[連載]悪女の履歴書

「愛犬家連続殺人事件」――4人を殺害“透明”にした偽装夫婦、風間博子という女

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Photo by y_katsuuu from Flickr

世間を戦慄させた殺人事件の犯人は女だった――。日々を平凡に暮らす姿からは想像できない、ひとりの女による犯行。彼女たちを人を殺めるに駆り立てたものは何か。自己愛、嫉妬、劣等感――女の心を呪縛する闇をあぶり出す。

[第20回]
埼玉愛犬家連続殺人事件

 1980年代後半、いわゆるバブル期から始まった空前のペットブーム。それまで庭先の番犬として飼われていた犬が、家の中で飼われるようになり、雑種が一般的だったのが、ハスキー犬、レトリバー、シェルティーなどの「血統書付き」が人気を博していく。その背景にはブランド好きでステイタスを求める当時の人々の志向、風潮が大きかった。ブランド犬は飼い主の見得、欲求をも満たす存在となり、高額で売買されていく。こうした時代背景から、ブリーダーという職業も出現した。埼玉県大里群江南町(現・熊谷市)にあった「アフリカケンネル」もそのひとつだ。

 1995年1月5日、「アフリカケンネル」の経営者・関根元(当時53歳)とその元妻であり「アフリカケンネル」の代表だった風間博子(当時38歳)が逮捕された。関根はシベリアンハスキーを日本に初めて紹介したブリーダーを自称し、業界でも有名人だったが、周囲では犬の売買を巡るトラブルも多く起こっていた。そして関根から犬を購入するなど関係のあった人物が次々と姿を消していたのだ。

 93年4月20日、関根から犬を購入した当時39歳の会社役員が失踪した。会社役員は関根から1,100万円でローデシアン・リッジバックのつがいを購入したが、相場よりもあまりに高額なことなどから「騙された」と返金を要求していた。さらに同年7月22日、「アフリカケンネル」のトラブル処理を引き受けていた暴力団員とその運転手が行方不明になる。続いて関根から6匹の犬計900万円を購入し、執拗に返金を要求していた女性も失踪する。

 そのため4人に共通して関係やトラブルがあった関根の存在が浮上、警察もマークを始めた。同時にマスコミも関根元夫妻に疑惑を大々的に報じていった。「アフリカケンネル」には連日マスコミが押しかけ「愛犬家連続失踪事件」としてワイドショーで何度も取り上げた。だが、関根と博子の逮捕後、人々が震撼したのは彼らが4人もの人間を殺害したことではなかった。殺害方法は犬の安楽死のため入手していた硝酸ストリキニーネを飲ませるといったものだったが、驚愕すべきは死体処理の方法だったのである。

 「ボディは透明」。関根が好んで使っていた言葉だが、その言葉の通り、関根と博子は死体を「アフリカケンネル」役員の山崎永幸(当時38)の群馬県片品村の自宅に運び、風呂場でバラバラに解体した上で遺棄したのだ。その手法は戦慄すべきものだった。牛刀などを使って骨から肉をそぎ落とし、皮や内臓も丁寧により分ける。肉は4センチほどのサイコロ状態になるまで切り刻み、川に運んで無造作に捨てられた。後は魚が食べて“透明”にしてくれる。骨は数センチに切断し、ドラム缶で灰になるまでじっくり焼却した。肉が付いていない骨は臭いさえしなかったという。

 こうして「ボディは透明」になったのだ。死体を解体する一連の“作業”を博子は「鼻歌を歌いながら」手伝ったと報じられた。元夫と共同で犯行に及んだとされる博子は一体どんな女性なのか。

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