噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第207回】

素人より西川史子、デヴィ夫人のターゲット変更に見た、“上流階級”の喧嘩作法

2014/01/28 21:00
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「週刊女性」2月11日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第207回(1/24~28発売号より)

 安倍首相のお友達人事で決まったNHK籾井勝人新会長だが、就任早々の「慰安婦発言」が波紋を呼んでいる。この問題がより深刻なのは、籾井会長の報道機関の長としての見識だ。会長就任会見にもかかわらず「個人的意見」とエクスキューズして、それが通らないとなると「全て撤回」などと開き直る。さらに問題なのが「政府が右ということを、左というわけにはいかない」との発言だ。驚くより呆れてしまうが、NHKは本気で大本営発表を始めようとしているのか——。

1位「『若貴は父が違う!』に藤田紀子さん『今こそDNA鑑定』の思惑」(「女性セブン」2月6日号)
2位「直撃撮 デヴィ夫人 亀顔の西川史子を殴ればよかった!!」(「週刊女性」2月11日号)
3位「坂口憲二 30代“京美人”と結婚決意の秘真相キャッチ!! 元彼は故やしきたかじんさん、息子は小学生…受け止めた婚約者の『過去』」(「女性自身」2月11日号)

 藤田紀子、66歳。何かとお騒がせなこの人だが、今回もかなり驚いた。こんな露骨な話題便乗商法があったとは——。

 発端は大沢樹生の「DNA鑑定」問題だった。トホホとしか思えないここの騒動だが、しかし世間の注目を浴びたことには違いない。これを見た紀子は、「あらいやだ、私にも同じネタあるじゃない! じゃあ、私も」と相成ったらしい。しかもそれをテレビという公共の場で発言してしまうのだから——。何とも浅はかな女である。

 記事によると紀子のDNA発言があったのは1月17日放映の『ノンストップ!』(フジテレビ系)においてだった。「私も公のところで鑑定しようじゃないかと思うくらい」と爆弾発言を行ったのだ。紀子には、2人の息子がいる。誰でも知ってる元横綱の若乃花(現・虎上)と貴乃花(現・貴乃花親方)だ。

 思えば、日本中を席捲した「若貴ブーム」が巻き起こったのは今から20年ほど前のことだった。父親の藤島親方(後に二子山親方)も伯父の花田勝治も名力士という家柄に育った「若と貴」の兄弟力士が快進撃を続け、彼らを育てた母親である紀子にも一躍脚光が当たった。当時、この一家はまるでロイヤルファミリー並みの注目を浴びたのだ。

 だが、その後の兄弟の不仲、貴と紀子の不仲が明らかになるにつれ、ある都市伝説が公然と囁かれ始める。「若と貴の父親は藤島親方ではない」と。本当の父親とうわさされたのが伯父である花田勝治と、元横綱の輪島だ。しかも、兄弟それぞれの父親も別人で、若は勝治の子どもで、貴は輪島の子どもだという仰天すべきものだった。当時から有名なうわさであり、紀子にとっても不快なものだったことはわかる。それでも今さら、そんな都市伝説を蒸し返し、自らリアル現実に引っ張り出して“話題”にしようとするのは、どんな魂胆なんだ! 紀子によれば、このうわさを今でも貴乃花親方の方は信じ込んでいるらしい。そのため紀子は元夫が死亡した際、後々に鑑定できるものを残すよう虎上に伝えたというのだ。

 いやDNA鑑定をするのは、紀子、若、貴の了承があればしたらいい。それで疑問が解消され、貴との関係が修復できるなら、それに越したことはないだろう。でも、大沢問題と同じだが、それをわざわざメディアを使って公言するのは違うだろう。極私的なプライバシーの問題なのだし、デリケートな問題だからこそ、身内だけでやれ。メディアを、公共の電波を使うな。テレビ局もこんなことを朝っぱらからしゃべらせてるんじゃない!

 疑問を抱いている子どもの貴が鑑定したいというならわかる。だが、そんな都市伝説を、「今がチャンス」とばかりに引っ張り出してきたのは、母親だった。さらにテレビで大きく流布したのも母親だ。今や貴にも親方として、協会理事としての立場もあるし、貴にも子どもがいる。紀子は孫たちへの影響など考えたことがないのだろうか。というかこんな母親だから、貴の心もどんどん離れていってしまったのだろうか、とさえ思えてくる。

 ある報道によれば、『ノンストップ!』で自分のネタを30分以上にわたり延々話した紀子は、上機嫌で帰路についたらしい。メディア露出が大好きで、注目を浴びたいビョーキでもあるのは、大沢と紀子の共通項でもある。

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