[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

伊藤比呂美×枝元なほみの「女は発酵モノが好き」で考えた、“女人生”の発酵の仕方

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(C)安彦麻理絵

 7月25日金曜夜。サイゾーウーマン担当編集のN江に誘われて、枝元なほみさんと伊藤比呂美さんのトークショー『ドゥマゴサロン 第11回文学カフェ』に行って来た。「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」が主催するトークショーということで、場所はBunkamuraにあるカフェレストラン・ドゥ マゴ パリ。来ていたお客さんはやはり、30~40代くらいの女性が大半、しかも、ものすごく真面目そうで知的な感じの方々が多く、間違ってもチンコマンコなんて言わなそうな女性ばかり。とはいえ、そんなふうに見えても、それでも彼女たちは「伊藤さんや枝元さんの熱烈なファン」なわけである。外見はチンコマンコ言わなそうでも、きっと、心の中では激しく、チンコマンコな業が渦巻いてるはず……と、私とN江はコソコソと語り合った。そして「ビール1杯の値段がすごく高そうな店だよな……」などと、普段どんなところで飲んでいるか、お里が知れそうな会話をしてるうちに、トークショーは始まった。

 料理研究家の枝元さんと詩人の伊藤さんは、かれこれ30年以上にもなる付き合いらしい(中公文庫の『なにたべた?』というお二人の往復書簡を集めた本を読むと、その濃厚さが伺える)。今回のトークショーのテーマはズバリ「食べて、食べて、悩んで、しゃべって、生きてきた」……ってもう、「発酵臭振りまいてる女が大好き!!」な私には、たまらないタイトルである。檀ふみ&阿川佐和子、冨士眞奈美・吉行和子・岸田今日子トリオなどの、日本を代表する「女友達」枠に、枝元さんと伊藤さんも、当然入ってておかしくない女友達っぷりだ。

 お2人のトークを聞いてて思ったのだが、伊藤さんはまるで「シュワッとスカッと炭酸水!!」みたいなのに対して、枝元さんは「トロ~リ甘~いカスタードクリーム」みたいだなぁって思った。本当に対照的。伊藤さんは「石橋は叩いて渡る、じゃなくて、突っ走って渡る!!」タイプらしいが、枝元さんは「石橋、渡ったはいいけどでも、それから先どーしていいかわかんないのよ~」ってなっちゃうタイプらしい。「石橋の渡り方」が違う方が、お互いをいつまでも面白がれるのかなぁと思った。考えてみれば、女の人って結構、同じような石橋の渡り方をする人とつるみがちだったりする。でも「いい具合に発酵した女」になりたいんなら、色んな「渡り方」する人と接触を持った方がいいのかもしれない。

 枝元さんは最近『禁断のレシピ』(NHK出版)という、最近の自然派ヘルシー志向に殴り込みでもかけてるかのような本を出している。なにしろ、その本に載ってる料理の総カロリー数が「10万キロカロリー以上」ときた。これらのレシピは、雑誌「きょうの料理」(同)で連載されてたものなのだが、当初から私は「なんだかすごいことやってる」と、恐れおののいていた。けれどその反面、毎回、カロリー数が「1500!!」とか「3000!!」とか、とんでもないことになってる料理を見るのが痛快でたまらなかった。

 トークショーの中で「ダイエット」が話題になった時、枝元さんが「3・11以降、みんな、あれ食べちゃダメこれ食べちゃダメってすごく厳しくなって、すごく生きづらくなってるはず」「それで、女の人は世間から刷り込まれた、理想の美容イメージに振り回されててすごくキツいはず」と言ってたのが印象深かった。そして、そんなふうに色々語り合って、手を叩いて爆笑しあう時の、枝元さんと伊藤さんの二の腕がぶるんぶるんいうのを見て、私は、「ああ、あそこに『包容力』ってやつが入ってるんだな」と思った。男の包容力は、「ムキッ」とした二の腕の筋肉に宿ってそうなイメージがある。けれど女の場合は、「ムキッ」じゃなくて「ぶるんぶるん」に宿ってそうな気がする。

 そして私自身も。見事に二の腕にぶるんぶるんと、20代の頃よりも、いっぱしの包容力が備わり、お二人のぶるんぶるんを見てから、私は自分のソレが結構好きになった。伊藤さんがトークショーの中で、何度か口にしてたフレーズ、「あたしはあたしでいい」っていう、あの言葉。あれはきっと、あのとき来ていたお客さんみんなが、すごくナマで聞きたかったセリフなはずだ。

女友達との会話の快楽たるや!

しぃちゃん

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