今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

「ブログを始めた藤原紀香」、そのタイミングとタイトルが暗示する意味

2014/09/12 21:00
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“藤原紀香”に自家中毒状態のご本人

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎パブリックイメージとブレなし
 藤原紀香、ブログ開始!! いや意外。もうとっくにやっていたものだとばかり。

 結構、名の通った芸能人が、今までやっていなかったブログを急に始めるというのは、ヒマになったか、収入が減ったか、もしくはその両方である。『はなまるマーケット』(TBS系)が終わった途端、薬丸裕英が始めたのがわかりやすい例だ。本当の大物芸能人って、ブログなんかやらないものな。「高倉健オフィシャルブログ・不器用番外地」は永遠に開始されない。

 従って、「あえてブログをやらない」という選択肢も「大物」を装う上で「アリ」だったのである。しかし藤原紀香はブログを始めた。「待ってました」という空気より「大物を気取ってる場合じゃなくなってきたんだろうな」という逼迫感がぷんと匂う。「藁をも掴む」というレベルに陥った自覚はないんだろうけれど、「気付けば露出減ってない?」というぼんやりとした不安と、「もっとみんな私について知りたいはずなのに」という根拠なき恍惚と。芸能人って、生活なかなか変えられませんからね。

 未熟な政治的発言なんかも過去にあったりして、その辺は事務所もいろいろ釘を刺した上でのブログスタートなんだろうが。何かもっと根本的なところの問題発言で炎上しそうだな。だってタイトル「氣愛と喜愛で♪ノリノリノリカ☆NORIKA‘s sensation☆」だよ。紀香のいろんなメンタリティがダダ漏れの予感。しかし期待通りのダサいタイトル付けたもんだ。「藤原紀香のブログタイトル」という大喜利のお題の答えとしては満点であるが。これ考えたの、友近じゃないだろうな。

◎即、始動!
 草なぎ剛が出ている「島忠ホームズ」のCM。機動隊まで出る壮大な逮捕劇の中、こちらに気づいた犯人役の草なぎが、護送をほどいて何か言おうと口を動かす姿が、スローモーションで。「兄貴は、一緒にシマホに行けなくてゴメンな、と言いました」のナレーションがそれに被さる。何か面白そうなドラマの予感がして注目してたのだが。2作目で早くもガッカリ。草なぎがフツーにしゃべってる。舎弟役の若者もフツーに映っちゃってるし。一作目のドラマチックさが雲散霧消。うーん。これずっと草なぎの声は流さず、舎弟も姿は出さずにモノローグだけ重ねて作った方が、絶対よかったと思うんだが。どうでもいいが草なぎって、本当に極道が似合うなあ。それも、黙って背負って損をする昭和のタイプの。番外地シリーズを継ぐのは意外にも彼であったのか。あとは事務所の了承を待つだけか。I女史、意外に金脈かもよコレ。

◎ひとつの悟り
 父親が亡くなり、葬儀から間もないうち、実家の母親のところに雑誌社が取材に来たと言って「下衆の下衆やな!!」と激怒していた松ちゃん。まぁ正論かもしれないが。正論をそのまま言ってどうする。松ちゃんなのに。

 全盛期の著書で「笑いになるなら、オヤジが死んだらその死体で腹話術をしてもいいと思っている」と書いていた松ちゃん。別に本当に腹話術するとも思ってないし、しろとも思ってないんだけど。ただ、「下衆の下衆やな!!」ってそのまんまの直接話法で取材を責めるという今の姿に、往年のメンタリティは皆無である。それが哀しい。

 感じたその取材の下衆っぷりを、コントやトークなどに昇華させ、笑いに再構築して我々に提供してくれる。それが松ちゃんだったのに。っていつまで『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)引きずってるんだろ私。もう20年もたつというのに。死んだ子の歳を数えるように、往年の松ちゃんを追い求めるのはもうやめよう。あの人は、松ちゃんに見えるけど、よく似た違う人なのだ。しっかりしよう。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:31
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