数の男性を結婚やら肉体やらで凋落し、そして彼らは相次いで死亡する。

 その後12年には尼崎の角田美代子が、家族全体を乗っ取り、恐怖支配でこれまた多くの人々が殺害されるという事件が発覚。そして14年は京都府向日市の筧佐千子だ。結婚相手や交際相手が短期間に次々と死亡、莫大な遺産を得ていたというこれまた連続不審死事件だが、ここで満を持して登場したのが「後妻業」という言葉だ。

 これは事件発覚と同時に出版された『後妻業』(黒川博之、文藝春秋)に由来するのだが、結婚相談所を舞台に67歳の女性が次々と高齢男性を殺し遺産をせしめていくという内容が、まるで京都不審死事件と瓜二つ。そのため「後妻業」という言葉と共に大きな話題となった。

 しかも「後妻業」は京都の事件をモデルにしたものではなく、筆者の黒川の知人の“実体験”がベースとなったもの。さらに、事件化されていないが「後妻業・連続不審死」がまだまだ存在するとの報道もあり、孤独な高齢男性をターゲットに結婚や交際をエサにした連続不審死事件の続発に、世間は注目したのだった。

 こうした予備知識、ベースの上に、いろんな要素をひっさげて登場したのが「殉愛」さくら夫人だった。いや失礼。もちろんさくら夫人は犯罪など決して犯したわけではない。しかし夫の死後、彼女が起こした行動の数々が人々の“疑惑”や“想像”を膨らませ、熱狂させていく。

オンナを最大限に利益化した女たちはどこへゆく

しぃちゃん

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