今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

7年越しに沢尻エリカに謝罪された中山秀征が失ってしまったモノ

2014/08/08 21:00
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この“仕事”には民衆も拍手喝采

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎小倉なら懲りない
 何の番宣もなしに、ただMCの片瀬莉那の親友だからという理由で、片瀬と楽そうに『シューイチ』(日本テレビ系)のロケコーナーに出ていた沢尻エリカ。メインMCの中山秀征に対しても「中山さん、その節は失礼致しました!」と何のてらいもなく明るく挨拶。対する中山は、いまだに「別に」で返していた。古い。「別に」の使い方としては、ロケ内での片瀬の方がよっぽど上手だった。
 
 中山と沢尻、因縁の2人がとうとう顔合わせ、というアオりの構図が見えたが、フタを開けてみればなんてことない。沢尻に対し「我こそ天敵」「伝説は全て俺から始まった」「エリカ様の話なら何でも聞いて」というメンタリティで常に喰い気味に構える中山と、中山のことなど謝罪する瞬間しか意識してないであろう沢尻の温度差が露わに。あんな感じで正面からキレイに謝られちゃったら。「沢尻の禊が済んだ」というよりは、「もう今後、沢尻の話題で中山は鼻息荒くシャシャり出ることができない」という意味合いの方が強く残った印象である。ロケ前は、カードは全て中山側にあったように見えたがな。千載一遇のワンチャンスを鼻息で潰したヒデ。これはこれでいい結果だ。もうシャシャり出てくるな。

◎芦田愛菜をアドバイザーに
 主演映画『ホットロード』の宣伝で、集中的にバラエティに出ている能年玲奈。『あまちゃん』(NHK)から1年。その間ほとんど何の情報もなかったことで、テレビの内も外も、彼女に対するコンセンサスは『あまちゃん』のみ。勢い話題も「あまちゃんの共演者とは連絡取ってる?」的なところに集中。なんか、きっかり1年後というのも手伝って、「そういや去年、すごいブームだったなぁ、あまちゃん」と、何か「過去」な感じがすごいのなんの。有村架純や福士蒼汰がバラエティに出てても、もう「あまちゃん」の話なんか出ないもんなぁきっと。巣立ちの差……。

 去夏は、能年を永遠に『あまちゃん』の結界の中に留めたいと腹の底から願ったもんだが。本当に結界の中にいた彼女をこうして目の当たりにすると、それはそれでツラいということがよーくわかった。勝手な話。21歳なのに、小学生の子役みたいな扱い方されてるしなぁ。「じぇじぇじぇ!」ってまだ促されると言ってたし。あと、去年は気にならなかった歯茎もちょっと……。あー。結局「これだ!」という正解を出せないまま、歳を重ねてしまうのか。あーーー。本当に、知っているなら誰か教えて、能年玲奈の未来についての、目の覚めるような正解を。もう同じことで悩みたくない。いっそ嫌いになれたらラクなのに。ホント勝手な話だ。

◎そこは林マヤ路線で
 何だか、いろんなプロセスをどんどん自分で省いて、勝手に「あがり」に辿り着こうとする、鬼の一念が見て取れる、ここ最近の江角マキコ。「フツーのママタレじゃイヤッ。やるならどこから見ても完璧な、皆から無条件で尊敬されるスーパーママタレじゃなきゃ!!」ってさぁ。てっぺん取ったる、その志も露わに、ブログも狙いすまして、ほのぼのエピソードあり、ママ友イジメ被害者経験ありの硬軟取り混ぜ数多めで。しかし、なんせ突貫工事なもんで「お前がイジメの張本人だろがい!」と反発が。一般人にここまで表明されるって、よっぽどっちゃあよっぽどである。

 レギュラー出演の『バイキング!』(フジテレビ系)でも、ゲストのギャル小学生に「お父さんは(そういうカッコをすることに対して)何て言ってるの?」と、「我こそ正論得たり!」のドヤ顔で質問し、「お父さんいないの」「私もお父さんいない……」と返答されて空気が凍るという、今時珍しい、釣りでない本当の放送事故が話題になったが。「あ、ゴメンゴメン、そういやウチもいない時あったわぁ」てな返しができる器ではないのはわかってる。わからないのは、最近の江角マキコ自身が思い描いている自己像だ。

 彼女は、自分がバツイチであることや、国民年金未納のまま啓蒙CMに出演していたこと、前夫が桐島ローランドであること等々、自分にとって苦い過去を完全に「なかった」と認識してないか? 自分を傷など1つもない良妻賢母のモデルタイプだと思ってないか? 世間からもそう思われていると思ってないか? その根拠は何? いや怖い怖い怖い。人の心の闇が一番怖い。

 バツイチの経験がある人間って、あそこまで鼻の穴膨らまして「お父さんは何て?」と聞かないと思うのである。何だろう、どうやってそこまで自己像を改竄できたんだろう。そこまでして、がむしゃらに目指しているものは何なのか。政治家か。でもローランド出馬しちゃったしな。あれさえなきゃ、私がやり遂げたのに。先出とけばよかった、チッ! か。そしていざ出馬する際には、「ローランド出馬(落選)」もキレイに忘れてるんだろうなぁ。一緒に出馬しないかなぁ。「私が東京オリンピックを成功させます!」って、もうイメージは「都知事」で固まってるんだけど。とすると、あと4年以内にいろいろか。そりゃイメージ作り急ごしらえだわ。ホントこれ、出るか。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:31
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