北朝鮮も見る目ナシ?

ハッキング被害の映画『ザ・インタビュー』は酷評の嵐、見どころはエミネムのカミングアウトのみ?

2014/12/31 15:00
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北朝鮮にエミネムのファンがいたんじゃね?

 11月にハッカー集団に内部情報を流出させられた上、「『ザ・インタビュー』を上映したら9.11のようなテロ攻撃する」と脅迫された大手映画製作会社「ソニー・ピクチャーズエンタテインメント」。大手映画館が上映を見合わせたため、「上映そのものを中止する」という決断を下したが、セレブや大統領にまで批判され、最終的に一部の映画館とオンライン配信という形で、予定していた通りのクリスマスに全米公開する運びとなった。

 ハッキングの捜査をしているFBI(米連邦捜査局)は、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントを攻撃したハッカー集団は北朝鮮当局と関連していると指摘。『ザ・インタビュー』は北朝鮮がどうしても上映を阻止させたかったクオリティの高い風刺映画に違いないと世間は思い込むようになり、「見なければ、テロリストに負ける」と愛国心をあふれさせたアメリカ人たちが我先にと鑑賞。公開初日・25日の興行収入は100万ドル(約1億2,000万円)を突破した。

 話題を振りまいている『ザ・インタビュー』だが酷評に飲み込まれている。米大手紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は「『ザ・インタビュー』を見るのは、最初から最後まで拷問みたいなもの」、米人気サイト「WIRED」は「この映画のために北朝鮮がソニーをハッキングしたなんてあり得ない。映画を見た今、“ソニーをハッキングしたのはソニーに違いない”と確信している。ブラボー! 神技だな」と貶しまくり、大手メディアでは辛口の批評が並んでいる。映画を視聴した観客も微妙な反応を見せており、「こんな作品のために北朝鮮はソニーをハッキングしたのか!?」「駄作をヒットさせたいソニーの自作自演なんじゃないか」と新たな衝撃が流れている。

 世界的に注目されたわりには中身の薄い作品と言われているが、同作の原案・監督・主演を務めるセス・ローゲンのファンは、「いまさら」と憮然としている。セスは、B級映画のハチャメチャ喜劇映画を得意としており、ポルノをネタにした『恋するポルノ・グラフィティ 』(2008)や、自然災害による世界終焉をネタにした『ディス・イズ・ジ・エンド 俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』(13)など、なんでも笑いネタにする男だからだ。もうひとりの主演ジェームズ・フランコとは、90年代後半にテレビで放送されていたコメディ『フリークス学園』で共演して以来の大親友で、映画でも何作か共演している。

 そんな2人が、タッグを組んだ『ザ・インタビュー』は、「アメリカの人気テレビトーク番組の司会者デイヴ(ジェームズ)と番組プロデューサーのアーロン(セス)が、北朝鮮の最高指導者である金正恩第1書記が自分たちのファンであると知り、訪朝しインタビューを行うことに。その2人にCIAの美人インテリエージェントが金正恩暗殺を依頼。2人はミッション遂行のために奮闘する」というストーリー。ファンの予想通り、シモネタや底抜けにアホなアメリカンジョークが炸裂する作品に仕上がっている。

 そんな中でもファンの心をがっちりと掴んだのは、ちょい役として出演している大物スターたち。彼らは、アーロンとデイヴのトーク番組でスクープ発言を投下していくのだが、これが最高に面白いとネット上で話題となっているのだ。

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