深澤真紀の「うまないうーまん」第9回

大沢・喜多嶋問題から考える、「生物的な親」と「法律上の親」をめぐる問題

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イラスト:小野ほりでい

 元・光GENJIのメンバーで俳優の大沢樹生と、前妻で女優の喜多嶋舞の間の長男に関するDNA鑑定の結果をめぐる問題が過熱している。大沢側は長男と親子関係はないと言い、喜多嶋側はその祖父まで巻き込んで親子関係はあると言う。まだ17歳である長男を巻き込んで、何のためにこんな暴露合戦をしなければならないのか、双方の意図がよくわからなくなってしまっているのだが……。

 さて今回の件で「女は複数の男性と関係を持っても、誰の子供を妊娠したかわかる」「男は自分の子供かわからないうえに、こうやってだまされてしまう」という声が男性からも女性からも多く聞かれた。私は複数の男性と関係を持ちながら妊娠した女性を何人か取材したことがあるのだが、彼女たちの多くは「実は誰の子供かはわからなかった」と言っていた。妊娠のシステムを考えれば、たしかに「わからない」というのもうなずける。

 女性の卵巣から1カ月に1回成熟した卵子が「排卵」され、卵管がその卵子を取り込む。この時期に膣内に射精された精子が、卵管の中の卵子にたどり着いて「受精」する。そしてその「受精卵」が細胞分裂を繰り返しながら、1週間ほどかけて子宮の中に到着して、やっと「着床」して、「妊娠」となる。排卵しても妊娠しなければ、子宮内で着床のために増やした血液が不要になり「生理」として出血するというシステムである。

 女性が自分の妊娠に気づくのは、多くの場合、翌月の生理が来ないときである。「排卵痛」などがあるので排卵を自覚できる女性は結構いるのだが、受精には自覚症状はないと言われる(「できたような気がする」と思うのは、多くの場合そういう期待や不安を感じるかららしい)。着床したときに「着床出血」をすることもあるが、排卵した卵子の寿命が1~2日、精子の寿命が2~3日あるので、排卵日の前後に数人とセックスをしていれば、いつ受精したかはわからない。そして婦人科を受診すると、最終生理の開始日を妊娠の0週0日として数えるが、実際にはこの時点では妊娠はしていないという月数の数え方なのだ。

 ここまでのことを「あまりにも当たり前のことを書いている」と思うかもしれないが、男性だけでなく、妊娠出産した女性であっても、このシステムをきちんと理解していない人も少なくない。私が取材した複数の男性と関係して妊娠した女性の中にも、よく理解していないために「妊娠10週」と言われて、10週前にセックスした相手に「あなたの子である」と告げてしまった、という人もいた。妊娠10週の場合は、8週前にセックスした可能性が高いことになるのだ。

 そのため、女性側からも「どの男性の子供かわからないから知りたい」とDNA鑑定を望むことも少なくないという。DNA鑑定という方法が進化した現在では、生物的な親が誰なのか疑問がある場合に、男性も女性も、そしてなにより子供本人も、それを知りたいと思ってしまうのは無理もない。

 昨年末に、生物的な親にかかわるもう一つのニュースがあった。性同一性障害によって、性別適合手術を受け戸籍も変更した元女性である男性が、女性と結婚し、第三者の精子提供を受けた人工授精により子供を妊娠出産した。この子供を夫婦の嫡出子として新宿区に届け出たところ、「父親が元女性であるために、生物的な親とは考えられず、父親の欄を空欄にして受理」し、法務省が「非嫡出子」とする判断をしたため、夫婦が裁判を起こし、結果、最高裁は「この子供を嫡出子と認めるべき」という判決を出したのだ。

「生物的な親」賛美というのが、社会に対応していないだけ

しぃちゃん



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