今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

『ビッグダディ』が失ってしまった、“大家族モノ”の様式美

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林下清志(ビッグダディ)公式ブログより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎さよなら、ダディ
 『ビッグダディ』(テレビ朝日系)最終回……絶対だな!? 絶対最終回なんだな!? 言ったからには終わってもらうからな!! ま、テレ朝的には「また次の大家族探します。どうもごちそうさまでした」ってことなんだろうが。「このまんまじゃ終わらせねぇ!」と、当のビッグダディ本人だけが鼻息荒い。「元祖元妻(何だそれ)」推し、「手料理」推しと、これらで何とか突き抜けたいという、はやる気持ちが見て取れる。

 でもなぁ。小バエが群れ飛ぶむさ苦しい台所で、雑な食事を作ってるだけの描写だけではどうにもこうにも。大家族モノの醍醐味は、やっぱり走り回るガキ、荒んだ家、馬車馬のように働く大人たち、この三位一体のマリアージュあってこそ。成長し聞き分けの良くなった子どもたちが静かに映ってるだけじゃあ、最終回を迎えるのは仕方ない。

 料理も元嫁も、一通りの模索が頓挫したらこの人、ファミリーホーム作って里親とかやり出すんじゃないだろうか。「オレにできることは、ビッグダディであり続けることだけ!」なんつって。そのうちひきこもりや不良少年とか集め出して、何か平成の戸塚ヨットスクールみたいなの作ったりしないだろうな。……私たちは今、嫌な萌芽を見ているのかもしれない。

◎期待値を上げた二世
 いやー。『輝く!日本レコード大賞』(TBS系)司会・上戸彩、大賞・EXILEかぁ。何か出来レース通り越して、新手の夫婦漫才みたいになってたな。そんなことより、大竹しのぶだ。普段のふにゃふにゃしたしゃべり方からは想像もつかない渋い歌声。中島みゆきとか、ちあきなおみクラス。ブルーーーース!! 演技だけでなく、歌にまでこんな才能かよ。天は二物を与えるなあ。でも娘にはなーんにもあげないんだね。本当に、あそこんとこは父母揃って、何か一個くらい娘にあげたらよかったのに。この先、父母亡き後、残った莫大な遺産だけを継ぐであろうIMARU。美空ひばりの息子、加藤和也みたいになりそうで、不安半分、楽しみ半分。

◎きつかった年の瀬番組
 2013年の年の瀬。そう『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』(TBS系)の放送がある年の瀬。いやー、今回もやってた。またキツかった。20代半ばの若さで、ケガや故障で球団からクビを言い渡された野球選手が次々と。宣告の時、結婚予定の彼女のおなかがデカかったりするんだまた。「この子に野球してるとこ見せたいって、言ってました」って涙ぐんでみたり。あと、息子を野球選手にするのだけが夢だった父親が映ったり、結婚式を延期する者もいたり。ドラフト指名されて夢を語る入団時の映像で、奈落の今が一層際立つ。詳しい契約金・年俸も公開。

 そんな中、宣告された若者たちは、「12球団トライアウト」を目指すわけだがまたこれが。『お笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)並みの、命を懸けた過酷さ。笑いがないので救いもない。せめてたけしに仕切らせて。
  
 結局、どこからも声がかからず、とある選手は「別の仕事を、野球以外の別の仕事を、探します」と絞り出すように語ってた。その横をまた希望に満ちた入団したての新人が通ったり。人が、夢をあきらめる瞬間にみっちり完全密着。なんちゅう悪趣味。しかし、これが帰省の団欒あふれる年の瀬に、毎年決まって放送されているわけである。需要があるから供給がある。「上見て暮らすな、下見て暮らせ」は、もはや大きな娯楽なのだな。『ビッグダディ』とたて続けにこれが放送されたのには、意味がある。

 ……2014年、日本の景気、大丈夫なんでしょうか。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。



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