【ジャニーズ・ワールド】

ジャニー喜多川に“少年ヤクザ”と評された、諸星和己が振り返る合宿所生活

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『くそ長~いプロフィール』(主婦と生活社)

これまでに書かれたジャニーズアイドルのタレント本をガイドブックとして、ジャニーズ事務所とジャニー喜多川氏の世界を探訪してみたい。今回のガイドブックは、諸星和己著『くそ長~いプロフィール』(2004年刊、主婦と生活社)。

 人気の瞬間最大風速だったら、光GENJIが歴代ジャニーズナンバーワンだという話はよく聞く。ホットパンツ的な半ズボンに上半身は裸、ハチマキ、ローラースケート、キラキラスマイル、トンチキソング……。パロディ的にもよく使われる、“ジャニーズ的なもの”の全てが詰まっていた。

 その中でもブッチギリの人気メンバーだったのが、かーくん、諸星和己だ。<ある日とつぜんおとぎの国の中へ放り込まれた一人の男のハチャメチャな物語として読んでほしい。ある意味、芸能界版ガリバー旅行記みたいなものである>という前置きから始まるのが、諸星和己の著書、『くそ長~いプロフィール』(主婦と生活社、2004年)。かーくんのイメージといえば、とにかく「やんちゃ」だろう。ジャニーさんは、そんなかーくんをこう評した。<少年ヤクザ>。短いがすごいインパクトを残すあたり、さすがジャニーさんだと唸らされる。当の本人は、こう呼ばれることについて

<「うん、いいんじゃないの。『少年忍者』に対抗して、少年ヤクザ。いい言葉だね」>。

 負けてない。本書には、そんなジャニーさんの愛すべき姿があちこち登場するため、ジャニー喜多川を知る1冊としても読めるのだ。

■散歩させてた犬は近藤真彦のペット

 さて、かーくんとジャニーさんの出会いは、かーくんが中学1年の夏。地元が静岡・富士市のかーくんは、家出をして原宿をブラブラしていたところ、<着ているスーツが上下ともやけにブカブカで、まるで宙づりにされたハンガーが歩いているよう>な、小さな茶色の犬を連れていた“宙づりハンガー”と出会う。それがジャニーさんだった。「興味があったら一度遊びにおいで」と、名刺をくれたそうだ。それだけなら、きっとかーくんがさぞ可愛かったんだろうな、で読み手の感想も終わるところだが、気になったのはそのジャニーさんの名刺についての描写だ。<横浜名物、崎陽軒のシウマイ弁当のフタみたいな薄い木の板に、文字が印刷してある変わった名刺だった>。木の名刺! ジャニーさん、紙じゃないんだな、さすがだ。と同時に、それを崎陽軒のフタにたとえる、かーくんの描写力もまたすごいと感心。

 そんなわけで、当時原宿にあった合宿所での生活が始まった。やっぱりというか、よくジャニーさんに怒られていたようだが、その描写が<ジーンズ地のロンドンブーツみたいなスリッパで思いっきり殴られたりしたこともあった>というから、むしろジーンズ地のロンドンブーツみたいなスリッパがどんな物か気になって仕方がない。また、少年ヤクザの名にふさわしく、合宿所からお金をくすねていたという告白からもジャニーさんの姿が垣間見える。

<いつもタンスの中に無造作にお金を入れていた。本人はいちおう隠しているつもりらしいが、俺からすればバレバレだ>

 ジャニーさん、結構無防備だ。しかし一方で、合宿所の家政婦さんが缶詰をこっそり持ち帰ってしまったことに気付き、「缶詰がなくなっている。缶詰がなくなっている」と大騒ぎしたりする。しかも、<ドリフがコントで着るような。縞々のパジャマ>を着たジャニーさんが<金がなくなったとき以上に騒ぐのである>。そう書かれると、どうしても事件以上にジャニーさんの姿が気になってしまうではないか。

 そんなかーくんは、ジャニーさんのことをこう評している。

<その時代、時代のガキたちに話を合わせられる><同じ高さの目線まで下りていってガキたちとしゃべることが自然にできることがすごいと思うのだ>

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しぃちゃん

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