『美少女展』インタビュー

なぜ美少女はもてはやされるのか? “現代の欲望投影装置”としての美少女の魅力と怖さ

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 青森県立美術館で開催中の『美少女の美術史 少女について考えるための16の事柄』。現在、アニメ、アイドル、フィギュアと、あらゆる分野で“美少女”がもてはやされている現在、そのルーツや意味を探ろうという展示が行われている。20世紀初頭に生まれた「美少女文化」を江戸時代から振り返り、浮世絵、美人画、叙情画、そしてマンガやアニメといったキャラクター文化までを一堂に紹介。今まで「マンガのみ」「浮世絵のみ」といった分野別の展覧会は数多くあったものの、文化としてまだまだ軽視されがちなマンガやアニメといったキャラクター文化と、浮世絵や近代日本画といった正統派絵画を「美少女」という切り口でまとめた、企画力が冴える展覧会だ。

 今回は、企画をまとめたキュレーター集団「トリメガ研究所」の工藤健志氏と少女マンガ研究家・和久井香菜子氏との対談により、「美少女展」を開催した経緯や、人々がなぜ「美少女」に魅せられるのか、少女とは何なのかを探った。

トリメガ研究所
壱号こと川西由里(島根県立石見美術館)、弐号こと工藤健志(青森県立美術館)、参号こと村上敬(静岡県立美術館)の3名による視覚文化研究チーム。3人ともメガネをかけていてメガネっ子が好きだったのでトリプルメガネで「トリメガ」研究所と命名。異なる美術館のキュレーター同士がこうしてサブカル風味を出しつつチームを組むのは日本では非常に珍しい。

和久井香菜子
少女マンガ研究家。著書に『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)などがある。サイゾーウーマンで「マンガ・日本メイ作劇場」を連載中。

和久井香菜子氏(以下、和久井) まずはこの『美少女の美術史』を企画した経緯についてお話しいただけますか?

工藤健志氏(以下、工藤) 2010年に『ロボットと美術 機械×身体のビジュアルイメージ』という「ロボット」をモチーフにした企画展を行ったのですが、次は現代(オタク)文化の双璧である「美少女」を取り上げよう、と皆で話していたんです。

和久井 ロボットと美少女。どちらも“性”を感じさせないという点で「無機質」で、「中性的」ですね。

工藤 ロボットも少女もどちらも身体性に関わるモチーフですし、その概念が生まれた年代も近いですよね。ロボットが生まれたのは、1920年に発表されたチェコスロバキアの作家、カレル・チャペックの戯曲『R.U.R.』が始まりです。それから100年もたたないうちにロボットは爆発的に発展して文化に溶け込みました。少女という言葉自体は江戸時代にも用いられていましたが、その概念が社会に定着したのも、ロボットと同じ100年ほど前の明治時代。良妻賢母の予備軍として、純粋・従順・無垢な女性像が求められるようになり、その象徴として「少女」という概念が生まれました。

あたちも女の欲望を投影された少女なの

しぃちゃん

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