今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

平井堅がインド人を“装着”して「アタシは馬鹿で欲深」と歌わざるを得なかったワケ

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

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「ソレデモシタイ/おんなじさみしさ」/アリオラジャパン

◎リメンバー、徳永英明×貴乃花
 プロデューサーも新たに、刷新初の回となった『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)。結論から言うと、フジは最後の砦まで手放しちゃったんだなぁ、の感しきり。歌のうまい歌手たちの、歌を歌うということでしか表せない「業」というか、とにかく、腕に覚えありの歌手たちが、丁々発止競い合う、「歌の天下一武道会」ともいうべき祭典、それが『FNS歌謡祭』。だったのに。

 まず、長い。約5時間はどう考えても長いわ。必然的に、長引かせるだけ長引かせて、中身が薄くなった印象。せっかくのこの歌手になんでそんな歌を、というアガらない曲目も多かったし。ま、歌手と番組側の、ヒット曲と新曲のせめぎ合いはいつものことであるが、それにしても今回は、必要のないところで「なぜこんな曲?」という盛り上がりに欠けるチョイスが目立った。

 あと、人選もなぁ。メインどころではないとはいえ、今さら倉木麻衣やGLAYに新曲熱唱されても。TERUの歌う「ヤバイヤバイ、かなりマズイ♪」って曲、「いろんな意味で、お前がな」という、全お茶の間からのツッコミが聞こえてくるようであった。「歌を聞かせる」という意味でも、いつもは「この2人がこの曲を」という、『FNS歌謡祭』でしか見られない組み合わせでワクワクしたもんだが。今回は首をかしげたくなるケースが散見された。「谷村新司×槇原敬之」でいいのに、何でそこに「ウエンツ瑛士」を加えるか。大喜利か。当のウエンツが一番「何で俺が?」という顔して歌ってたのが印象的。罰ゲームみたい。『ベストヒット歌謡祭』(日本テレビ系)のMCやる時、宮根誠司にイジってもらうための前フリということなのだろうか。局またぎのネタなのか。

 観月ありさやとんねるず等、自分の都合やしがらみをとにかく優先し、視聴者の見たいものではなく、自分たちが見せたいものを上から目線で押し付ける。どんなに世間からソッポ向かれようが顰蹙を買おうが、今までのやり方を死んでも変えないフジテレビ。口パクも堂々解禁しちゃったしな。本当に、最後の砦だったのに。在りし日の『FNS歌謡祭』を偲んで、黙とう!

◎誰も傷つけないカムアウト
 インド映画のスターっぽいキャラクターに扮して新曲「ソレデモシタイ」を出した平井堅。不倫している女の悔しい思いのたけをぶちまけた内容。「アタシは馬鹿で欲深で強かな女」「チクショー!会いたい」「シャワーに打たれて叫ぶの」。いやー、歌詞の佇まいが、女通り越して、もう完全にオネエだよなぁ。女は一人称を「アタシ」って表現しないもの。

 生身のカッコで歌っちゃうと、いろんなことが露見しちゃうもんで、あの唐突なキャラクターを被せたんだろうけど。しかし、もうバレてもいいの、とばかりに不倫女に身をやつして歌う平井堅はとても解放感に溢れて幸せそうだ。皆で見てないフリして、このままガス抜きさせてやって欲しい。

◎ジャイアン気質の必要性
 「SMAPと嵐が並んだ!」なんつって、キャッキャやってたジャニーズメドレー。最後はみんなでマッチさんと一緒にマッチメドレー合唱だ。ジャニーズの「トップ」となった近藤真彦を見るたびに「どこでヒガシは躓いたんだろう?」と、上手の東山紀之の手からこぼれた水のことばかり考えていたが。

 まるでサブちゃんのようにみんなにチヤホヤされながら、わが世の春を堪能する近藤真彦を見て、何となく納得した。ヒガシは確かに、年上の人間に対する政治力には長けていた。しかし、年下の人間と、こんなシチュエーションでわきあいあいという厚顔なことは、性格上できなかったに違いない。

 それじゃダメなのだ。ジャニーズのトップとして君臨するには「自分のメドレーを後輩を従え歌う」てことを嬉々としてやれる神経の太さが必須なのだ。残念ながら、それはヒガシにはない。別にヒガシのファンてわけではないのだが。「本当に、あのヒガシがどうして?」という長年の疑問が氷解した気がして、皆さんと一緒に喜びを分かかち合いたかった次第。

 以上、『FNS歌謡祭』3本〆。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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