今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

羽生結弦の流血ステージ、世間が両手を上げて“たまらん”となってしまうワケ

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後世に残る、覚醒の瞬間VTR

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎もっとちょうだい
 ケガのアクシデントの後、フリー演技を滑りきった羽生結弦。「危険すぎる」という声もあったものの「とにかく気力はスゴい!」という声で統一されていたわけだが。起き上がって、自分の血を見てというあの一連のところで、何かこう、「劇場スイッチ」みたいなものが入ったのが見て取れた。あれはたまらんかったなぁ。

 ファンは無論ストレートに「キャー☆」でたまらんだろうし、頑張る選手を他意なく応援する善意の人々も、「素晴らしいチャンレンジ精神!」ということでたまらんだろうし、私のような単なる傍観者にとっても、「あらあら、スイッチ入っちゃってもう……」ということで、またたまらん。こう言っちゃナンだが、血の感じも唯一無二。アゴと額に、程よい量。あれ、もっとドクドク出てたらあんな余韻はなく、即運ばれてっただろうし、鼻からタラーンだったら、どんなに顔をキメたところで間が抜ける。倒れてしばらくして起き上がり、さんざんタメて、惹きつけて惹きつけて。で血を確認してからの~「キッ」。効いたな。タイミングも段取りも完璧。いいユヅル出た。これからもこういうの、どんどん出して。ファンも善意の人も他意の人も、みんなユヅルに釘付けだ。

◎予想外、でも想定内
 柴咲コウ・中田英寿、熱愛報道!! 何となく、「中山美穂&辻仁成」と「沢尻エリカ&高城剛」から抽出されていたエグみが、再構築された感が。そーかぁ。柴咲コウはこのテの感じが有効なタイプだったのかぁ。これが石原さとみだったりしたら、「目を覚ませ!」「相手は旅人だぞ!」と、みんなで肩を掴んでゆっさゆっさするところだが。柴崎コウはなぁ。もういいトシだし、今までもこれからも、何言っても聞かなそうだし。「女優でありアーティストでもあり」なんつうメンタリティが、何かいろいろ面倒臭そうだし。あれ? これって「お似合い」ってこと? 今まで偶然うまく回っていただけで、そもそも柴咲コウの中に「その気配」が内包されていたってこと? 「えー……」と思いながらも、「ま、そういうことなら、ねぇ。お幸せに」と、みんな意外とすんなり受け止めてるというのは、実は世間は薄々「その気配」を感知していたってこと? ……そういうことなら、ねぇ。お幸せに。

◎聖なる後継者
 『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)のファション企画。「あーこれカワイイ」「今年のトレンドのラインだよねー」と、キャッキャ言いながら服を漁る、そんなオンナギッシュな場所によく配置されている藤井恒久アナ。ベテラン。おっさん。その割には、落ち着きのない、「ひょうきん」という今どき希少なキャラクター。オネエのファッション評論家に「おブスです」と一刀両断された一般人を「いやいやー、十分ステキだと思いますけどねぇ」と、ものすごくベタにフォローしたり、売れ筋の服予想で、「ヒント教えてくださ~い☆」としなを作ってくるモデルに、本当に文字通り、鼻の下を物理的にのばすことで「お色気作戦にウハウハ」を表現してみせたり。年増タレントの恫喝にはわかりやすく怯え、お願いポーズのカットでは、白目を剥いたり、口元を歪ませたりと、これまた直球な変顔のバリエーションでおどけてみせる。おどけるって、今時のテレビでまず見ないからなぁ。

 うーん。本当に、髪型や佇まい等、何もかもが懐かしき昭和の「ひょうきん」。この感じ、何かに似てると思ったら、「欽ちゃんファミリー」の雰囲気にそっくりなのである。その昔、おどけるといえば、欽ちゃんファミリーの得意技だったもんである。今でも時々うっかり『噂の東京マガジン』(TBS系)で見かけるけど。斎藤清六、今どうしてるのかな。

 同じコーナーを入れ替わりで時々担当する、同じくおっさんの菅谷大介アナが、お色気作戦にも恫喝にも反応しない「しらけキャラ」という対極のキャラクターとして配置されているのも、これまた欽ちゃんファミリーぽい。よしもと新喜劇は何とか生き延びているが、欽劇は……。と思ったら、こんなマニアックなところでひっそりDNAが受け継がれていたとは。ま、藤井アナにも菅谷アナにも、欽劇を受け継いでるつもりは露ほどもないだろうが。当人が思うと思わざるとに関わらず、欽ちゃんの魂は死なず。大将もこれで一安心だ。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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