[官能小説レビュー]

『淫ら上司』に見る、スポーツクラブが男にも女にも“エロティック空間”なワケ

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『淫ら上司 スポーツクラブは汗まみれ』(実業之日本社)

■今回の官能作品
『淫ら上司 スポーツクラブは汗まみれ』(睦月影郎、実業之日本社)

 スポーツクラブという場所は、よくよく考えると、実にエロティックな空間である。老若男女が薄いウェアに身を包み、同じ空間で一心不乱に汗を流す。当然それは、健康的な風景だけれど、男女ともに相当貴重な場ではないだろうか。男性の髪が汗で乱れている落ちる様子、女性のファンデーションが様子……大人たちがそんな姿を異性に見せる機会なんてめったにない。温泉施設か、ベッドの中くらいではないだろうか。

 特にスポーツクラブのプールはエロティックさが格段に増すだろう。海水浴場やホテルのプールとは違い、皆スポーティな競泳水着を身につけている。見せるためではなく泳ぐために作られた水着。その姿に健康的とは裏腹な、“見せないエロさ”を感じる人も少なくないはずだ。

 今回ご紹介する『淫ら上司 スポーツクラブは汗まみれ』(実業之日本社)は、そんなスポーツクラブが舞台だ。昔からアダルトビデオなどで「エロいと思っちゃいけない場だけれど、やっぱりエロい」とされてきた禁断のシチュエーション、スポーツクラブでさまざまな女たちが性欲を開放する。

 主人公の慎司は、大手不動産会社の新入社員。系列のスポーツクラブに配属された慎司は、小柄で華奢という冴えない風貌で、運動も苦手な童貞ボーイである。そんな慎司が、スポーツクラブで知り合う女性たちと、次々にベッドを共にしてゆく。
 
 まず、“童貞食い”の巨乳主婦・麻衣子。彼女の自宅のフィットネス器具の様子を見に行くことになった慎司は、ひょんなことから麻衣子にリードされて童貞を喪失してしまう。次に、上司の冴子だ。真面目そうな眼鏡が特徴的な冴子は、彼を自宅に招き入れて「はじめての女になりたい」と、彼を抱いた。年上だけではない。慎司は年下の同僚・真希とも関係を持つ。DVDの接続ができなくて困っていた真希の部屋へ行き、そこから雪崩式にセックスへと持ち込み、彼女の処女を手にしたのだ。その後も次々と彼の前には女たちが現れて、身体を重ねてゆく。冴えない童貞だった彼は、スポーツクラブという場を介して見事に成長していった。

 筆者が通っているスポーツクラブにも、中年男性がプールサイドのチェアで長時間寝そべり、水着姿の女たちを眺めていたりする。本来であればタブーである、男が女をちらちら観察する行為だが、どこか「見られて当然」といった自信あふれる面持ちをする女性もいる。女が男を……という光景もよく見る。

 スポーツクラブとは、ストイックな精神を育み、体を鍛え抜いて、今とはまったく違う新たな自分を作り出す場である。だからなのか、異性からの視線を浴びることさえも、“トレーニングの一環”とみなしている人が一部いるように思う。慎司のように……とはいかないかもしれないが、女にとっても、男たちの視線を感じることで、女を磨ける場なのかもしれない。スポーツクラブとは、なんとも官能的で摩訶不思議な場所である。
(いしいのりえ)

でも「スポーツクラブの女はヤレる!」っつーことじゃないかんな!

しぃちゃん

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