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“伝説のジャニーズ”大沢樹生×諸星和己、解散20年のブランクを埋めた2人の物語とは








 光GENJI――1980年代後半から90年代に一世を風靡した伝説のアイドルグループ。解散からおよそ20年がたった今、グループの中でも抜群の人気を誇った諸星和己を主演に迎え、ドラマ『テキ屋の信ちゃん』(TBS系)などで早くから俳優としての才覚を発揮していた大沢樹生が初監督を務めた映画『鷲と鷹』が公開される。諸星が演じるのは新米刑事・鷹村。監督の大沢も、かつて鷹村と思春期をともに過ごしたヤクザの若頭・鷲尾として登場する。

大沢「男同士の友情、警察とヤクザの癒着、そして薬物撲滅のメッセージ……監督一作目はブレずに筋の通った作品を撮りたかった」

 近年の大沢はさまざまな作品にプロデュース等で関わるなど、精力的に活動してきた。それらの作品を、諸星はどう見ていたのか。

諸星「いや、僕はまったく見てないです。もともと映画は飛行機の中でちょっと見るぐらい。どれもつまんねえなって。そもそもここ10年以上、日本にはほとんどいませんでしたから。今回の話が決まったあとも、別にヤクザ映画を見たりはしてないですよ。見たことで『こういう感じなんだ』っていう固定観念がつくのが嫌だから」

 一方、オファーをした立場である大沢の目には、海外で活躍する諸星の姿は映っていたのだろうか。

大沢「バラエティに出演しているのを、たまたまつけたテレビで見ることはありましたけど、さすがにコンサートへ行ったりはしてないですよ。僕や諸星さんに限らず、解散した後はメンバーの情報を積極的に得ようとは思わないですから」

 言うまでもなく、2人の間には、ここでは語り尽くせないほどの濃密な時間が流れている。

大沢「それでも自分で映画を撮ろうと思った時に、どうしても諸星和己という存在感がほしかったんです。企画と構想の段階で思い浮かべたのは、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが共演した『ヒート』という映画。今回脚本をお願いした室賀厚さんにも『あの男同士の関係性を描きたいんです。映画の中で2人の男が同じ存在感を放っている、そういう作品にしたいです』と伝えしました。そこまでイメージが固まって、あとはもう諸星さんにオファーをするだけなのですが、なにせ20年も空白の時間があるわけですよ。まずは事務所の連絡先を調べるところから始めて、普通に『大沢樹生と申します。このたび諸星さんにご出演していただきたい映画があるのですが……』って電話しました」

 そんな突然の大沢からの打診に、迷いや戸惑いはなかったのか。

諸星「20年間、一言も口をきいていない状態でオファーをしてくるってことは、相当の覚悟でしょう。断る理由はないですよ。彼が僕に何を望み、僕がどう応えるべきか、答えは最初からそこにありましたね」

 そんな諸星が演じる“鷹村”は、正義感が強く、真っ直ぐすぎる性格ゆえ、要領の悪い新米刑事だ。

大沢「キャラクターの細かい部分は諸星さんにお任せで作り上げていただきました」
諸星「別に難しい役っていうわけではなかったですけど、人の言葉を信用しすぎたり、頑張りすぎてそれが裏目に出たり、そういう鷹村のキャラクターがあまりに自分とは正反対だったので、そこは多少苦労しましたね。僕は何でも器用にこなしちゃうタイプですから」

 たしかに諸星和己に不器用なイメージはない。そこで思わず「しかも刑事の役っていうのが意外でした」と口にすると、すかさず「そんな不真面目に見えますか?」と切り返された。この反射神経こそ、諸星和己である。

大沢「でも実際、企画段階では諸星さんがヤクザというのも考えていたんですよ。ただ茶髪のヤクザはいないよなぁ……とか思いつつ、かといって黒く染めてくれるとも思えないし。結果、諸星さんにしか演じられない最高の刑事になりましたけどね」
 
 作品の出来には自信があるとはいえ、光GENJIの解散後、不仲説すらウワサされた2人の共演だけに、世間ではどうしても評価の前に話題性が先行してしまう。

大沢「それは仕方ないですね。制作発表の時も、ちょうど僕自身のプライベートにおける別の件が重なったこともあり、売名だとか散々言われましたから」

諸星「映画の見方なんていろいろあっていいんですよ。かつての僕らを知っている方が、この作品を見て当時の気持ちを思い出してくれても全然いい。グループが解散して20年近くたっているのに、いまだにローラースケートのイメージを重ねている人もたくさんいるしね。それはもうしょうがない。そんなことよりも、僕ら2人が手を組んでこの映画を作ったことに意義はある。お客さんはそれを見てどう思ったのか、その気持ちを大切にしてほしい。いま考えても、よくこの企画をやろうと思ったなって感じですからね。ボロクソ言われることにはもう慣れてるし、もし映画通の方が見て内容を気に入らなかったら、どんどんダメ出ししてほしいですよ」

大沢「アイドルとしてデビューしたからには、この先もきっと『アイドルのくせに』と言う人はいるでしょう。でも例えば(北野)武さんのことを『芸人のくせに』って言う人は、今もうあんまりいませんよね。だから僕も作品を世に出し続けながら、年齢的にも評価的にもそうなってくるのを待つしかないなって思います」
(構成/おぐらりゅうじ、写真/有高唯之)

大沢樹生(おおさわ・みきお)
1969年、東京都生まれ。1987年~94年まで光GENJIのメンバーとして活動し、ジャニーズ事務所を退社。俳優に転じる。ドラマ、映画などで存在感を発揮している。

諸星和己(もろほし・かずみ)
1970年、静岡県生まれ。95年の解散まで光GENJIのフロントマンとして活躍したのち、事務所を退社してソロ活動へ。近年は生活の拠点をアメリカに移し、舞台やライブ活動を行っている。

『鷲と鷹』
警察官と極道という、正反対の道を歩む幼馴染の鷹村和也と鷲尾誠司。鷹村は麻薬取締法違反の現行犯逮捕で念願の刑事に昇進する。それは、彼の願いをかなえるべく鷲尾が仕組んだことだった。やがて鷲尾の所属する組織が抗争に入り、2人の運命も翻弄されてゆく。
監督/大澤樹生 脚本/室賀厚 出演/諸星和己、大沢樹生、田中律子ほか 企画・宣伝/オールインエンタテインメント 配給/ユナイテッドエンタテインメント 新宿ミラノほか公開中
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