[連載]マンガ・日本メイ作劇場第37回

イカ天を彷彿とさせる古くささに痺れる、アメリカ初の少女マンガ『Rock and Roll Love』

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『Rock and Roll Love』(Disney Book Group)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。

 日本に少女漫画が誕生して50年以上が経った。「オンナ子どもが読むもの」と蔑まれていた少女マンガだが、いまや日本を代表する文化の1つだ。特に近年、マンガ家志望の女子が増え、イラストの技量もストーリーの内容も、出版される作品の品質は飛躍的に上がった。

 一方でアメリカマンガ界といえば『スパイダーマン』や『バットマン』などのヒーローものアメコミが席巻しているイメージがいまだ強い。そこに日本に遅れること約50年、アメリカにも少女マンガが誕生した。作者は日本人のMisako Rocks!。アメリカ初の少女マンガということで、巷ではかなり話題になっている。

 そこで、2007年に発表された『Rock and Roll Love(ロックンロール・ラヴ)』という作品を読んでみた。あらすじはこうだ。ロックシンガーのレックスの大ファンで、彼のようなイケメンの彼氏が欲しいと切望する女子高生ミサコが、アメリカに留学することになり、その最中に水を得た魚のようにサカりまくってイケメンにフラフラするという話である。

 ミサコの留学生活をサポートするのは、同い年のナタリー。勉強からプライベートから、公私にわたり彼女を支えている。そしてまず最初にミサコが「レックスに似ている」とクラクラきたのが、クラスメートのクリスだ。「君のようなカワイコちゃんの世話なら喜んでするよ」などというやさぐれバンドマンである。

 そしてナタリーがミサコに紹介したのが、これまたレックス似のザック。ミサコには白人男子全員がレックス似に見えるらしい。そして彼もバンドマンである。長身で金髪碧眼のイケメンザックに惹かれるミサコ。それをナタリーに伝えると、ナタリーは「彼はプレイボーイよ、やめておきなさい!」と叫ぶ。っておいナタリーよ、そもそもザックを紹介したのはお前だろう。

 しかしどんどんザックに惹かれるミサコ。とうとう彼に告白するも「君はただの友達」と言われてしまう。「だったらどうしてあんな態度を取ったのよ! 私バカみたいじゃない!」とミサコはめちゃくちゃ八つ当たりする。もうこのあたりになると、主人公に共感しようという気持ちはまったくわかない。勘違いしたお前が恥ずかしいというだけで、ザックは全然悪くないではないか。その後、突然再登場したクリスにデートに誘われ、いいムードになったものの、キスされそうになったところで大いに拒絶し、ザックへの思いを再確認するミサコ。そしてミサコの誕生パーティーにやってきたザックがミサコのためにギターを弾き、両思いになっておしまい。当て馬クリスに対する容赦ない扱いは圧巻である。

進研ゼミのマンガを彷彿とさせるワ……

しぃちゃん

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