角川慶子の「シロウトで保育園作りました」第61回

園長制度廃止で、保護者もスタッフもより安心できる保育園に!

2014/03/15 18:00
kadokawa61.jpg
保育園での誕生会の写真です。もう今回で終わりなんて泣けてきます

 今春はいつもの年と違い、娘が4月から小学校に入学し慌ただしくなるので、やれることはすべて3月中に行っています。時短勤務になるため、園の取材やテレビ収録など今のうちにやらないと対応できなくなることが多くなる予感です。小学校の最初の1週間は学校まで送り迎えしなければならないし、その後も慣れるまで乗り換え駅で待っていないと子どもが不安がるし、「いつまでに慣れる」という保証がないので、とにかく働く環境を整えていないと、やるべき仕事を放りだして子どもの待つ駅に走ることになりかねません。ああ、こんな時、お迎えシッターがいればいいのにね(笑)。

 取材対応などと並行してスタッフの採用を行っているのですが、面接以外に子どもと1時間半ぐらい接してもらって様子を見ることにしています。意外ですが、「子どもが怖がるかな?」と思う人に子どもがなついたり、その反対もあったりで、とてもおもしろいですよ。採用は私と保育士、子どもたちで決めています。子どもは素直だから、「暗いからヤダ!」などとはっきり言ってくれるので、わかりやすいです。まー、子どもは人のオーラが見えるので、無意識に霊視をしているようなものですから、私が「この人、邪気が憑いてるわ」と言わなくても、子どもが何かを察知して「イヤ」と言ってくれます。どんなに仕事ができても、子どもに嫌われたらおしまいなのが保育園スタッフというもの。子どもに好かれる人は、やっぱりオーラもキレイです。

■なくしてよかった「園長制度」

 より良い運営のため、4月から変えていくものもあります。例えば園長制度廃止です。保育園を経営して3年、いろんなことが見えてきました。どこの園もありがちなんですが、園長が保護者とのトラブルを保身のために経営者に隠す傾向があり、園長と話をしても埒があかないと思った保護者が、私を名指しで電話をしてくることがありました。保育はサービス業です。そのことを理解していないスタッフ、ホスピタリティーがないスタッフ、率先して仕事をしないスタッフは、園長が注意するよりも私が気づいて直接話をした方がスマートなので、廃止をすることにしたのです。園のホームページにはまだ反映していませんが、廃止をしたことで私に直接意見が言えるので働きやすくなったそうです。私自身も仕事がしやすいですね。

 もう1つ変えたものとしては、外部から顧問を入れることにしました。お受験教室で、驚異の合格率誇る「アンテナ・プレスクール」の石井至校長に4月より顧問に来ていただき、共働き家庭でも私立小学校に合格するには、日々の保育でなにをすればいいのかご指導してもらいます。お受験事情は毎年変化するので、傾向と対策が必要です。私のお受験情報は、いまは最新ですが、来年から古くなるわけで、いつでも最新の情報が入らないと意味がありません。アンテナ・プレスクールはほかの幼児教室と違い、共働き、シングルマザー、未婚のママ、外国籍、保育園児を有名校に多数合格させてきた実績があり、うちの娘のお受験でもお世話になりました。

 個人的ニュースとしては、娘が6歳になりました。早生まれでお受験も不利と言われ苦労もありましたが、事故や事件に遭わず6歳になってくれたことがうれしいです。いまはDSとテレビがあればおとなしくなりますが、ギャン泣きしていた0歳1歳時代、歩くのが下手なのにベビーカーに乗りたがらない2歳時代、ベビーカーが手放せない3歳時代、お受験期間の4歳、5歳時代。その日その日をやり過ごしてなんとか今日まできました。今はマイベッドを持っているのに夫婦のベッドに潜り込んできてくれるほど仲良しですが、いつか「お母さん嫌い、お父さん嫌い」と言われちゃうのかな。生理が始まる頃には遊んでくれなくなるらしいです。新居にはクイーンサイズのベッドを購入して、子どもと一緒に寝ることを楽しむ予定です。

角川慶子(かどかわ・けいこ)
1973年、東京都生まれ。「角川春樹事務所」会長・角川春樹氏の長女。自身も元アイドルという異色の肩書きに加えて、ビジュアル系バンド好きで、元バンギャルの”鬼畜ライター”としても活躍。2011年9月1日に「駒沢の森こども園」をオープンさせる。家庭では6歳の愛娘の子育てに奮闘中。

最終更新:2014/03/15 18:00
園長のあいさつ 保育場面の実例から学ぶ話し方
中間管理職ってツライのよ~
アクセスランキング