[女性誌速攻レビュー]「DRESS」7月号

若い女性の専業主婦願望を嘆く「DRESS」、一方で男ウケファッションに血眼の矛盾

2014/06/04 21:00

■姿を現した「DRESSな女」像

 「甘粕りりこの『生涯嫁入り前』」では、現代の若い女性たちの専業主婦願望が高いことを嘆いています。アラフォー・アラフィフは、男女雇用均等法前後に社会に出て、セクハラと闘いながら、女の社会の地位を築いてきた世代。なのに、今の若い女性たちが専業主婦になりたいなんて、時代を逆行しているとしか思えないと訴えているのです。そしてその原因は、あくせく働く私たちの姿がかっこ悪かったからなの? と。

 まさにそれは、アラフォーである筆者も思っていたことでした。当たり前に仕事ができる環境ができてきたと思ったら、若い子たちは「働きたくない」だなんて……ガックリです。最近では、高給取りの夫を捕まえて、自分はお小遣い程度を稼げる、中身がキレイで名前のかっこいい仕事をたしなむのが「勝ち組」なんだとか。でも、髪を振り乱して、目の下にクマを作ってなりふり構わず夢中になることってかっこいいじゃない、と甘粕さんは言っています。

 これを読んで、編集部が喧伝しながらも、その実態が見えてこなかった「DRESSな女」とは、こういう「なりふり構わず頑張ってきた女性」を言うんじゃないのかな、と筆者は思いました。「今月の女ジャーナル」にも書いてありましたが、女性の社会進出黎明期、女が戦力になるなんて誰も思っていなかった時代には、男以上になりふり構わず夜も寝ずに仕事をしなければ、男の上には立てなかったわけです。そして浜田編集長は、男性中心に世の中が回る男社会的意識は、いまだにあるのだと結んでおり、まだまだ働く女の戦いは続いていることがわかります。

 と、そんなことを思っていたところに目がついたのが、「DRESSおしゃメン部」という企画。おしゃれな男性たちを募集して、「おしゃメン部」というのを作るそうです。今月号では、「僕らも大好き! おしゃれな女性」という緊急座談会が掲載されており、おしゃれな4人の男性が、女性のファッションについてあれこれ述べています。やれ白シャツやストッキングは安っぽいのはダメ、やれ生足もダメとか。座談会に続いては、「僕たちが素敵だと思う女性はこの人です」という、彼らの思い描く素敵アラフォー女性を紹介して、解説までしています。が、一言で言えば「うるせえな」という感想しか抱けず。なぜそう感じてしまったのか? その理由は、西川史子さんのコラムに潜んでいました。

『DRESS(ドレス)2014年 07月号 [雑誌]』
女は誰かに選ばれることから一生解放されない?
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