SMAP『Mr.S』はなぜ1996年を想起させるのかーー森脱退がグループに残した刻印

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クラブ・ミュージック的な発想が日本のポップスに流れ込んできた時代の象徴となったSMAP。

【リアルサウンドより】

 前回記事の最後に、SMAPの新作『Mr.S』は90年代的である、という印象を書いた。この印象は筆者にとって、妙に感慨深いものとして残っている。もちろん、「90年代」と言ってもさまざまな切り取りかたがあるので、ここで言う「90年代」も一側面に過ぎないことは強調しておくが、そのうえで「SMAPと90年代」について書きたい。(参考:SMAPの新作は“実力派ミュージシャンの戦場”? 川谷絵音(ゲス乙女)、SALUなどの起用曲を分析

 90年代と言えば、世界的にクラブ・ミュージックが台頭した時代だったと言えるが、それは日本のポップス・シーンも例外ではない。もっとも、日本のポップスにおけるクラブ・ミュージックの影響は、80年代を通じて色濃くなっていく印象があるのだが、とくに90年代は、打ち込みのサウンドも一般的になり、中盤になる頃には、ハウスやテクノ、ヒップホップのヒット曲も出てくる。例えば小室哲哉のような存在は、このような時代に強い存在感を示した。一方、クラブ・ミュージックの影響をもう少し違ったかたちで表現した存在として、ピチカート・ファイヴや小沢健二などといった、いわゆる渋谷系の面々もいた。クラブ・カルチャーと密接な関係を持った彼らは、先行する音楽を引用・変奏しながら新しい音楽を生み出していた。このように90年代とは、クラブ・ミュージック的な発想が日本のポップスに流れ込んできた時代だった。

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