角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第71回

保護者はやりがちだけど……保育園や保育士を「連絡帳」で評価するのは危険!

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田園調布雙葉中学のお姉さんたちが、毎年この時期に職業体験として来てくれます。娘と7歳しか違わないのに、びっくりするほどしっかりしたお姉さんたちで、娘の近い将来が心配になりました

 世の中、お盆休み中ですね。この時期は帰省や旅行で、「駒沢の森こども園」では預かり人数が普段の3分の1。忙しさはなく、子どもたちが「静かですね」と言っているくらいです。保育園では大掃除をしたり、普段リーダーシップを取らない先生にわざと「朝の会」の進行を任せてダメ出しをしたりして、スタッフの育成に充てています。

 今回のターゲットは3月に入社した男性保育士です。ピアノはいつもよりうまく弾けたけど、ピアノでいっぱいいっぱいになってしまったのか、子どもたちがまとまらない結果になってしまいました。普段であれば楽しく進んでいく時間も、「ヤダ」「つまんない」などの否定的な言葉を漏らす子どもたち。プールの前の準備運動さえ、だらだらモードです。

 ピアノに自信がなければ「今日は手拍子でやるよ!」と言って、子どもたちをまとめることを優先した方が子どもたちは楽しいし、先生のことが好きになります。保育士というのは、ピアノがうまいとかへたとか、制作が上手だとか表面的な部分ではなく、もっと本質的な部分が重要です。親からすると連絡帳を書くのがうまい先生がいい先生だと思いがちなので、保育園によっては、連絡帳に命を懸けているような園も存在します(園から保育士への指示で)。娘が以前通っていた園では、散歩のとき園児と遊ぶのはそこそこに、保育士は連絡帳を持って行って書いていました。それでは本末転倒ですよね。確かにまだしゃべれない年齢の子どもの親は、連絡帳でしか園の様子を把握できません。短文だと「手抜き」と思われるのも本音です。しかし、本当の手抜きは、子どもをまともに見ないで、連絡帳のことだけを考えている先生(園)です。

 話を戻しますが、普段は待ったなしで保育は進んでいくので、結果、できる先生がリーダーシップを取ってしまうのですが、スタッフを育てていかないとできる先生の負担が増えてしまいます。全員をできる先生にしておかないと、保育園の未来はないですよね。なので、お盆は育成に充てる貴重な時期でもあります。

■中学受験するために私立小を受験する子も多い

 小学生の娘はというと、絵日記の宿題に追われています。ほかの私立校の小学1年生をお預かりしているので宿題の内容を比べると、その子が絵日記6枚(絵と作文)に対し、娘の学校は絵日記20枚(絵20枚と原稿用紙での作文)。ちなみに公立小は「1行日記」です。その他、算数プリント20枚、漢字の書き取り、自由研究(任意)。入学してから宿題の多い学校だと知りました。同じ学校の共働きママは、「宿題が多いけど、洗足学園小学校(神奈川県の私立小学校)は毎日1時間の宿題だっていうから、まだマシよね」と言っていました。中学受験で成功するために、受験環境の整っている私立小に行く流れもあり、中学受験をする子が多い私立小はやっぱり勉強させるようです。娘はそのままエスカレーターで大学や大学院に進んでくれてもいいと思っていますが、娘の通う学校でさえ、1割くらいは中学受験して、より偏差値の高い学校に進学する子どもたちがいます。ステップアップのために私立小に通っているのです。

 確かに、麻布や開成、桜蔭、女子学院など、東大を受けるような子たちが通う学校は、中高一貫教育を行っています。慶應幼稚舎や慶應横浜、早実などの小学校に通っていれば、そのまま大学は早慶に入れて、すごろくの「上がり」でいいかもしれませんが、そうじゃない私立小学校に通っている親は、いろいろ考えてしまうのも事実です(慶應幼稚舎はまったく勉強をせず進級できない子たちがいるので、油断は禁物らしいですが、ここでは普通に勉強ができるのが前提で書いています)。

 角川家の方針は、「今日も学校楽しかった!」と言って、元気に家に帰ってくれればそれでヨシ。あんなに白熱したお受験はなんだったのだろうとたまに思い返します。白熱した理由の1つに、住んでいる地域性もあると思います。うちの園から車で15分圏内の田園調布や自由が丘、二子玉川はお教室が多く、お教室に通うために紺色の服を着た親子がたくさん目につくほど。受験人口がものすごく多い気がして、「対策をしないと入る小学校がない、どーしよう!」ってなるわけです(笑)。確かにお教室へ通わないで受かった子はいませんので、対策をして正解ではありますが……。

 お受験は非ペーパー入試の学校であってもテクニックが必要です。面接に対する慣れというか、初めて会うおじさんの前で元気に話して目をひくということは、普段からやっていないとなかなかできないからです。“先生”といえば優しくて若い幼稚園や保育園の先生しか知らない子どもは動揺します。動揺してしまうと、簡単な質問さえ答えられなくなりますからね。うちの保育園もお受験の子どもたちがいるので、情報に煽られず、無駄はなるべく省いて、子どもへの負担は最小限にとどめて合格してほしいです。子どもは遊ぶのが仕事ですから。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では6歳の愛娘の子育てに奮闘中。

子どもとの日常会話から、園の評価をつけるのがベター

しぃちゃん

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