[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」5月22日号

「いい妻・母・嫁」願望を叫び飛ばせ、と真面目に語る「婦人公論」

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「婦人公論」5月22日号(中央公論新社)

 「虐待防止のために子守唄を今に生かしていったらどうだろうか」。「婦人公論」(中央公論新社)の連載「時代を創る女たち」に登場するのは、NPO法人日本子守唄協会理事長の西舘好子氏。「自分に正直に生きたい」と元夫で作家の故井上ひさし氏の元から離れた当時は、自らの不倫が世に知られたこともあり「稀代の悪女」と呼ばれていたそう。紆余曲折の人生の中で子守唄と出会い「この歌が消えたら親子の絆も人間の縁も切れてしまうのではないか」と、その保存と推奨に力を入れているのだそう。西舘氏といえば、以前ネットのインタビューで「(最近の母親に)女性の劣化を感じる」「ベビーカーではなくおんぶ紐を使うべき」などと発言し、賛否両論を巻き起こしたのも記憶に新しいところ。

 一方、西舘氏の数ページ後にルポ「ベビーシッター事件、それでも預け先を求めてネットを彷徨う母親たち」があります。母親がマッチングサイトで見つけたシッターに男の子を預け、その子がマンションで死亡して発見された事件。ジャーナリストの猪熊弘子氏がその現状を取材するとともに、「預かる側も預ける側も貧困の問題を抱え、その間に子どもたちがいる」と分析しています。今日明日を生きることに精一杯の親たちに必要なのは「子守唄」なのか、はたして……。

<トピックス>
◎ルポ「時代を創る女たち」西舘好子
◎ルポ ベビーシッター事件、それでも預け先を求めてネットを彷徨う母親たち
◎特集 「いい妻」「いい母」「いい嫁」を休んで、心を前向きに

■良き○○願望に横たわる「自己満足」

 今号の「婦人公論」、特集は「『いい妻』『いい母』『いい嫁』を休んで、心を前向きに」です。いくつもの役割を演じ分けながら生きている女性たちに、「婦人公論」が提案する「上手な息抜き」。リードには「どんなときも家族のことが最優先で、自分のことは後回し。それなのに感謝されるどころか、うっとうしく思われることもしばしば……。まじめで頑張り屋な人ほど、知らず知らずのうちに“主婦はこうあるべき”という型にはめているのかもしれません」とあります。

 家族のために、いい妻、いい母、いい嫁でありたい。それは本当に「家族のため」なのか。「愛情」と称して自分のエゴをぶつけてはいないか。この特集の裏テーマは、そこにありそうです。そのことをやんわりと知らせ、やんわりと諭しているのが、作家・山本文緒氏のインタビュー「“家庭の中の太陽”を目指すのは、大きな野望すぎる」。山本氏自身、「家族に対して自分の役割をきちんと果たしたい」という思いに苦しんでいたそうです。「家族の中心で燦然と輝く太陽のようなお母さん―それはとても素敵だけれども、太陽になるって、結構な野望ですよ。(中略)それに、太陽のようなお母さんは、家族にしてみれば結構ウザいと思います」

 しかし、たとえどんなにウザがられても、抜け出すのは難しいのが「良き○○」願望。山本氏は「あなたの人生をどう生きるか、そのことに責任を持てるのは、本来、あなた自身しかいません。同じように家族の人生は、最終的にはその家族自身のもの」とピシャリ。つまり“あなたが良かれと思ってやっていることが、相手にとって良いこととは限らない”ということ。結局「良き○○」願望の裏には、「自己満足」がある。自分が一番そうしたいと望んでいるけど、それを「自分のため」とは認められない、認めたくない。妻、母、嫁、そして娘、誰も評価してはくれないこれらの役割をこなすために、「自己満足」に逃避するという一面もあると思います。わかっちゃいるけどやめられない。「良き○○」とは女の利権でもあるのです。

■自宅の中心で自由を叫ぶ

 家族も自分自身も追い詰める「良き○○」願望。染み付いてしまった女の利権から解放されるには一体どうするべきなのでしょうか。そのヒントを教えるのが「私も家族もラクで一石二鳥! 角の立たない自分中心思考」です。

「私、幸せ!」と叫び続ける毎日に漂う薄幸感パねえ!

しぃちゃん

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