今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

まったく新しいダイエット法を想起させる、「ライザップ」CMの破壊力

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ライザップ公式サイトより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎都市伝説化するプライベートジム
 「ブンッブン! ブンッブン! パーパッパララ、パッパッパー、パーパッパララ、パッパッパー!」という音楽に乗せて、あまりにも劇的な一般人のビフォアアフター姿が映し出されるプライベートジム「ライザップ」のCM。うーむ。「ライザップ」って、ホント都市伝説みたいになってきたな。2カ月でどうやったらあのカラダがあのカラダに。で、また痩せてビルドアップした人たちがみんな、ビフォアの面影すらないってとこが。人格まで変わってないか。このリアリティのなさが、都市伝説っぷりに拍車をかける。

 たるんだ腹をつまみながら「いつか何とかしなきゃ」と言いつつ、ワールドカップを見ながら夜更かし、ついでにダラダラ夜食を食ってしまうこの時期に、あのCMは効果あると思う。何よりあの曲が秀逸だ。小腹が空いて冷蔵庫をあさる時、「ブンッブン!」というあの「ビフォアの曲」が耳に響いてくる気が。それで「太るから我慢!」と閉めると「パーッパララ、パッパッパー!」という「アフターの音」が聞こえてくる気がするのである。あの音、何かわからんがすごい達成感あるよな。開けた時に「ビフォアの音」、何も取らずに閉めた時に「アフターの音」がそれぞれ鳴る、冷蔵庫に取り付けられるセンサーを作ったら、そこそこ売れる気がするんだが。それでも痩せなきゃ、ライザップがあるさ。

◎夏木マリがカッコいい理由
 ボブ系ショートカットのもみあげ付近をカリアゲにし、眉は剃り落す。……そんな夏木マリが出ているイオンのお中元のCM。本来なら「スーパーのお中元」というコンサバな広告には起用されないような「攻め」の容貌の夏木マリ。キツく攻めれば攻めるほど「カッコいい」という方向に流れていくという特殊なベクトルが成立している。

 どうしても歳のいった女優は、見る度目元だの口元だの首元だのが目立って「うわぁ、老けたなぁ」となりがちだが、攻めの容貌をすることで、そうしたマイナス要素に目眩しをかけ、なおかつ「カッコいい」という方向へ持って行くことに成功している夏木マリ。

 しかし、こうした「カッコいい」は、どんどん更新しなければ鮮度を保てない。そして更新のたび前より少し過激にせざるをえない。普通のボブをやったら次は「もみあげ付近を刈り上げ」。その次の手は「眉を剃り落とす」。カッコいいカッコいいの上書きで、辿り着いたのが今の状態。確かに似合っている。しかし……。夏木マリを見た時、誰しも心の中に抱く一瞬の躊躇を、「カッコいい」という表現に逃げ込むことで、人は心の安寧を得ているのではないか。

 もはやベクトルがドラァグクイーン寄りにさえ見える夏木マリ。どこまで行くのか。いや、どこへ行くのか。最終的には美輪明宏か。「女版・美輪明宏」か。よくわからんが、きっととてつもなくカッコいいことだけは間違いない。ああ安寧。

◎祭りの後のドタバタ
 日本代表が敗退した途端、お通夜のようになったサッカーワールドカップ報道。現地との中継が、ちょっとあからさまなくらいお粗末に。画像がザラザラになったり、タイムラグがひどかったり、ヘタすると電話のみってところも。撤収~。

 そんな中、対コロンビア戦翌日の『ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)はすごかった。日本敗退以外にも、池袋脱法ハーブ暴走事件とか、ヒョウが積もったとか、いくらでも報道すべき話題がある日だったのに、桂歌丸に密着してやんの。ま、一応全部報道した上での歌丸だったけど。どうにもこうにもネタがない日に回す企画だろうに。『ワイド!スクランブル』か。4月に改編してから、独走してるよなぁ。テレ東の「独自路線」みたいなものともちょっと違う、「迷走」に近い形。人は凍死する寸前、錯乱状態になって走り出しちゃったりするというが。『ワイド!スクランブル』を見ていると、映画『八甲田山』のワンシーンを思い出す。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

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