南綾子インタビュー

「一生セックスなしでも3日泣くだけ」官能を描く作家・南綾子、その意外なコンプレックス

“セックス”をテーマの1つに小説を執筆している女性作家たち。彼女たちは男や恋愛、セックスに対して、人よりも強い思い入れ、時に疑問やわだかまりを抱えていることも。小説にして吐き出さずにはいられなかった、女性作家の思いを、過去の恋愛や作品の話とともに聞く。

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【第2回】
南綾子/『つばめくん』(『密やかな口づけ』より、幻冬舎文庫)
産婦人科の受付で働いている紗江は、長年不倫している長島の身勝手なセックスに飽きていた。そんな時、職場の待合室で見かけた、高校生ぐらいの少年のことが気になり始める。妊娠中の母の付き添いとしてやってきたその少年“燕君”に、紗江は図らずも惹かれていってしまうのだが――。

――南綾子さんは、「第4回女による女のためのR-18文学賞」で大賞を受賞されたことがデビューのきっかけでした。当時、この賞には「女性による女性のための官能小説」という応募制限がありましたが、そのテーマに興味を持つようになったきっかけはなんでしたか?

南綾子さん(以下、南) 「人と性欲」に興味がありました。性欲によって人生を狂わされることがあるというのが、ずっと面白いなと感じていたんです。例えば権力者が、性欲による一晩の過ちで、人生が転落してしまかもしれない。子どもを残すための必要欲求であるはずの性欲なのに、人を滅ぼすこともありうるというのが、10代の頃から不思議でした。

 あと私には、2つ下の弟がいるんですが、思春期を経て性欲全開になる瞬間を目の当たりにしたのも面白かったです。女の場合は、セックスに対して、性欲というよりも興味が先行して、性欲はもっと大人になってからついてくるものですが、男の場合は、先に欲にとらわれておかしくなるでしょう。衝動に翻弄される弟の様子を目の当たりにして、性欲に対して興味が湧きましたね。性欲でいえば、20歳くらいの処女、いわゆる「喪女」の性欲が気になって、そういうものをモチーフに短歌や小説を書いていました。

――『つばめくん』に登場する高校生くらいの少年・燕君もまた、性欲に翻弄されていました。

 無自覚な色気、というんでしょうか、自意識が出てくる前の少年の色気を書こうと思って、燕君を書きました。今の年齢になると20代の男の子と付き合うことは難しくなってきますから、手に入れられないものに対するあこがれは強くあります。

――そんな燕君の描写に、南さんの「男」というものへの愛を感じたんですが。

 それは初めて言われました! よく「どうしてこんなキモい男を?」とは言われますが(笑)。官能小説を書いている女性って、潔癖性のような感じで、男嫌いな方が結構多くて、だからこそフィクションでそれを昇華しているんですよね。私はもともとファンタジックなものが好きではないし、男と女の間に幻想を抱かないタイプなので、誰にでもある感情でないと書けない。私は多分、“普通”の視点で書いているんだと思います。

気乗りしないセックスの描写がナマナマしい!!

しぃちゃん

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