大久保ニューの【美のぬか床】 第14回

「ノーメイクでどれだけ男を食えるか」34年間スッピンの女が、化粧を始めた意外なワケ

美しくなりたい――世の女たちの狂おしい思いを、「44歳、ゲイ、汚部屋に一人暮らし」の漫画家・大久保ニューが担ぎ込む! 古今東西あらゆる美容法に食らいつき、美を追い求める女の情念まで引きずり出す――

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(C)大久保ニュー

 当コラムは通常、美容好きな婦女子に向けて書かれている。「もっとキレイになりたいな☆」という素直な娘さんから、「この顔をどうにかしたい!」というコンプレックス強火な女子、そして「私よりキレイな女には毒を盛ってやる!」という怨念魔女まで、全ての婦女子に楽しげな美容情報をお届けしたいと願っている。しかし、世の中は広い。「美容に興味のない女」という野武士のような女が存在する。そう簡単に「女」というだけで、ひとくくりにはできないものね…… というワケで、今回は番外編。30過ぎまでノーメイクで生きてきた女性にインタビューをしてみました。

 とは言え、その女性は私の十年来の友人である。その名も「センパイ」。映像系の仕事をする34歳、バツイチである。元々は、センパイのブログが、女の魂をえぐるような名文だらけで、サイ女編集部に紹介したのだが、センパイが「34歳にして、化粧をはじめ、スカートをはき始めた」ということに担当編集のJ 子が衝撃を受け、今回の取材が実現した。美容知らず(センパイ)と美容ジャンキー(J子)と中年ゲイ(私)の異文化美容対談。「百羽分の鶏で出汁を取った水炊き」にヒアルロン酸ゼリーをぶち込んだ美容鍋をつまみつつスタート☆

■スッピンをめぐる「呪いの言葉」

 「あの……『モテたい』とかって思ったことはないんですか?」と、J子が口火を切った。化粧といえば「思春期に色気づいて始める」というのが一般的だろ う。J子の場合だと「ニキビがひどくって、『こんなじゃ男ができない!』」と化粧を始めたらしい。それに対してセンパイは「中学校で男子から告白されたことがあったので、そんな心配はしなかったんですよね」とのこと。地元の福島県で、特に化粧をする気も起きないまま中学時代を過ごし、女子高へ進学。部活(ブラスバンド)に邁進し、高校時代も化粧の必然性を感じないまま、大学進学のために上京。そして「スッピンなのが良い」という運命の言葉をつきあったカレシから言われる。ああっ! すごく羨ましいけれど、それって呪いの言葉でもあるよね。

 よく「美人は顔が古くなる」と言われている。「自分がいちばんイケていた頃の化粧法のままだから」という理由だが、「ホメられた記憶」というのは、根深く残ってしまうものである。J子は逆に「小学生の頃、男子から『ブス』って言われたトラウマがあって、絶対にキレイになりたくって!」と叫んでいたが、同じようなものかもしれない。「他者からの評価」というのは、影響力が大きく、根深いものだ。

 しかし、センパイのスッピンの理由は、それだけではなかった。「ノーメイクで、どれだけ男を食えるのか知りたかったというか……ありのままの自分で、どこまでゆけるか挑戦したかったんです」って、それはずいぶんと強気! 『アナと雪の女王』の「♪ありのままの姿見せるのよ」を先取ってたね☆ 確かに出会ってから十年以上、センパイは男を切らしていない印象だ。「私、出かける前に2時間は化粧してるのに……」と、J子の声が震えている。さもありなん……ってあれ? 「じゃあ最近、化粧を始めたのは何で?」とセンパイに聞いてみると、「『ありのまま』って、いいことじゃないかもって思えてききたんです」って、アナ雪否定!?

雪の女王に、使ってるアイメイククレンジングを聞きたい

しぃちゃん

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