「タレント本という名の経典」

「ブスといじめた者への究極の復讐」“整形モンスター”ヴァニラは本当に異常なのか?

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『超整形美人』(竹書房)

――タレント本。それは教祖というべきタレントと信者(=ファン)をつなぐ“経典”。その中にはどんな教えが書かれ、ファンは何に心酔していくのか。そこから、現代の縮図が見えてくる……。

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私はもう自分のことを人間だとは思っていない。
「ヴァニラ」というのは、ひとつの作品。
私はそれを作るアーティストでもあるし、私自身が作品でもあるの。
アーティストと作品そのものがコラボレーションしながら、カスタムという手段を駆使して、完成形に近づいていく。
これはもう、革命なんだと思う。
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 これは、「整形サイボーグ」「整形モンスター」と呼ばれるヴァニラのエッセイ『超整形美人』(竹書房)の一節である。もし、彼女が人形作家か彫刻家であれば、ひょっとすると完璧主義のアーティストとして名を轟かせていたかもしれない。だが、彼女が2,000万円以上を費やし、文字通り身を削りながら幾度も修正を加え作り上げているものは、自分の顔、体である。人は彼女を「気持ち悪い」「病んでいる」と容赦なくこき下ろす。

 彼女が整形に目覚めたきっかけは、小学校の頃のいじめだった。「ブス、鉄仮面、キモい」と愚弄された。父親も抑圧的で愛情に乏しく「俺は子どもなんてほしくなかった」「お前はブスなんだからしょうがない。整形でもするしかないだろ」と存在を否定する言葉を彼女に浴びせた。本書にはその陰惨な経験が1章半を割いてつづられており、その頃の写真も掲載されている。多くの人はその写真を見て「言うほどブスじゃないじゃん」と思うだろう。「美少女」ではないが、大人の目から見れば、子どもらしい愛嬌のある顔立ちである。そればかりか、中学2年生の時には先輩2人から同時に告白され、野球部のエースと付き合うなど、そこそこリア充な一面もあった。18歳で二重まぶたにする手術を受けた後は、もう誰も「ブス」とは言わなかったはずだ。しかし、彼氏ができても「ブス」と言われなくなっても、彼女の美への追求は終わらなかった。

 彼女の理想は人間ではない。フランス人形だ。30回以上の整形手術を受け、顔は唇以外全てのパーツを大改造した。体にもためらいなく何度もメスを入れている。バストは、もともとEカップあったが、目標はMカップ。周囲の人は「そのままでも十分じゃない?」と言ったそうである。そりゃそうだ。だが、「私が目指しているのは、フランス人形だ。人間味なんていらない」と主張する。結局、Mカップを形作る大きなシリコンバッグを入れると皮膚が破れる可能性があるため、1回目はHカップに留めた。Hカップでも一般的には大きすぎるが、それでも「見れば見るほど人間らしいバストでしかなかった。私には、物足りなさすぎた」「こんな人間じみた姿で生きているほうが、つらい」と、再度、豊胸手術を受けた。今はJカップだが、「理想にはまだまだ遠い」という。ウエストは40センチが目標だ。

共感はできても、メスをいれられない人ばかりだろうけど

しぃちゃん

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