イケメンドラマ特捜部【ジャニーズ&イケメン俳優】

『若者たち2014』に見る、文脈やキャラクターで演じない俳優・妻夫木聡の職人性

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『若者たち2014』(フジテレビ系)公式サイト

 『若者たち2014』(フジテレビ系)は下町で暮らす親のいない兄妹の物語だ。1966年に放送された『若者たち』(同)のリメイクで、『北の国から』(同)シリーズで知られる杉田成道がチーフ演出を務めている。

 妻夫木聡、瑛太、満島ひかり、柄本佑、野村周平の5人が兄弟を演じ、吉岡秀隆、蒼井優、長澤まさみ、橋本愛が脇を固めるという出演陣の豪華さが放送前から注目されていたが、杉田が演出を務めた第1話は、多くの視聴者を唖然とさせた。

 舞台は、昭和の下町を思わせる古い民家。長男の旭(妻夫木聡)を中心に、兄弟たちが交わす会話はやたらと饒舌で説教臭い。物語も時代錯誤で妊娠、不倫、人情、喧嘩のオンパレード。第1話の最後は、旭がレスラーとプロレスの試合を繰り広げるという謎の展開で、とにかく暑苦しくて鬱陶しい印象ばかりが残った。残念ながら、杉田の演出は空回りしているとしか言いようがなく、もう見なくてもいいかと思った。しかし、刑務所から出所した次男の暁(瑛太)の場面だけは、トーンの違う醒めた演出となっていたため、暁が物語に加わることで現代的な話になっていくのではないかと思い、せめて第2話までは見届けようと思った。

■昭和的な世界と現代の不調和
 予感は的中した。第2話は、暁が証券詐欺で3,000万円を騙し取ったことがきっかけで亡くなった、屋代昌江(根岸季依)をめぐる物語だった。昌江の家族の元に謝罪へ向かった旭は、昌江が残したビデオカメラに記録された映像を見る。そこには暁と昌江が、親子のように過ごした日々の記録と、死の間際の昌江の告白が映っていた。昌江は暁が詐欺師だと知っていた、騙し取られる振りをしてお金を渡したのだと告白し、暁を許すと言って死んでいったのだ。

 この映像は、暁がビデオカメラを持って撮影したもので、そこに表れる昌江との親子のような交流は、嘘だとわかっていても心が揺るがされる。こういった振り込め詐欺のような嘘の関係の中にしか、『若者たち』で描かれるような、古き良き昭和の世界と若者は存在しないのだ。と、語っているかのようだった。

 そして、第3話では佐藤家の父の死因が明かされる。旭は父の死因を、山道の舗装工事中に起こった不慮の事故だと兄弟に語っていたが、実は経費削減のために災害対策を怠っていた会社に問題があったのだ。旭は、弟妹を養うために、社長の責任を追求しないことを条件に正社員として会社に入社する。暁も同社に入社するが、偶然に社長が話しているのを聞いてしまい、会社を辞め家も出たのだった。暁は旭の口利きによって再び会社で働くことになるが、社長が暁のことを「犯罪者」と呼んだことが引き金となり、旭は社長を殴ってしまい、会社をクビになってしまう。

 つまり、ドラマが進むごとに少しずつ佐藤家を取り巻く昭和的な共同体の欺瞞が明らかになってきているのだ。それにともない、演出のトーンも少しずつ抑制され、現代的なものに変わりつつある。普通、ドラマの演出は、チーフ演出が初回を担当し、そこで作られた世界観を他演出家がなぞるようにして統一感を作っていくのがセオリーだ。しかし、本作は1話で杉田が起こした大惨事を、第2話の中江功、第3話の並木道子というセカンド、サードの演出家が軌道修正しながら、なんとか進んでいるように見える。各話の演出のトーンが毎回バラバラのため、次の話がどうなるのかわからないという謎の緊張感が存在する。

邦衛の完コピ俳優って需要見えなすぎでしょ!

しぃちゃん

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