サイゾーウーマン大人のぺいじ官能小説レビュー不倫愛に陥った妻に感じる“愛おしさ” 大人のぺいじ [官能小説レビュー] 『Red』が描く、不倫愛に陥ったセックスレス妻――彼女に感じる“愛おしさ”の正体とは? 2014.12.15 ツイート Red官能小説レビュー島本理生 『Red』(中央公論新社) ■今回の官能作品 『Red』(島本理生、中央公論新社) 女は年を重ねるたびに、自分の欲望を開放することが難しくなってくる。そのきっかけになるのが出産だ。かつては街を歩けば楽しみばかり転がっていたはずなのに、ひとたび子ども連れになると、身勝手に楽しむわけにはいかない。子どもの手を引き、機嫌を取り、ぐずりだす前に早々と用事を済ませて帰宅する……自由であるはずの外出はいつしか苦痛となっていく。もちろん、子どもを持つ喜びもあるが、子どもの成長を最優先にした生活を続けるうちに、家庭をまるで“牢獄”のように感じてしまう瞬間もあるのではないだろうか。 今回ご紹介する『Red』(中央公論新社)の主人公・塔子は、端から見れば幸せをそのまま形にしたような女性だ。イケメンの夫を持ち、出産を期に会社退職し、3歳の娘・翠と、義理の両親と共に暮らしている。姑は塔子に対して理解があり、平穏無事に暮らしていた。 かつては仕事をすることに生き甲斐を感じていた塔子。その仕事を辞め、育児にシフトし、夫とのセックスも翠を授かったときに失った。妊娠初期に「当分するのはやめるから」と夫に宣告されてから、3年間セックスレスになり、塔子は夫に対してオーラルセックスをすることが習慣化した。 ある日塔子は、女友達の結婚式の場で昔交際していた鞍田と再会する。当時二十歳だった塔子は、鞍田に“性”の全てを教わった。その頃の自分が蘇ったように、塔子は鞍田と激しく抱き合う。10年の空白も感じさせないほどに肉体を欲しがる鞍田の愛撫に、塔子は3年間封じていた欲望を開放させていった。 この再会により、今まで閉じ込めていた自分自身の欲求を再認識してしまった塔子。「妻」として「母」として、必死に自分を押し殺し平穏な日々を守ってきたが、転げ落ちるように鞍田との快楽に溺れてゆく。 色気のなかった唇に紅を差し、不倫関係に陥った塔子を読者はどう見るだろうか。きっと賛否両論だろうが、恋愛は誰かの賛同を得るためにするものでない。性に溺れながら、自分の感情に対して冷静になる塔子を見ていると、恋愛は突き詰めると、己の欲求を満たすための行為であることを実感する。 筆者は、目を背けていた自己の性欲に向き合うようになった塔子を、愛おしく感じてしまう。女は肩書に対して非常に敏感な生き物だ。例えば子どもを持つと「○○ちゃんママ」などのように呼び合い、自分の名を押し殺して母としての自分を生かす。その母の肩書を、社会的地位を保つための鎧と感じている女もいるように思う。けれど塔子は、その鎧を脱ぎ捨て、自分自身と真っ向から対峙し、苦しむことを選んだ。筆者はそこに、どこか逞しささえ感じてしまうのだ。 人は年を取ると、平穏な生活を望むものである。欲求を押し殺して凪のような日々に埋没する人々の中で、貪るようにセックスを楽しむ塔子を滑稽と取るか美しいと取るか。本作は読者に投げかけている。 (いしいのりえ) 次の記事 広海のインスタ登場で疑惑のジャニ > 『Red』 欲望に忠実な女はよくも悪くも人の目を引くもの しぃちゃん サイゾーウーマン【裏】掲示板へ 関連記事 “親からの愛情の欠乏”が女を風俗への道に進ませる? 風俗嬢の自叙伝に見る叫び『堕落男』が考えさせる、「男にとって“過去にセックスした女”とは何者なのか?」都会暮らしの匿名性が快楽を加速させる、“隣人”の欲情ドラマ『となりの果実』ラブホテルという非日常で育った女の“節目”を描いた『ホテルローヤル』2番目の男の体で初体験を実感する、10代処女喪失のリアリティ このカテゴリの最新記事を見る オンナの[裏]掲示板 新着コメント 皇室関係、小室さんってどうなのかな? >>433 皇族の姫には、同級生よりちょっと年上男性のほうがお似合いな感じするけどな〜 [30代以上]10代のころ、はやってたモノ[ポケベル、プロフィール帳、オサムグッズ] たまごっちを可愛くないと思いながら育てていました。 たまごっちのパクリみたいなワンちゃん育てゲーも同時進行してましたが、そっちの方が可愛いかったですwww KAT-TUN、活動再開シングルが初日9万枚スタート! 「亀と山P」下回るスタートに KAT-TUN、 このまま消えずに居てください❗ 亀たん、 抜けたら私は許しませんからね❗❗ “羽生アンチ”福田雄一、『今日から俺は!!』監督決定も「見ない」「不愉快」と冷ややかな声 ヨシヒコシリーズ結構見てたけど、やっちゃったね、って感じ、一般人じゃないんだから考えてコラム書かないとちょっと残念でしたね。「人間批判のコラムはやめた方が良いね」 フジテレビ、好き?嫌い? >>985不倫肯定する気はないけど、寂聴さんは全て認めてるじゃん。やったのに、やってないって言う奴とは違うよ。 それに寂聴さんを出すのは日テレだけじゃないでしょ。 トピック一覧を見る サイゾーウーマンのSNS 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。 @litera_webさんをフォロー 関連リンク 関連キーワード 妊娠イケメン不倫育児いしいのりえ 『Red』が描く、不倫愛に陥ったセックスレス妻――彼女に感じる“愛おしさ”の正体とは?のページです。サイゾーウーマンはジャニーズ(嵐、SMAP、TOKIO、KinKi Kids、V6、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUN、Hey!Say!JUMP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone)の最新ニュースのほか、ここでしか読めない裏芸能ゴシップなどをお届けします。女性誌レビューやコラム、インタビューなども充実! Red・官能小説レビュー・島本理生のニュースならサイゾーウーマンへ!